虎に翼103話(重遠の孫)
寅子「いつ私が航ーさんに
佐田姓になってほしいと言いましたか?」
この一言は、寅子をよく顕している。いや、たぶん 吉田恵里香さんをよく顕している、と思う。
私の感性なら、
「私は、航一さんに
佐田姓になってほしいと思っている訳ではありません」
と、言わせるだろう。
・・・・・
航一「寅子さんを妻だと
紹介することは世界中の人に
この人が僕の愛する人だと
伝えることです」
(『妻』に「日本国ブランド」が必要かどうか?
航一は、やはりブランド志向のようだ、「星ブランド」はともかく)
轟「こちら遠藤時雄さん
今、俺がお付き合いしてる
お方だ」
(航一の寅子への想いと、轟の時雄への想いは等価だ。
違いがあるとしたら、聞く側、受け取る側にある。
かたちと中身、形式と実体の
せめぎ合い。中身が形をつくり、
形が中身を縛る。法律は形式=形の体系そのものだ)
・・・・・
桂場「なぜそんな くだらんことにこだわるんだ」
寅子「なぜ こだわる?」
(ではなく
「何が くだらない?」
なのではないかなぁ⁇ )
・・・・・
遠藤「あっ そんな不純な理由は駄目か」
山田「優未ちゃんは女の人になるために何か頑張ったことってある?」
優未「えっ? いや ない」
山田「でも頑張ったり 理由を考えたり 説明したりしなきゃ自分が認められないことが
ずっと苦しいの」
遠藤「僕らだけ絶対理由が求められる。『いつから異性が好きなのか』なんて質問絶対にされないのに…」
優未「本当だ。
理由なんていらないのにね」
よね「一つに決めつけるな。
理由がいる時だってあるぞ。私は 男になりたいわけじゃない。
女を捨てたかっただけだ。
自分が女なのかと言われれば もはや違う。恋愛うんぬんは 男も女も心底くだらない。
そういうやつもいる」
(よねも理由で、自分の不足を穴埋めしている)
千葉「そもそも型にはめる
必要なんてないし自分が何者かを
誰かに分かってもらう必要もない」
秋田「そうそう 俺たちが、
お互いを分かっていれば」
(「法の無い社会」仲間うちだけであるなら、それも成り立つ。けれど国家規模ではどうなのだろう)
同じ人間はいない。
それぞれ自分らしく生きるべき。
・・・・・
寅子「あのあと、彼とまた話して心から夫婦になりたいと思った。だから 名字の件はいろいろと試行錯誤したけれど私が折れるのが一番の近道のようなの」
遠藤「佐田さん
僕が太一君に ほれたのはね
どんな人でも 出会った瞬間に
ありのままを丸ごと
受け入れてくれるから。
そこが 大好きなんです。
フフフ.
僕が言いたいのはね
自分が曲げたくないものを折るって自分も折らせた相手も傷つけることなんです」
・・・・・
航一「僕たち 結婚するの
やめましょう。
言葉足らずだったようです。僕がやめようと言ったのは
婚姻届を出して行う結婚のことです」
寅子も航一も、結婚を
「制度」として捉えている。
光
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