【短編小説】僕はエコボックス




どうも。エコボックスです。



僕は環境に優しい箱。僕の中に入れたものはなんでも地球に還るのさ。



今日も僕の中に何かが入れられた。



バナナの皮だ。



きっと道端に落ちていたのだろう。



僕は体内に取り込んでそのまま土に還した。



今度はビニール袋がやってきた。



ビニールでもなんでもへっちゃらだ。



僕は体内に取り込んで、そのまま土に還した。



今度はよくわからないものが来た。



僕はエコボックス、なんでも土に還せる存在。



でも今度はなんだかおかしかった。



いつもより具合が悪い。



でも僕はエコボックス。これも土に還そうとした。




でも食べても食べてもうまく消化できない。



ちょっとくらいいいだろう。




僕はそのまま吐き出した。




しかしそれがいけなかった。




吐き出すとあたりは汚れ、草木は枯れていった。




僕は泣いた。




でも泣いたところで手遅れだった。




僕の周りは既に汚染されてしまい、どうしようもなかった。

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京サリ
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