クリスマスジャズで棚からひとつかみ。
ズバリ、表題の通りです。
唐突なサンソンオマージュ、あるいはこちら主力連載番外編として。季節柄こんなテーマもよろしいかと思いまして。ハロウィン→クリスマス、世間の切り替え速度は主宰の幼少期とは最早比べ物にならないレベルで。毎年大量に世へ放たれるクリスマスソング集の数々、今年は想像以上のスピード感をもってリリースされた感覚が。これがアフターコロナを目指す世界。
とはいえ一例、取り挙げてみましようか。
10月頃から本格的に、ビッグネームの作品達が出揃い始めた印象。早いものだと先行シングルが9月に配信開始されたケースまである。さっすがに早くね?日本ではまだまだ30度近い日が続いておりましたよ。とはいえ、そんな世間の煽りを受けて主宰はどう応えるか。コレクションから独断と偏見で選ぶ珠玉のラインナップ、になるべく肉薄できるよう最大限努力しました。
Diana Krall/Christmas Songs(2005)
ハイ来ました、1枚目から早くもクライマックスです。主宰が高校時代偶然手に取った盤がまさか15年来の相棒となり、この度満を持してご紹介できる機会を得るとは。The Clayton/Hamilton Jazz Orchestraを従えて、堂々の歌い回し。大人数のパーティに、大切な人と過ごす時間に、お一人様にも安心。クリスマスジャズの最適解がここにある。
The Singers Unlimited/Christmas(1972)
世間が抱く「クリスマス=アカペラコーラス」像を具現化したような1枚。誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々が、現代的な和声とアレンジによって全く新しいリスニング体験を生み出した好例。アカペラカルテット編成でここまでレンジとコスモを展開できるとは、もう仰々しいストリングスもキラキラ輝くミックスダウンも一切必要ありません。
Vince Guaraldi Trio/A Charlie Brown Christmas(1965)
母校ジャズ研に通う同期から紹介され、以来我が家のクリスマスシーズンに欠かすことのできないアルバムとなりました。所謂『クリスマス・スペシャル』のサウンドトラック。ピーナッツファンの方は是非ともヴァイナル盤でお楽しみ頂けると、更に興奮と感動が増幅し◎かと思われます。実はジャズが苦手で…という貴方にこそオススメしたい1枚。
V.A./Jazz For Joy: A Verve Christmas Album(1996)
ありがちなコンピレーションアルバムと侮るなかれ、Roy HargroveにAbbey Lincoln、Christian McbrideにBetty Carterといった名盤確定キャスティング。クリスマスジャズ特集となるとつい選曲もカブりがちですが、それぞれ表情や色付けが全く異なっていて。インストと歌モノがバランス良く楽しめる逸作でもあります。
Cory Henry/Christmas With You(2020)
そして締め括りは、銘盤選2020でも取り上げたこちら。令和の新たなスタンダードとして是非コレクションに加えてみては。名手Quincy Jonesに見出され業界入り、Kanye West『Donda』のプロデュースを務めるなど近年時代の中心人物となりつつある。そんな彼が大勢で過ごすクリスマスも一人で過ごすクリスマスも一切分け隔てなく優しくホットに彩ってくれる最強の1枚。