今年の夏も山三昧
4時過ぎ、
目覚ましが鳴のが待てず、部屋のカーテンを開ける。
白く輝く空に、赤紫色の朝焼けが新宿のビルの間から覗いていた。
富山の山の稜線は晴れて気持ちがいいだろうなぁ。
東京駅から新幹線で富山へ向かう。
車窓から眺める空は雲一つない。富山駅に近づくにつれ見えてくる剱岳。
富山の人は、いつもこの景色を眺めているのかな?羨ましくなった。
そのくらい、今日は天気がいい。
富山駅で、今回一緒に山を歩くおっさんと待ち合わせ。
なぜか小屋泊なのに、寝袋の下に敷くマットをザックに付けている。
「それ、何に使うんですか?」
と聞くと、
「雨で避難する時に座るところがないと辛いじゃない?」
「うーん?」
雨降りの中で座らないけど、私なら。
ま、疑問もありながら、
乗り継ぎの電車とバスに乗り、登山口の折立に到着した。
暑い!
標高はすでに1350mもあるのに
太陽が照り付けて暑い。日焼け止めをたっぷりと塗り、準備運動をして
「さぁー3泊4日、楽しみましょう!」
「無理せずにね。」
と付け加えて登山口をスタートする。
急な登りの樹林帯の中、私が先頭で歩き出す。
2時間、この急な登りが続くが我慢、我慢。
ここを抜けると展望が一気に開け、薬師岳が正面に見え、私の大好きな稜線歩きがスタートする。
ちょっと遅れて歩くおっさんに
「ベンチで合流しましょう」
と伝え、それぞれのペースで急な斜面を上がっていく。
暑いし、少し休憩したい、でもいい場所が無いなぁ。
途中お猿さんに見送られ、休憩場所を探すうちにポン!と空が開けた。ベンチがある。
「わーい、稜線に出たー」
バンザイする。結局休憩せず、ここまできてしまった。
おっさんはまだ来ない。
今日のお昼はパスタだ。畑のインゲン入り明太パスタ。クッカーを広げパスタを作り始める。
そろそろパスタが出来上がりますよー、
のタイミングでおっさんが到着する。
「おー、登って来たらランチが出来てて、すぐ食べられるってサイコーだなぁ」
「そうよ、サイコーでしょ!この景色見ながらランチなんて。山小屋着いたらビールご馳走になろ。笑」
パスタとおやつでお腹を満たして、
この後、緩やかな開けた稜線をルンルン上がって行く。
ルンルンと歩いてきて、今日のゴール
標高2330m太郎兵衛平だ。
左にはアルプスの貴婦人薬師岳が優雅に鎮座し、
正面には、去年行った雲の平が台形の台地で、その奥には左から水晶岳、鷲羽岳、そして右の奥には明日の目的地黒部五郎岳が見える。
黒部五郎岳を目の前に、大きくて遠くて、明日あそこまで辿り着けるのか、恐れおののく。
そして、
この太郎平小屋までの稜線、緩やかだと思っているのは私だけの様で、
おっさんはかなり苦労して登って来た。
つづく
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