同じ職場で3年は働けと言われた人たちへ
3年は働けという言葉には当然根拠がある
転職や退職を考える際に、少なくとも3年間は同じ会社で働くべきだという意見を1度は聞いたことあるのではないでしょうか。
なぜ3年間という期間が強調されるのか、本当に3年働く必要があるのかをまとめてみました。
1.長期間続けないと能力が身につかない
一つ目の理由は、長期間働かないと能力が身につかないという考え方です。新入社員として入社した当初は、基本的な業務やビジネスマナーを習得するのに時間がかかります。
1年目は右も左も分からない状態から始まり、2年目になると少しずつ自分の役割が理解できるようになります。そして、3年目に入ると業務の流れを完全に把握し、同僚や上司からの信頼も得られるようになります。
このように、最低3年間は働かないと一人前のスキルを身につけられないというのが、一つ目の根拠です。
2. 諦め癖がつくから
二つ目の理由は、すぐに諦める癖がついてしまうという懸念です。
売り手市場の現在、環境や人間関係が合わなければ一つの職場に拘り続ける必要もなくなり、(仕事を選ばなければ)すぐ転職できるといえばできるのが現状です。
しかし、それを念頭に置き続け”耐える”ことを忘れてしまった人は、簡単に諦めて転職してしまう癖がつきます。
どんな仕事でも必ず耐える必要がある場面は必ずあります。それから逃げ出し、何度も転職を繰り返した結果「一生本気を出せないまま」4,50代を迎える、という結末につながりかねないというのが、二つ目の根拠です。
3. 周りからの評価が悪くなるから
三つ目の理由は、周りからの評価です。
短期間で仕事を辞めると、「根性がない」「すぐに辞める人」という印象を持たれ、次の職場でも不利な評価を受けることがあります。
履歴書に短期間の職歴が多く並ぶと、面接官からも「この人はすぐに辞めてしまうのではないか」と疑われる可能性が高くなります。
このため、少なくとも3年間は一つの職場で働き続けることで、安定した職歴を築き、周囲からの信頼を得ることが重要とされるのです。
新人と2年目の社員の成長差は大きいが、年数が増えると成長差は小さくなる
新入社員として職場に入った1年目は、すべてが新鮮であり、学ぶべきことが山積みです。
この時期は、基本的な業務スキルや職場のルール、ビジネスマナーなど、多くのことを学びます。
新人と2年目の社員の間には大きな成長の差が見られますが、これは1年目の学習が非常に急速だからです。
しかし、経験を積むにつれて学習のペースは次第に緩やかになり、3年目以降は成長の速度が鈍化します。
これは、基本的な業務に慣れ、自分の役割を十分に理解した結果、日常業務がルーティン化するためです。
同じ仕事を続ける限り、能力の成長は鈍化する
同じ職場で同じ業務を続けることで安定感を得られるかもしれませんが、同じ仕事を続ける限り新しいスキルや知識を学ぶ機会は限られてきます。
その結果、成長が鈍化しモチベーションの低下やマンネリ化が生じる可能性があります。
営業職として成長したいならば、新しい顧客の開拓や異なる市場へのアプローチといった挑戦がなければ個人のスキルの幅は広がりません。
諦め癖と捉えるか、迅速な損切りと捉えるか
1年で会社を辞めることを「諦め癖」としてネガティブに捉えることもできますが、逆に言えば「迅速な損切り行動力」としてポジティブに評価する見方もあります。
たとえば、環境や仕事内容が合わないと感じたときに早期に見切りをつけて次のステップに進むことはリスク回避の観点からは合理的です。
むしろ、合わない仕事を無理に続けることで、自身の成長やキャリアの発展を阻害するリスクのほうが大きいかもしれません。
諦め癖同じくらい厄介な「しがみつき癖」というものもあります。
適切なタイミングでの転職や退職ができないと、自己成長の機会を逃し、職場でのストレスや不満が蓄積される原因にもなります。
諦め癖だけを取り上げてネガティブに評価するのは偏った見方でありケースバイケースで考える必要があります。
新しいチャレンジが見つかった場合や職場の環境が改善されない場合など、辞めることが最善の選択となるケースも多々あります。
一方で、短期間で辞めることが繰り返される場合は、自己評価やキャリアプランの見直しが必要かもしれません。
重要なのは、諦め癖に対する偏見を克服し、自分にとって最適なキャリアパスを見つけることです。
短期間での転職が続く場合でも、自分の成長や満足度を優先し、自分に合った職場や働き方を探す努力を続けることが大切です。
諦め癖という概念に縛られず、柔軟にキャリアを築く姿勢が重要です。
評価と実力の違い
転職や退職の際に考慮される「周りからの評価」と「実力」混同されがちですが、その実この二つは全く違います。
周りからの評価と実力は、必ずしも一致するわけではありません。実力が高くても評価が低い場合はザラにあります。その逆もしかりです。
転職市場では短期間での退職が評価を下げることがありますが、その理由や背景をしっかり説明することでイメージを挽回することは余裕でできます。
実力が高ければたとえ短期間の職歴があっても、次の職場でその実力を発揮することで周りの評価も変えることができます。
何より周りからの評価を気にしすぎると自分のキャリアパスを見失うことがあります。
重要なのは、実力を磨き続け、自分にとって最適な職場環境を見つけることです。短期間で辞めた経歴があっても、それが実力の向上やキャリアの発展に繋がるのであれば、あまり気にする必要はありません。
最終的には、自分の実力を信じ、それを最大限に活かす環境を探すことが重要です。
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