マスターキー

この場所に居たら 私の心が彷徨う
前しか向かないで 歩けば変わるのかな?
山脈を越えて 深い川さえも泳いだら
月明かりを頼りに 樹海の波に聴き入る

ねぇ

私の…私の マスターキーを何処に棄てたの?
この樹海って聞いたけど 広すぎて わからない
私は二度と開けない心を持って 街に帰ろう

もしかしたならと ヒグマの寝ぐらに手を入れ
もしも起こしたなら 私が喰べられるわ
もしかしたならと 穴持たずに出会ったならと
月明かりしかなくて 怯えながら真冬の山

ねぇ

私の…私の マスターキーを何処に棄てたの?
暗がりの中で彷徨わせ 風で枝から雪が
落ちただけでも縮こまる心を持って 街に帰ろう

「奇抜なお前には気晴らし相手が似合う、
意思を持つな。」とあなたのその笑顔が怖い
飼い慣らされたくない

ねぇ

私の…私の マスターキーを何処に棄てたの?
雪に足が奪(と)られてもいい 見つけだす 死んだって
私だって普通の人間 歩きたい
凍死するかヒグマに喰われるか 人生はそんなもん
だけど私 しっかりと意思を持ち 歩きたい 街中を
堂々と「イヤ」と云える資格持ち 進みたい 人生を

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