【ブックフェス】SHIBUYA BOOK PICNIC ー無欲と野望
今週土曜日19日の天気予報は、あいかわらず最高気温27度で、しかも降水確率60パーセント。
翌日から爽やかな秋晴れというんだからひどい。
その青空、1日前倒しにしていただけませんか? 神さま?
ところでこの記事のタイトルは、
「いっぱい売れたらいいな。10冊くらい?」(野望)
「まあ1冊も売れなくても、シブヤ楽しんでこよっと」(無欲)
という、即売会出店者にありがちな二つの気もちを正直に述べただけだ。
ちっさいな! と苦笑しつつ同意してくださるまだ見ぬ友の方々、きっと少なくないと思う。
そもそも2時間枠だから、そんなにたくさん本持っていけない。
すでにフォローしてくださっている少数精鋭の皆さまはご存知のとおり、
私はここnoteではおもに、シェイクスピア関連のあれこれを書いている。
少なくとも、公式にはそういうことになっている。
なぜかシェイクスピアより畠山重忠について熱く語っている気がしないでもないが、きっと気のせいだろうと思う。
もともとシェイクスピアの翻訳者になろうなどという野望はなかった。
うちの劇団の名物が
「どんなに長大な傑作も1時間・5人以下でやってしまうシリーズ」
なので(いままで宮部みゆき『火車』をはじめ多々やりとげました)、
その枠でシェイクスピアもやっちゃう? ということになって文庫本を2種類、図書館から借りてきたら、
どちらも、なんか台詞が言いづらい。
こんなだっけ? と不思議に思って原文とつきあわせてみたら、
英語と合ってない箇所があっちもこっちもどっちもそっちもで、仰天。
あきれて——
自分で、自分たちの上演用に、訳し始めてしまったわけなのです。
『ハムレット』と『マクベス』の〈抄訳〉が完成していて、解説と合わせて新書サイズの本にしてある。
名場面、名台詞をつないで、1時間で上演できる版だ。
オンデマンド印刷なので原価が真剣に高すぎる。
だから売って儲けようなんて初めからあきらめている。ただ、
シェイクスピアってこんなにすっきりわかるんだ
で、リアルに刺さるんだ
ということを、ちょっとでも広められたらいいなと思うだけだ。
このあたりは無欲なんだか野望なんだか、自分でもサイズ感がわからない。
しかも、なんかしらん訳しているうちに、脇役(サブキャラ)の女の子たちの視点からスピンオフの小説がむしょうに書きたくなって、
『ハムレット』には『オフィーリア・ノート』、
『マクベス』には『レディ・マクベス・ノート』、というセット販売をしております。
この調子でいずれ『オセロー』と『デズデモーナ・ノート』セット、『リア王』と『コーディリア・ノート』セットも作れたらいいなと!
日本にシェイクスピア訳者はいっぱいいるけど、二次創作までやってるのは私だけじゃないでしょうか。笑
ということで、このPASSAGE内のお店「ユニットサラ」で販売している2セット4種の薄い本たちを、謙虚に2、3冊ずつ渋谷ヒカリエに持っていく予定で……
おりました。
ところが。
うちの相方Mが、思いがけないこと言い出した。
「今回はやめようよ、シェイクスピア」
え?
「どうせ売れないよ。2時間でしょ」
うん……まあ……
「じゃあ薄い小さい本じゃなくて、厚い大きい本持っていこうよ。
どうせ売れないんだから、思いきってどーんと!
せっかくだから楽しまないとね!」(にっこり)
えー?!
恐るべし。私以上に、無欲か野望かわからない男がここにいた。
じゃ何を持ってくのよ?
この記事長くなってきたので、次回へつづく!(え噓?!)