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詩『破壊の天使』
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一生懸命歩いてきたよ
自分の決めた道が好きだから
ぼくは自分を信じることができた
前にも後ろにも誰もいないけど
道を見失うことはなかった
遠くの空の雲間から差す光
いつまでも遠いままだけど
ぼくは近づけると信じてる
誰かいる?
誰かの気配を感じる
足を早めたけど気配は消えない
つかず離れずついてくる
まるで楽しんでいるかのようだ
ああ、聞いたことがある
背後から忍び来るやつのことを
ぼくの所に来たのか
ぼくを追い回しているのか
かつて誰かがそいつをこう呼んだ
破壊の天使
どこまでも追いかけてくるという
たまらず走った
走り続けたけど
息が切れて倒れ込んだぼくに
影が覆いかぶさった
破壊の天使がぼくを見つめる目には
憐れみのような慈しみのような
優しくもあり恐ろしくもある光が宿っていた
容赦のない一撃が
頭上の空気を引き裂く
・・・・・・・
叶わないことなど分かっていた
ぼくは、ぼくでありたい
それだけだった