虎に翼 番外編4(重遠の孫)
サンジェは 優秀な鉱山技師、強(したた)かなビジネスマンだ。誰も見向きもしなかったウラン鉱石に目をつけ、先を見越して確保する。商機を見定め 売り込む。
商材が普通の物であったなら、殊更には 問題視されないたろう。しかしサンジェのそれは、高純度ウラン鉱石であり、サンジェの利益追求の先で原爆となり、数十万人の死を招く事になる。
サンジェの意識は、それを「他人事」としている。
サンジェの行為は、結果の大きな原因要素でありながら、意識は断絶されている。これが、一番の構造的問題だ。そしてサンジェだけでなく、原爆だけでなく、私達人間全てに、環境問題始めあらゆる問題に、当てはまる。
「虎に翼」に絡めるならば、「家族裁判」が「司法裁判」に勝る所以であり、「ピア(民衆)政治」が「代議政治」に勝る所以でもある。
ひとり一人の「心象世界」の調和融合を図らない限り真の平和は訪れない。
光
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