風邪気味と寝不足の丹沢縦走
苦しい、息が続かない、呼吸が出来てない。
「ちょっと、ちょっと、休憩させてー、先に歩いて」
下りはまだいいが、登り始めると、10段木道を上ったくらいで胸が苦しい。
途中何組も、登山道を譲って、先を行ってもらう。
あー、この苦しさ
弾丸夜行バス、日帰り西穂高丸山へ行った時と同じだ。ちょこちょこ小休止しながら登ったっけ、あの時は夜行バスであまり眠れていない事と、高所の気圧に慣れる前に、登山を開始した事が原因だ。
今回は前日から、喉が痛いなぁと思っていたところに、遅くまで仕事をして寝不足でのスタートが祟った。
「ごめんね、私が一番足を引っ張ってるね。」
といいながら、見上げる斜面を登る。
塔ノ岳まで、塔ノ岳まで行ければ、
急なアップダウンは無くなって、緩やかな道を1時間半歩けば、宿泊予定のみやま山荘だ。
今回の丹沢縦走登山はnoteを通じて知り合った、畑のお手伝いもしてくれているKiyocaさんとたまこさん、ここにゆりさんが加わって、4人で行くグループ登山(ゆりさんは前日お子さんの体調不良で、参加出来なかった、若いから、またいつでもチャンスはあるからね)
一緒に登山する仲間が欲しい、と思っていた私に仲間が出来て、初めての登山。
歩き慣れた丹沢表尾根、ちょっと浮かれていたかもしれないし、油断もしていた。(仕事は前日、半休を取るべきだった)
実質3時間の睡眠時間で登山をスタートした。
日々変わるお天気にヤキモキし、朝の電車の中から見た空には黒い雲が残っていたけれど、ヤビツ峠に到着した時には黒い雲はどこかへさって、青空が広がっている。顔に当たる冷たい空気が気持ちいい。
2週間で山の表情は、すっかり冬に変わっている。赤く紅葉していたカエデは葉を落とし、足元に赤茶の絨毯を作っている。
急な登山道を三ノ塔へ登り詰めた。少し雲がかかった富士山が迎えてくれる。
今回の丹沢縦走はたまこさんの
「丹沢山へ行ってみたいの。」
から始まった。
塔ノ岳までは登った事がある私も、次は丹沢山と思っていた。去年歩けなかったゆりさんを誘って、みんなで行こうか?
そうして決まった丹沢縦走。
その発端のたまこさんが、膝に不具合を抱えていた。マッサージや針治療、コラーゲンドリンク、出来る事すべてをやって、この日を迎えていた。それでも膝の痛みが出たら、三ノ塔で下山する。
10:00
三ノ塔の頂上で写真を撮り、
山小屋へ入ってそれぞれエネルギーチャージ、私はおにぎりとアマノフーズさんのお味噌汁
「膝の調子はどう?」
終始気にかけて、声をかけていたけれど、無理はさせられない。
「大丈夫そう!」
「行きたい!」
「行く!」
いつも、自分の感情に素直で少女の様に屈託のない笑顔で「行きたい!」と言うたまこさん。私達も嬉しい、みんな揃ってゴールしたい!
さぁ、決意は固まった!
気をつけて、気を引き締めて行こう!
これから歩く稜線が、塔ノ岳まで続いている。きれいだ。青空が広がっていて、本当に気持ちがいい。
「いつも遠いと思っていた塔ノ岳が、近く感じる」
とたまこさん
ここから先は鎖場、痩せ尾根、アップダウンが続くルートだ。
三ノ塔からグッと降って烏尾山、
さらに登って行者が岳。
今日はいつもの体の軽さがなく、サクサク歩けてないなぁと、思っていたが、いよいよこの辺から息切れが始まり、行者が岳の先のベンチでべったり座り込む。
あんこたっぷりのおやつを食べて、元気を出したつもりだったけど、
10段も階段を上がると息が苦しい😖
「先に行ってー」
と、kiyokoさんを先頭に歩く。
去年宿泊した木の又小屋前だ。去年はここがゴールだった。その前は我慢が出来ず、ここでビールを飲んだっけ。
「名物のおしるこも気になるけど、塔ノ岳はもうすぐ、お腹空いてないから行こう。」
のKiyocaさんの声に
「はい!」
と一度下ろしたザックを背負う。
ここからが長かった。時間は30分程なのだが、
「えー、こんなに登ったっけ?」
ぜいぜい喉を鳴らしながら、時々鼻水をかみながら、息を整えてながら、よっこいしょと登る。その向こうにはまたザレた斜面が待っている。
「もう少しですよー」
降って来る方が言ってくれたが、お礼も出来ず、
「もう少し、もう少しって言うけどさぁ、結構あるんだよねー」
なんて悪態をつくと、ポンと山頂が見えた。富士山がきれいだ。風は強いが山頂はたくさんの人で賑わっている。
「塔ノ岳まで、塔ノ岳まで行けたらあと1時間半」
そう唱える様に、急な登りを登ってきた。
はぁー、ここまで来れた。
ここまで来れば、緩やかなアップダウンを1時間半歩けばみやま山荘だ。
ホッとした。
風を避けて、東側斜面でちょっと長めの休憩を取る。
つづく