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映画日誌’24-13:ボーはおそれている

trailer:

introduction:

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』の鬼才アリ・アスターが、気鋭の映画スタジオA24と3度目のタッグを組んで世に放つオデッセイ・スリラー。『ジョーカー』のホアキン・フェニックスが主演を務め、怪死を遂げた母の元へ向かう男の奇想天外な旅を描く。『プロデューサーズ』などのネイサン・レイン、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのエイミー・ライアン、『ドライビング Miss デイジー』などのパティ・ルポーン、『DUNE/デューン 砂の惑星』などのスティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、『ジュリアン』などのドゥニ・メノーシェらが脇を固める。(2023年 アメリカ)

story:

日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、父の命日に里帰りするため旅支度をして空港に向かおうとするが、アクシデントで部屋から出られない状況になってしまう。さらには、つい先ほどまで電話で話していた母親が突然、怪死したことを知らされる。母のもとに駆けつけようとアパートの玄関を出るが、次から次に奇妙で予想外の出来事に襲われ、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。

review:

鬼才アリ・アスターと怪優ホアキン・フェニックスの最狂コンビ、そしてA24である。そそくさと映画館に足を運んだ映画ファンも多いだろう。地獄のような世界に暮らしている童貞中年ボーの長い長い冒険旅行であり、母の呪いの物語ある。精神疾患を抱えているらしいボーの妄想と現実世界の境目が限りなく曖昧で、謎だらけで荒唐無稽な展開に困惑しつつも、アリ・アスターに対して免疫がついていることに気付いたりする。ていうか、フランスの名優ドゥニ・メノーシェの使い方よ・・・。そしてお父さん・・・。

検証のため、おかわりした。一回観ただけではいろんな仕掛けに気付かないので、考察を読んで再度挑めば、より面白く感じられるのではないかという期待だ。伏線を回収しに行ったとも言えるだろう。で、2回観て気付いたことは「筋書きが面白くない」ということである。そしてアリ・アスターの睡魔が襲ってくる冗長なテンポと相性が悪いらしく、体調万全で観ても集中力が途切れてしまう。彼の凄さは認めるが、実は心の底から面白いと思ったことがない。今回おかわりしてみたことで、その理由がハッキリしてしまった。

また、状況に飲み込まれていくだけの登場人物(本作のボーはその最たるもの)の心理描写にリアリティがないので感情移入できず、何が起きてもどこか他人事でドキドキハラハラしない。特に本作は「“キャラクターが何もできず、どのボタンも機能しない”ビデオゲームのような映画を撮りたかった」らしいので、アリ・アスターの思う壺なのだが。結論としては、面白いけど面白くない。面白くないけど面白い。考察するのは面白い。何なのよ。もしかして3回観たら面白いのか!?

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