ご飯を食べに登った百名山 大菩薩嶺
山梨県にある百名山大菩薩嶺(だいぼさつれい)は、
上日川峠(標高1585m)までバスが走っているので、手軽に山頂アタックが可能な初心者向けの百名山だ。(大菩薩嶺の標高は2057m、標高差500mの登山)
カエデやブナの木が多く、明るい登山道はいつの季節に歩いても美しい。
上日川峠でバスを降り、
ロッジ長兵衛の裏からカラマツ尾根を登っていく、車道と並行して歩く登山道は、明るく歩きやすい。
紅葉にはまだ早く、いろんな種類のカエデはまだ青々している。
鳥のさえずりもあちこちから聞こえて来る。
20分ほどで福ちゃん荘に到着すると、
登山道は大菩薩嶺山頂方面と、大菩薩峠を経て、山頂へ向かうルートと2手に分かれる。(どちらへ行っても3時間程で、ぐるっと一周周回できる)
私は先に山頂を踏んでから、
広い尾根でランチにしようと、大菩薩嶺の山頂方面へ足を進めた。
人気のある山なので、
登山道は踏み固められ、土が露わになった登山道は雨が降っている時や雨上がりの時は滑りやすいかもしれない。
そんな道を一歩一歩登っていく。岩がゴロゴロしていたり、登山道が途中2つに分かれたり、歩きにくい所もあるが、1時間も登れば雷岩に到着する。
樹林帯を抜けて、晴れていれば富士山や南アルプス、山梨の街並みの展望がいい。今日は眼下の大菩薩湖は見えていたが、富士山は雲の中だった。
ここから山頂は10分程、樹林帯の中で、展望はない。
とりあえず、山頂へ着いたよ!って事で写真を撮り、雷岩へ戻ってきた。
さぁーここからは、眺めのいい尾根道が大菩薩峠まで続く。どこでランチにしようかなぁ?
展望が開けた気持ちいい尾根道。その向こうには、重なり合う山並みが、寄せては返す波の様に、奥へと続く。
気持ちいい、いつまでも、どこまでも歩いていける。
今日は平日で登山者は少ない、どこでもランチ出来そうだ。
結局見晴らしのいい尾根を歩き続けて、大菩薩峠に着いてしまった。
ここには、平らな大きな岩がベンチの様にある。ここに座ってランチの準備をする事にした。
今日は初挑戦、棒ラーメンを作る。
キャベツとにんじんを一緒に茹でて、
麺が柔らかくなったら、スープの素を入れて、茹でてきた卵をトッピング。
お手軽3分クッキング、おいしい、あったかい。
しばらくすると、
朝のバスも一緒だった若いソロの男性が近くにやって来た。やはりここで休憩し、食事をする様だ。
大きな独り言が聞こえて来る。
「15分で出来るんだ」
(アルファ米を戻してるのかなあ?)
「あ、結構美味しい」
再び大きな独り言が聞こえる。
何を食べているんだろう?ラーメンを食べる手を止めて、チラ見する。
(あっ、カレー食べてる)
ピカピカの真新しいメスティンに戻したアルファ米を入れて、レトルトのカレーをかけて食べている。
山ランチデビューかなぁ?微笑ましく思う。私もデビューの日があった、どこの山か忘れてしまったが、ホットサンドだったなぁ。ガスに火をつけるのに、ドキドキしたなぁ。
この尾根はどこにいても眺めがいい。
紅葉にはまだ早かったが、うっすらオレンジがかった斜面の色は、秋を感じさせる。ススキが優しく揺れている。
紅葉の時期もきれいだろう。
今日は風もない、
最高の山ランチデビューになったのではないだろうか?
バスの時間までは、またまだ時間がある。
コーヒーを入れて、晴れてれば見えた南アルプスを想像し、来年の夏山へ思いを馳せる。
その向こうにいる3人組も、ラーメンを食べ終わった後、コーヒーを淹れて楽しそうにくつろいでいる。
この山の尾根はランチに最適な場所だよなぁ。ゆっくりしたくなってしまう。
南アルプス方面からの黒い雲が間近に迫ってきた。
さぁ、雨が降り出す前に下山しよう。
今日もご馳走様でした、ありがとう
紅葉の頃にまた来よう。きれいな森が続くいい山でした。