カサンドラな私のライフハックノート#1「真似するのが苦手」を理解せよ!
この記事を書こうと毎朝PCに向かうこと5度目。かなり苦戦してるサラです…どんな切り口でnoteにまとめたら良いのかまだ手探り状態ですが、書いてみたい話題は沢山あるのでとりあえずの更新を目指しています。投稿後に書き直すこともあるとは思いますが、生暖かい目で見守っていただければ嬉しいです。
このブログの趣旨は、カサンドラの私がASDの夫と日常生活を送るときに、毎日を楽しく生きていけるような工夫や考え方、知識をまとめることです。長年の夫観察から得た、元気に生きるためのライフハックノートです。
本題を書く前に、ちらっと自己紹介
私には1歳半上に姉がいます。
今でも仲良しなのですが、子どもの頃は時に私が好きなことを全面否定してきて傷ついたり、汚部屋だったり、いつも母親に愚痴を言い続けていた記憶があります。穏やかで優しい、でも時に不器用な姉のことを理解したのは、娘が不登校になったことがきっかけでした。長女は聴覚過敏やコミュニケーションの行き違いが原因で体調不良となり不登校に。そのとき、全く相談に乗ってくれず、なぜか弱気すぎる意見しか言わない夫を疑問に思い、「弱気すぎる夫」と検索したら「アスペルガー症候群」という言葉がヒットしました。
夫、長女、姉がそれぞれASDの特性に当てはまっていることを知った瞬間は、本当に目から鱗が落ちるほどの人生の転機でした。
カサンドラについて
私はうつ状態にはたびたびなってきており、車をぶつけたり、学校の集まりで失敗したり。。心療内科にかかるほどの身体症状は出ていませんが、夫と暮らしているうちに内向的な性格に変化してしまっていることに気付きました。※詳しくは、#0をお読みください。
「カサンドラ」という言葉を、ここでは「ASDの夫と暮らし、日々の生活で苦労している人」と広く定義しています。いろんな状況、さまざまな解釈があるかとは思いますが、世間的にわかりやすいという面を考慮し、若干の拡大解釈をしつつ使わせて頂いています。
前置きが長くなりましたが、今日のトピック。
「真似するのが苦手」を理解せよ!
夫は会社で仕事をしているときはそれなりに積極的なようです。オンライン会議では積極的に提案をしていたり、オンラインでの人事の面接のときも積極的に会話を繋げています。
家での夫といえば。
全てに遠慮がち。失敗するのを恐れるかのようなビクビク、おどおど感…。
なぜこんなに違うのかと思っていたところ、ヒントとなる手がかりを見つけました。それが、真似することが本当に苦手だからいろんなことを習得できないのでは?という点です。
このことに最初に気付いたのは、黒川伊保子さんの本「夫のトリセツ」
今回のnoteを書くにあたり読み返してみましたが、テンポの良い文章であっという間に読めるし、何より脳科学の面から男女の違いを解き明かしてくれるので広範囲にわたって夫の行動理解が広がる良書だなと。。このブログ読まずに、もうこの本読めばええやん、というくらいオススメです。
この本によると、ASDかどうかにかかわらず、男女で身体の使い方が違い、女性の動き方を男性が自分に取り入れるのが困難だと書かれています。
(心理的な共感というよりも、ここでは行動を真似ること、という行動の方にフォーカスしています)
次のキーワードとして、あまり耳慣れないかもしれませんが「ミラーニューロン」という言葉が出てきます。ミラーニューロンについて私が知るきっかけとなった情報源としては、心理学系YouTuberの増田先生がカサンドラ症候群について説明している動画です。増田先生は、誠実な医師なのだろうな、という感じで好感度が高いし、ボードを使ってわかりやすく説明してくれるのが好きなポイントです。
簡単にミラーニューロンとは、他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をする神経細胞のことだそう。ASDの特性として、このミラーニューロンの働きが弱いことが挙げられています。現時点では人間で実証されていない面も多いらしいのですが、ASDの方の脳の特性として非常に大事なポイントではないかと思います。。
※ASDの特質を「ミラーニューロン」「メンタライゼーション(心の理論)」そして「社会的想像力」といった観点からの捉え方・見方がある (ペリカンクリニックのHPより)
姉の場合、ダンスを見ることが好きですが自分で真似してやろうと思っても全くできませんでした。相手がどう動いているのかを理解できず、自分の身体がどう動くのかもイメージが難しいそうです。夫で言えば、私の家事や育児をする姿を見ても、それが自分で同じように動くことがイメージできないので、まるで「テレビドラマを見ているよう」にしか感じていなかったようです。実感が伴わない風景を何度見ても自分事にならない、という感じ方をしているのだろうな、ということは、私も夫観察をしていてよく思います。
ASDは脳の特性であり、性格などを指す言葉ではありませんが、特性は性格に影響します。特性として人の真似が苦手で物事の習得が遅くなる傾向があると、「なぜこんなことも出来ないの?」と言われるようになります。本当は、できないのではなくやり方の工夫が必要で時間がかかるだけですが、「自分には最初からその能力が無いから諦めよう」という行動が身に沁みついていきます。
私にも、できないことは沢山あります。夫のほうができることも当然あります。でも…新たな仕事にとりかかるとき、私なら面倒だなとは思うけれど、出来ないなりに相談するとか、別の手段でやります。全部やらないメリットは低いと思うのです。。
なぜ夫はやらないのか…?当然、やる気が無いだけの可能性も当然ありますが。。
旦那の諦めをさらに分析してみます。
何かにチャレンジする → 失敗すると非難される → 非難され、フリーズするかもしれない(ちょっとした失敗が自分の中で大失敗と認識される) → チャレンジすることは怖いこと!
という誤学習もセットされています。
誤学習とは、生まれ持った性格ではなく、ある程度年齢が上がったときに後天的に学ぶもので、私なりの解釈だと「誤った認識が自分にとって最適行動だと思うこと」これ…凄く困る!
ASDの困りごとは誤学習によるもののほうが多いそうです。(ここから療育の必要性も見えてくると思います…また後日詳しく書いてみたいです)
私たち夫婦は日常生活の中で、沢山の「できること」と「全くできないこと」を感じつつ生きています。
夫がどうしてもできないことは潔く諦めて私がやることにしていますが、それでもなぜか「やろう」として「できる」ようになったことがあります。それがなぜ起こったのかを振り返ると、
〇自分がやらないと他に誰もやる人がいない状況
〇周囲に非難する人がいなかった
〇一人暮らしのときに自分がやっていた記憶がある
〇長年の経験で少しずつ理解してきた
まず、自分がやらないと他に誰もやる人がいない状況、なのですが、私が仕事先で出会ったASD傾向のある方もそうでした。他に動ける人がいる場合には積極的に動いてくれないのですが、自分しか手が空いていないという時にはすんなり働いていました。
保育現場では「環境設定を工夫しよう」ということが言われます。
環境とは、どんなものをどこに置くか、どのくらいの時間をかけて何をするか、ということなのですが、一番大きな要素は保育者自身。どんな言葉を使ってどのように行動するのか、ということも含めて環境です。
夫にとっての「自分が動かなくてはいけないな」と思った環境は、私が三女を生んで手一杯だった時期だったようです。要は、それまでは奥さんがなんでもやってくれるからやらなくていいや、という状況だったんですね…。それがサボりかどうかといえば、私にはわからない。。ただ、環境、状況的に「やらなくては!」というスイッチを入れることは可能なんだと思います。
三女に手一杯、両親は高齢で助けを呼べない、という状況だった頃から夫は、洗濯物は自分の担当として働くようになりました。ゴミ捨てと洗濯物に限って言えば、自分の生活のルーティーンに組み込まれたようです。それ以外の子どもの世話などは、自分の時間があり、体調が良いときにきまぐれに手伝います。
洗濯物は独身時代からやっていた家事なのでもともと出来るのですが、干し方を工夫したり、乾いた服を家族ごとに分別したりは新たな仕事です。それは、長年をかけて自分ならこうする、が蓄積された結果であり、文句を言われないレベルでできる、と確信できたからなのでしょう。(ちょっとでもアドバイスすると反発されます)
なぜ洗濯物にしたかといえば、おそらく消去法です。ちょっと笑えますが…、何事も消去法で決まる人生を送っている夫。きっと私とお付き合いしたことも消去法だったのではないでしょうか。「他の人とは結婚しても大変そうだけど、、この人とは一緒に生きていけそうだなー!」という直観で選ばれた可能性があります。ASDの方が生き抜くための判断力はけっこうハイレベル、と私は見ています。
夫の場合、自分担当はゴミ捨て、洗濯物。そして半分くらいの割合で洗い物をするようになりました。完璧ではありません、、いつも洗濯槽のゴミ屑ネットはそのままだし、シンクを最後に綺麗にするなどの完璧さはありませんが、それでもお役に立っています。何か行動をすることで愛情を示す夫としては、これがベストな方法なのでしょう。本人も、昔よりも家庭の中で存在感を出せているという実感を持っていると思います。
驚くことに、夫を観察していると、健常者だったら一日でできるようになることを三年後くらいにできるようになることがあります。
一日と三年の差…!!
それはそれで面白いなと思います。夫の新しい行動を見て、「ええーできるようになったの!?」と思わず叫び声を上げてしまいます。
三女のときには新生児の育児もかなり手伝ってくれました。上の子達のときから見ていた新生児の扱いが、ようやく身になってきたのだと思われます。新生児はどう接して良いかわからない、と昔本人が言っていたのですが、やはり成長しています。。
もし、「夫が動く環境設定」を意図的にするならば、「今日は何時まで出かけています。夕方までに〇〇が終わらないと困るので、〇〇をこうしてこうしてこのようにしておいてください」と、夫にどうしてもやる理由と細かい指示を出しておけば、大抵はうまく行きます。成功体験を積み上げることが大切だと思います。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の名言がありますが、それを思い出します。
これをする奥様、人間力が向上しそう。自画自賛しておきましょう。
私の場合、気長に見守ることで成長する可能性がある、ということを理解することで「夫は何を言っても変わらない」という呪いから少し解放されました。
話し合いでは夫婦の問題が何も解決しない、変化できない夫と、これからの長い人生一緒に過ごせるのだろうか、と暗澹たる気持ちになり、今すぐ離婚すべきなのかを真剣に考えた時期があります。
夫が成長すると実感が持てたことは、私にとっては大きな成果です。愛情の一方通行のように感じていたけれど、夫のほうは毎日の行動で愛情を示しているということも理解し、何かしらの成長はする人だという結果が出たことで、今後もやっていけるという希望が持てたのです。
そして、どんな夫婦にとっても、生活を続けるには何かしらの楽しみや希望が必要なのだと思います。
長くなってきたので、今回はこの辺りで。。
本日のライフハックのまとめ
・夫の愛情表現は言葉ではなく行動、と心得る
・夫が自分事と捉えるきっかけを与え、行動するまで何度もやってみせる
・チャレンジしやすい環境設定を考える
※とはいえ、個人差が大きいことが発達障害の特徴です。。
生かせそうなところを参考にしていただけたら幸いです_(._.)_
長々と読んでいただきありがとうございます♪
次回は、勘違い大魔王の夫にどんな言葉がけをするのか、なんてトピックを書いてみようと思います。
フォローやいいね!などいただけると大変嬉しいです。
ではまた……!