あがり症を克服したいなら「過去」を振り返らないで
ヴィゴラ~ス!
脳科学に基づいた緊張・あがり症克服の専門家 金光サリィです。
最近数人のクライアントさんから立て続けに、
「あがり症を克服するには失敗の痛みを感じ切ったほうがいいのでしょうか?失敗したときの痛みを感じきれていないから、あがってしまうと聞きました」
という質問を頂きました。
あがり症の痛みを感じ切る必要はある?
結論から言うと、答えはNoです。
あがり症は過去のネガティブな経験によって、「人前は危険なところだ」と脳に記憶されてしまったことで起こります。
過去の痛みをまた感じる・感じ切るというのは、ネガティブな経験を追体験することと同意なので、あがり症を克服するどころか悪化する可能性があるので、やめておいたほうが賢明です。
克服するには「過去」を意識的に遠ざける
あがり症を克服したいのであれば、過去は今の自分から意識的に離していくことが重要です。
例えば、転んでしまったお子さんに対して、多くの親は自然と「痛かったね~」と言ってあげていると思います。
「痛いね~」ではなく「痛かったね~」と言うことで、もう終わったことにして、痛みを意識から離してあげている訳ですね。
私のあがり症克服トレーニングでは、例えばクライアントさんが
「私ってみんなからの注目があつまると尋常じゃないくらい震えるんです」
「私は人前に出ると頭が真っ白になるんです」
などと話された時には、
「震えるんですね」「真っ白になるんですね」ではなく、
「震えてたんですね」「真っ白になってたんですね」と言います。
こんなふうに相手の言葉をあえて「過去形」で繰り返すことで、相手の脳に「もうそれは過去の話で、今からは違いますよ~」と暗に伝え、変化しやすい脳の状態にしていきます。
よくクライアントさんに「サリィさん、私に魔法をかけました?」みたいに言われることがあるのですが、こういった言葉の積み重ねで誘導しています。
もしあなたが普段から、「私はあがり症なんです」と周囲に言っていたり、「私はあがり症だからなぁ」などのセルフトークを繰り返しているなら、それも止めたほうがいいですね。
この言葉の使い方については私の著書「人前で話すのがラクになる!5つの魔法」をぜひお読みください。