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黒部五郎岳へ稜線を歩く(2日目)

太郎平小屋から、薬師沢へ行く道と黒部五郎岳へ行く道の分岐を今年は黒部五郎岳へ向かう。

1日目の記事はこちら↓

この分岐を去年は薬師沢へ下りて、
雲ノ平へ行った。その時に見たこの稜線が気持ち良さそうで、今年は黒部五郎岳へ行くって、決めたっけ。



黒部五郎岳山頂を踏んで、
その下の黒部五郎小舎までの道のりは、休憩込みで8時間半〜9時間。

計画では5時半に出発する予定だったが、前日のおっさんの到着が遅れ、山小屋の受付が遅れた事で、朝食が2回目の5時半になってしまった。

長い道のりに山小屋はなく、という事はトイレもない。しっかり出すもの出していかないと、
稜線上丸見えの所で、大変な事になる。食べたからって、出るものはすぐ出る訳でもなく、山小屋周辺を準備運動を兼ねてうろうろし、トイレを済ませてスタートする。すでに6時半。

「やばいなぁー、予定より1時間遅れ。」

(このやばい予感は当たるのでした、別記事で)

何はともあれ、天気が良くて気持ちいい稜線をおっさんと一緒に歩き出す。

正面上に見える山が黒部五郎岳
ここまで歩きます。遠っ、
写真を撮りあったりして、
まず、北ノ俣岳を目指します。

360度、見渡す限り山、山、山、
アルプスの山に取り囲まれている。雄大な景色。そして解放感、気持ちいい。

山小屋をスタートして、
お花畑の緩やかな道を一緒に歩いていく。写真を撮り会い、ずっとこんな道ならいいのにねー、なんて言いながら。

スタートして30分、
こんもりした丘を越える。ここで

「自分のペースで、先に行っていいからね。」

おっさんが言う。前日の打ち合わせ通り、それぞれ自分のペースで歩く事にして、要所要所で携帯にメッセージを入れる事にした。

チングンマ
気持ちいい
コバイケイソウ

草原の山の稜線を気持ち良く歩く。
白とピンクのかわいい蝶、アカギマダラが、ふわりふわりお花畑を舞っている。時々私の近くに来て、先導するように舞う。
今日は父の月命日、
何故か、父が蝶になって先導してくれていると思った。お天気が良いのも父に見守られているからかなぁ、と思う。
有り難い。健康に産み育ててくれた事に感謝して、今日を楽しもうと思う。

いくつか小さな丘を越え、
北ノ俣岳の手前にでた。シナノキンバイのお花畑が広がっている。

「きれーい、やったー!」

黒部五郎岳へ向かう人は、もっと早く出発してるので、近くに人は見えないのをいいことに、叫んでみる。

きれい、きれい!と叫びながら写真を撮っていると、前方から男性二人がやはり「きれい、きれい」と言いながら、写真を撮りながら近づいてくる。そして、

「きれいですよね、写真撮りましょうか?」

すかさず、お願いします!と言って写真を撮ってもらう。


そして北ノ俣岳へ
後方に薬師岳、水晶岳、
明日登る鷲羽岳、ちらりと剱岳も見える。

こんな岩をよじのぼり、赤木岳を巻いて
まだまだ遠い、黒部五郎岳

遠くから見ると、穏やかな稜線に見えたが、アップダウンが結構ある。
登って、また下りてお腹が空いた。
まだ10時。でもご飯にする。

アルファ米を山小屋で戻してきました。

この景色を見ながら、ランチ休憩。きゅうりも朝塩もみしてきた。
暑い時にきゅうりの塩もみ、沁みるー。

さあて、
間近に迫ってきた黒部五郎岳へ向けて、ザックを背負い直して歩き出す。


黒部五郎岳の「五郎」という名前は、ゴロゴロした岩の山だから「五郎」と付くそうだ。
その名の通り、大きな岩、足場の悪い登山道に変わってきた。
歩幅が合わず、岩はズルっと動くし、歩きにくい。

ヤマシャクヤク
岩ゴロゴロ
歩いてきた道を振りかえる。
こんな岩場に健気に咲く花

黒部五郎岳山頂直下の肩に到着。
山の天気は午後になると崩れてくる。
山頂は360度の展望なのに、雲が沸いてきて、真っ白になってきた。
それでも山頂を踏む為に、ザックを置いて、山頂を目指す。
更にゴロゴロの岩、歩きにくい。

黒部五郎岳の肩には雪渓が。
肩から15分山頂
山頂からは黒部五郎小舎が見える

山頂に着いたら、周りはガスで真っ白。
大展望の山頂の景色が見えず、残念。
その代わりに、山頂下の黒部五郎カールが広く広がっているのが見える。
ゴールの山小屋ももう少し。

黒部五郎カールへ下る。
このルートで一番怪我が多いと言うカールへの下り、気をつけて慎重に下る。

無事下って見上げると、雪渓。
雪渓が溶けて、沢になってる。
走り寄って、水浴び。
カールの中は広々、渓流とお花畑
そして、奇岩

カールへ降りて、沢の水を浴びて少し休憩をし、振り返ると、
『黒部五郎小舎まで2時間』
の道標。

えー、直ぐそこに見えてるのに2時間⁈

一瞬げっそり。
それでも渓流の音に癒され、
いろんな形の奇岩に、氷河のパワーって凄いんだなぁと感心したり、偉大な自然のパワーを全身に感じてゆるゆると山小屋に向かう。

2時間、いろんな景色に飽きずに楽しめた。そして山小屋が間近に。

アルプスの少女ハイジの世界
静かな山小屋

到着。
予定より1時間遅れの15時10分到着。
先に部屋に入って着替えを済ませ、
外のベンチでビールで1人乾杯。
と、隣のベンチのおじさんが声をかけてくれて、山談議。
山ではこんな時間もとっても楽しい。
人それぞれの山登り。
おっさんを待ちつつ、ビールは2本目、すでに17時、おっさんはまだ到着しないし、約束のLINEも来ない。

つづく

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