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本日の一曲 vol.348 ジョン・ケージ ソナタとインターリュード (John Cage: Sonatas and interludes, 1948)
「4分33秒(1952)」で有名なアメリカの現代音楽の作曲家であり発明家、キノコの研究家でもあるジョン・ケージさんの最高傑作と言われる「ソナタとインターリュード」をご紹介します。
現代音楽は、現在の音楽のことではなくて、クラシック音楽の発展形としてのモダンな音楽という意味です。この発展には、いろいろと面倒な理論的展開があったりして難解なのですが、この難解さは置いておきましょう。
ジョン・ケージさんについては、アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg)さんの弟子であったこと、ピアニストがただ4分33秒の間ピアノの前に座っているだけなのを「4分33秒」という題名の音楽にしてしまったこと、ピアノのピアノ線にいろいろな物(ボルト、ねじ、ナット、プラスチック片、ゴム、消しゴム)を挟み込んで、これを「プリペアード・ピアノ」という楽器と呼んでしまったことなどは、押さえておきましょう。
「ソナタとインターリュード」は、この「プリペアード・ピアノ」のために作られた曲で、初演者でもあるアメリカの女流ピアニスト、マロ・アジェミアン(Maro Ajemian)さんに献呈されました。
マロ・アジェミアンさんは、1942年3月14日、アルバート・シュテッセル(Albert Stoessel)さん指揮ジュリアード大学院管弦楽団(the Juilliard Graduate Orchestra)の演奏で、アラム・ハチャトゥリアン(Aram Khachaturian)さんのピアノ協奏曲変ニ長調(Piano Concerto Des Dur)をアメリカ初演を果たしたことで有名になったピアニストです。
まず、ハチャトゥリアンさんのピアノ協奏曲から聴きましょう。
ミハイル・ヴォスクレセンスキー(Mikhail Voskresensky)さんのピアノ、エミン・ハチャトゥリアン(Emin Khachaturian)さん指揮ソビエト国立文化省交響楽団 (USSR Ministry of Culture Symphony Orchestra)の演奏です。エミン・ハチャトゥリアンさんは、アラム・ハチャトゥリアンさんの甥に当たる指揮者です。
次に、プリペアード・ピアノとは、どんなものなのか見てみましょう。ジェシー・マイヤーズ(Jesse Myers)さんの演奏で、「ソナタとインターリュード」全曲です。全部で70分弱ありますので、とりあえずピアノの状況をご覧ください。このネジなどの異物を挟み込む場所は、ミリ単位で指定されています。
さて、マロ・アジェミアンさんは、「ソナタとインターリュード」全曲を録音していますが、とりあえずソナタ第5番を聴いていただき、興味がありましたら、全曲を流してお聴きになってみてください。
(by R)
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