虎に翼63話(一美)
大庭家 相続問題 調停へ
調停委員「長男の撤太さんが 全く譲らず『自分が 全てを相続する、大庭家を守る』の 一点張りでして…」
調停委員「長男が相続を独り占めする案件の
まぁ多いこと」
そう簡単に この国に染みついた"家制度“の名残りは消えぬ ということ
……………
「うぁぁ〜〜〜ぁぁあっ」
大声を出す 寅子
多岐川「こじれてるのか
なら 調停は不成立になる。その時こそ 君の出番じゃないか。
審判に決定を出す役目が
待ってるんだから」
寅子「でも その時は立場上 友達の味方はできません」
多岐川「じゃあ 君にできることは何も無い。弁護士を信じたまえ」
その弁護士の 轟
轟「あとは 任せておけ」
……………
梅子「私は ともかく遺産が 息子3人に平等に相続されるようにしたいの」
梅子「長男は夫にウリ2つの性格に
次男は 戦地から戻って より酒に溺れて…ヒネくれて…
三男は お人好しが過ぎて…
三人 手を取り合って
生きて欲しい」
轟「どんな子でも 自分の息子は可愛い……か」
梅子「とにかくね 息子たちの誰かが 損することのないようにしたいの」
*母親の気持ちって
おんなじ ですよね
どんな子でも 自分の息子は可愛い
だけど…
母の想いが
子に伝わらない
そんな時もある
一美
……………
大庭宅では…
次男の徹次に
梅子「お父さまの お知り合いでね 事務仕事の手伝いをして欲しい方が居て
徹次さんに どうか と思って…」
徹次「だからぁ 傷が痛むんだよ 俺のことなんて
どうでもいいクセに」
*傷…? 出征したのは日本で徹次君だけじゃないし…
出征した人は 何らかの傷は負ってる。やっぱり(母への)甘えの変形じゃないかな…
まっすぐ甘えられない苦悩よねぇ
一美
梅子「そんな訳ないでしょ」
徹次「嘘だね!俺を置いて逃げたクセに」
梅子「それは…」
そこへ 光三郎
光三郎「僕、覚えてるよ
あの日 徹次兄さんが
『母さんと行きたくない』って言ったんじゃないか!」
徹次「だとしても 子どもを置いて逃げる だなんて」
*じゃあ どうすりゃ よかったの? 一美
梅子「そうよね ごめんなさい」
徹次「謝れば💢済む と思って‼︎!
今 思えば あそこから💢俺の人生 狂い出したんだよ‼︎」
光三郎「お願い! もうやめようよ! お父さん達のマネして
お母さんイジメるのは!」
*結局
お母さんの争奪戦
どの子も お母さんに 自分の方を向いて欲しい 一美
………………
また調停が行われる日が来た
話が こじれそうだから…と
今回は 裁判官 寅子も出席
撤太「この中で まともに
社会に出て働いておりますのは私だけです。
彼らは遺産の管理もできないか…と」
続いて
姑の 常「私は撤太には 面倒をみて欲しくない」
*そうだったの? 一美
徹太「はぁ…?」
常「梅子さん あなたが悪いんですよ。あなたが撤太の嫁を きちんと躾けないから。あの嫁の世話になんか絶対になりたくない」
調停員「では どなたの扶養に入りたいとお考えですか?」
常「そうね 光三郎がいい」
常「だから 光三郎に より多く相続してちょうだい。
光三郎が行くところには
梅子さんがついて行くでしょう。
今まで通り 私と光三郎の世話をしてもらいましょ」
梅子「光三郎の気持ちを無視して 勝手なことを言わないでください」
光三郎「いいよ 僕は…
僕も お母さんとおばあちゃんを お兄さん達には任せられない。ただし おばあちゃんが お母さんに意地悪しない。命令しないって 約束してくれるならね。
僕 もう お母さんに辛い想いしてほしくないんだ」
約束を 取り付ける光三郎
………………
調停委員「いやぁ 立派な坊ちゃんでしたねぇ
お母さんを守るんだ!という強い意志を感じました」。
調停委員「しかし 長男は 到底納得しませんよ」
「審判に まわさざるをえんでしょう」
梅子は 女子部で 学んで
離婚も
親権も
得ることができなかったけど
光三郎を ちゃんと立派な
青年に育てた。
それだけで…
嬉しくて
嬉しくて
しょうがないのは
寅子だけ じゃない
一美