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世界一かわいいねこ のろけを聞いてほしいだけの話

あねこは、黒白のタキシード猫だ。

首元に白いスカーフみたいな模様があり、白い毛並みはお腹に流れている。

お鼻は、片方が白で、片方が黒。

鼻割れだ、めずらしい、とみんなで言う。

鼻先の割れ具合は、陰陽太極図のように芸術的である。

お手々と足の先は、足袋を履いているように白い。


おひげは基本は白いが、たまに黒いものが混じり、長めだ。

冷静に見ると"長老"のように見えなくもない。

でもかわいい。

おめめは金色で、多くの場合は、ジト目というのか、悟りを開いたような表情を見せる。

それがかわいい。


お風呂に入っていないのに、頭からしっぽまで、しっとりふんわりした黒いビロードのような毛並みだ。

こんな子ばかりだったら、猫の毛皮が乱獲されたに違いない。

肉球は小豆のようで、ポップコーンみたいに少し香ばしい香りがする。

日向ぼっこのおかげか、からだからはおひさまの香りがする。

お尻は少しくちゃい。

夏は多少ねこくさい時もあったりなかったり。


うちに来た当初は、かわいい声なんか上げなかったのに、今は甘え声で子猫のように甘えてくる。

さりげなく、わたしのからだにしっぽを巻き付けて、歩き去る。

お尻を90度に振り上げて「尻を叩け」と、しっぽをわたしのからだにペシペシと当ててくる。

お風呂やお手洗いの前で、わたしが出てくるのをじっと待っている。

(多分、わたしが何をしているのかわからないのだろうと思う)

寝る前は、ひたすら私の膝やこぶしに、鼻先から口元を擦り付けて、気が済んだら自らベッドに入る。


わたしが部屋から立ち去り戻ってくる場合、あねこには3パターンの対応方法がある。

一、座って忠猫としてじっとわたしを待っている。

二、非常にタイミングよく、するっとわたしに向かって歩いてくる。

三、「待ってなんかいなかった」とでも言いたげに、わたしを通り越して、また戻ってくる。

こんなふうに、忠猫の場合と、ツンデレの場合があったりする。


うちに来てから1年間は、孤独を愛し、ひとになびかなかったのにね。

一緒に過ごす期間が増えるほどに、あねこはどんどんデレデレになってきて。

わたしもこんな記事を書くくらいにデレデレになってきている。

ねこもにんげんも、変わるものだ。


※サムネイルには、雰囲気が似ている子のイラストを使用させていただきました。


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