紙縒りの火花

蕾が次第に弾けて 優しい寂しい閃光
育てば 育てば 恋に似て 深くせつない
牡丹を宿せば奏でる 不安と刹那の溜め息
願えば 願えば 故に夜の中に燈(ともしび)

好きだよ 好きなの 笑顔をつくろうのは簡単
好きでも この好き ちゃんと落ちると知っているから

紙縒りの火花が深く浅く恋を表す 風よ吹くな
そう思いながらも息を飲み さよならをカウントする
パチパチって音がする 小さな声で愛を呟く

松葉のようにと凛とし 柔らかな愛の幻想
見せては 見せては 余所見せず 震えてるから
柳の言葉を借りれば 呼吸も鼓動も鳴っては
ひらひら ひらひら 川に落ちる葉の催しで

好きだよ 好きなの 単純に伝えれば一言
好きでも この好き 夢を見てる気分になりたい

紙縒りの火花が深く浅く恋を表す せめてのこと
片想いもままならないから さよならと夜を灯す
近付くのが怖いから 泪も自然と流れるみたい

好きだよ 好きなの 散り菊はあなたの答えだと
好きでも この好き 玉になって 後は落ちるだけ

紙縒りの火花が深く浅く恋を表す 雫のよう
片想いに光はないから さよならに闇は似合う
しっくり来るのは孤独 線香花火は恋する刹那

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