「ここじゃない世界に行きたかった」を読んで、大切なインスタを削除した。
新年早々、インスタのアプリをスマホから削除した。
わたしは、インスタにあれやこれや投稿することが大好きだ。
毎日料理をしては写真に収め、日々考えていることを文章にして添えている大事なインスタ。
色んな情報に溢れていて面白いから大好きなインスタ。
でも削除した。
わざわざMacBookを開かないと見られないようにした。
塩谷舞さんの「ここじゃない世界に行きたかった」を読み終えてすぐに。
いや、正しくはもう、読んでいる最中に。
いくつもの話題が掲載されているエッセイで、特に好きなのがこの章。
人に聞いたり調べたりして、正解を簡単に手に入れることはできるけれど、それを1番にやってしまうと、何をしてもその正解との答え合せになってしまうから、著者は、まずは自分で感じて考える、ということを大切にしているそう。
そのあとに、調べる。
まずは自分で見たり感じたりして、そのあとに色々と空想したり、思いを巡らせたりすることで、感極まる。
心が揺さぶられるのだ。
だめだ。
わたし、まず1番に調べてる。
だいたいのことはもはやググる必要すらなくて、インスタで調べれば、一通りの正解が分かる世の中だ。
そしてわたしはバッチリ調べ上げたあとに、その正解との答え合せをして満足している。
時にはその正解通り、感動したり悲しんだりできて、心が揺さぶられることもある。
でも時には、「これってみんなが言うほど感動するもの?」と感じながらも、「まぁみんなが感動すると言うから、ここは感動するポイントなんだろうな」と、自分の気持ちを無理矢理、調べ上げた正解に曲げてしまうことだってある。
みんながいいと言うもの、流行っているものは全て、良いものだと当たり前に受け入れてしまう。
自分の心は違和感を感じているのに、調べ上げたことが正解らしいよ、と言い聞かせてた。
わたしの心が本当に動かされるものは何なのか、知りたくなった。
わたしの心を本当に動かしてくれるものだけで、人生を彩りたいと思った。
だからもう、まずは調べる、という行為をやめよう。
慎重派な性格がゆえに、何でもまずは調べて準備をしてから行動に移すことは、自分の長所だと思っていた。
でも、物理的に必要な準備をすることはいいとしても、感じるための準備をするのはもうやめたい。
安心のために、と1番に調べる行為は、自分の心が揺さぶられたり、感動する機会を放棄しているんだと分かったから。
今年はスマホを手放して、まずは自分が動いて感じることから始めよう。
そしてこの本、たまたま他の人の感想を全く調べずに読んだものだから、真正面から受け止めることができ、終始心を掴まれて離してくれなくて、とにかく夢中で読み終えた。
あまりに夢中になって、何も音が聞こえない静まり返ったどこかに連れて行かれたようだった。
心動かされるというのはこういうことなのかもしれない、と知ることができた気がする。
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