マガジンのカバー画像

『鎌倉殿の13人』つれづれ

23
2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見てつれづれ思ったことを書きました。おもにあきれたこと。
運営しているクリエイター

#鎌倉幕府

似すぎ。今の日本と『鎌倉殿の13人』

似てる。 似すぎ。 テレビの中に、まるごと今の日本。 烏帽子つけてるだけ。 風刺とはとても思えない。 「昔の人もバカだったんだよねー、僕らと同じで。あははっ」 という、ただ、上目線の現状肯定。 大の男が13人も集まってうだうだ評議する。 みんな私利私欲を言うから当然まとまらない。 出勤すれば職場で見られる風景そのままだ。 烏帽子つけてるだけ。 そもそも鎌倉幕府のおしごとって何? と思っていたら、 簡易裁判所、的なことらしい。 太郎と次郎が土地をとりあってどうたら言ってる

「名こそ惜しけれ」は源氏じゃなくて平家の名台詞なんですが? ~NHK『新・街道を行く 三浦半島記』の鎌倉絶賛が疑問だらけだった件

私は鎌倉が好きで、奈良・京都も好きだ。 どちらも大好きだ。 だから、昨夜(8月6日)放送のNHK『新・街道を行く~三浦半島記』を見て、 中で朗読されていた故・司馬遼太郎の文章を聞いて、驚いた。 「鎌倉幕府がもしつくられなければ、その後の日本史は二流の歴史だったろう」 えっ。 奈良時代と平安時代、全否定? 「この時代から、日本らしい歴史が始まると、極論していい」 よくなくない?! 極論にもほどがありませんか? 司馬遼太郎をちゃんと読んだことがなかったのだけど、 そんな

『鎌倉殿の13人』善児はどうでもいい

主人公って何だろう。 ヒーローでもヴィランでもいい。 ストーリーを支配してほしい。リードしてほしい。 それが主人公じゃないのか。 今年の大河の主人公は、ヒーローでもヴィランでもない。 何もしない。 人に言われたこと、または/そして、やらんでいいことしかしない。 見せ場がなさすぎる。 北条義時を、どういう人として描きたいの? 彼の何を描きたいの? それがいまだに見えてこない。 義時の見せ場を作る大きなチャンスが一つあったのに、逃した「三谷幸喜は伏線の回収がうまい」 って

畠山重忠という生き方

『鎌倉殿の13人』、今日は良い台詞があった。 「自棄[やけ]ではない。筋を通すだけです」 「もはや今の鎌倉で、生きるつもりはない」 どちらも、死に臨んでの、畠山重忠の台詞だ。 この日が来るのを知ってはいたが、 私も正直、今夜、 殉死したい気分だ。 全キャラの中でいちばん好きな人が、死んでしまった。 それを演じてくれたのが中川大志さんという、全キャラの中でいちばんの美形だったことは、想定外のご褒美でありました。 だいぶ前から── もう今の日本で生きていたくない、と思