心が前向きになった ほかほか小説6選
こんにちは桜です。
なんだかんだで気を張る令和3年。
両手を組んでそのままうーんと上に伸びたい。肩をぐるぐる回して、なんだかほっこりしたい。そんな時に読んでよかった本があります。
今日のnoteは、今年の2月から4月に実際に読んだ“時期も中身もほかほかな小説”をシェア。じんわり底からあたたかくなったり、じわーんと体にしみたり。明日からちょっとだけ今より前を向けそうになったり。そんなチカラを持った6作品です。どうぞ☕
『お探し物は図書室まで』
本屋大賞2021で2位となりましたまずは新しいこちらの作品から。読んだよって方も多いかもしれません。
司書さんと巡り合う街の人達それぞれのお話です。優しいきっかけからはじまるのは何かが変わるかもしれない未来。読んだ後ちょっと背筋を伸ばしてあらゆるチャンスに目を向けたくなる素敵なお話です。これこれ!こういうの読みたかったのストライク小説。前作『木曜日にはココアを』に引き続き表紙の羊毛フェルトが可愛い。
(ちなみに…小学生の次女にはお話のある1点だけある魔法がまだ明かせないため中学生になったらねと話してあります(笑)。読んだ方はわかるはず。私の好きなシーンなのでいつか一緒に話せる日を楽しみにしています。)
『食っちゃ寝て書いて』
時間の流れがいい。物語のリズムがなんとも心地いい作品です。
もうすぐ50歳の1人暮らしの作家と若手編集者の舞台裏ストーリー。
アイデアから出版へ至るまでの思考と試行がリアルで、作家ファンとして現実に立ち会っている感覚がありました。私は読後の「ちょっと待って」といくつか戻って読み見返す時間が好きなのですが、この作品もそこが最高でした。前を向いてみるのもいいじゃんって思わせてくれる一冊です。
『本日のメニューは。』
行成薫著
第二回宮崎本大賞受賞と聞きすぐに読ませていただきました。
美味しいごはんの香りがする5つの物語。それぞれのラストシーンがお気に入りです。読みやすい文章であっという間に完食。その翌日の朝には、あったかい出来立てのおむすびが食卓に並びました。ぜひご賞味あれ。
『本日は、お日柄もよく』
原田マハ著
いやだって表紙が結びきりですよ。もう縁起がいい。
映像化され有名な作品ですが、エネルギー溢れる作者のポジティブな熱がこちらに伝わる文章を味わえるのは小説ならでは。
“困難に向かい合った~”で始まる言葉が心にしみて思わずメモしました。
一度きりの人生に響く、スピーチライターの言葉のチカラ満載の一冊です。
『私のカレーを食べてください』
幸村しゅう著
第二回「日本おいしい小説大賞」受賞作品。
美味しい画が浮かび五感を刺激されるスパイシーカレー小説。主人公の真っすぐな気持ちとカレーの香りが頭を突き抜けてあっという間にごちそうさま。カレーを食べたくなり過ぎますのでご注意くださいませ。(当日食べました。)
気になる好きなテーマが有りnoteを読むというアクションを今まさにしている貴方は、もう主人公と同じく“何か”を始めているのかも知れません。
『きよしこ』
重松清著
作者はあまりにも著名な重松清さん。3月にあったNHKドラマ「きよしこ」を観て心動かされ読みたくて手に取った作品です。吃音を抱えた少年の自伝的小説というのもあって、あの頃の少年の心が詳細に伝わってきました。なかでも文庫『教室で出会った重松清』にも収録されていた「北風ぴゅうた」の先生と生徒達のやり取りに目頭が熱くなりました。1人河原で座っていたら、作者が隣にふわって腰掛けるようなあなたのそばにいてくれる作品です。
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何か困りごとがあるときにはまずは一息休んでから、「じゃあどうしようか」とか「ほなどーしよ?」と、あと一歩を踏み出したいことがあります。
現状を打破とまでいかなくても、がんじがらめからちょっとでも抜け出せたら。そのために、ある種の「まっいいか」を含むポジティブな一歩へのチカラが欲しい。そんな時私は、読了ツイートから今の気分に合いそうな小説を探して読んでみることにしています。
沢山の方の元気をそっと支えて見守るような、そんなあたたかい物語達。みなさんの心がほかほかになりますように。
お読みいただきありがとうございました。
桜