夏目漱石の『こころ』。主人公の若者が、「先生」が死ぬつもりだと知って、病気が重いお父さんを置いて汽車に飛び乗るのを非難する人がよくいる。違う。そこがかなめなんだ。これは「大切な人ふたりの死の、どちらにもまにあわない」という小説だ。まにあわなかったことがある人にしかわからない。

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