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#ヴァイオリン
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本日の一曲 vol.550 ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 (Henryk Wieniawski: Violin Concerto No.1 Op.14, 1853)
ヘンリク・ヴィエニャフスキ(英語読みにすると「ウィニアウスキ」。1835年7月10日生~1880年3月31日没)さんは、ポーランドの19世紀のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの一人です。 ヴィエニャフスキさんは、1843年の8歳のときにパリ音楽院に入学して1846年まで通い、卒業後からヨーロッパをツアーしてたくさんのリサイタルを開催しました。本日ご紹介するヴァイオリン協奏曲は18歳の時の作曲であり、その早熟ぶりを聴くことができます。 ギル・シャハム(Gil Shaham
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本日の一曲 vol.538 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 (Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 Op.108, 1888)
ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生~1897年4月3日没)さんのヴァイオリン・ソナタは3曲あり、ト長調の第1番「雨の歌」(Op.78)は40代中盤の作品で、交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲と同時期のもの、イ長調の第2番(作品100)とこのニ短調の第3番(作品108)は、50代中盤の作品です。ブラームスさんは、1897年に63歳で亡くなっていますから、この3曲のヴァイオリン・ソナタは、ブラームスさんの人生の後半の作品であり、第2番と第3番は人生終盤の作品と言ってよいかと
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本日の一曲 vol.482 フロロフ 2つのヴァイオリンとピアノとためのディヴェルティメント (Igor Alexandrovich Frolov: Divertissement, 1990s)
イーゴリ・アレクサンドロヴィチ・フロロフさんは、1937年1月10日にモスクワの音楽一家に生まれたヴァイオリニスト、作曲家です。モスクワ音楽院で学び、ダヴィッド・オイストラフ(David Fiodorovich Oistrakh)さんのお弟子さんでした。 1965年にオイストラフさんのクラスを終了、1967年のロン=ティボー・コンクールで優勝し、ソリストとして活動していました。作曲は、50歳を過ぎた頃から始めたと言われています。1998年にモスクワ音楽院の教授となり、各種コ
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本日の一曲 vol.468 バッハ ヴァイオリン協奏曲 (Johann Sebastian Bach: Violin Concertos, 1723)
ヴァイオリニストにとって、バッハ、ハイドン、モーツァルトというドイツ・オーストリアのバロックから古典派の音楽は扱いがとても難しい音楽です。ヴィルトゥオーゾ的なテクニックは使わないので、音をたどるだけであればむしろ易しい音楽かもしれません。しかし、言ってみれば、リスナーの要求が極めて高い音楽なので、迂闊な演奏はできないのです。また、音符が少ない分、解釈の幅が広がってしまうので、ヴァイオリニストが一生かかって取り組まなければいけない音楽だとも言えると思います。 ヴァイオリンの初
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本日の一曲 vol.452 サラサーテ ツィゴイネルワイゼン (Pablo de Sarasate: Zigeunerweisen, 1878)
パブロ・デ・サラサーテさんは、1844年3月10日にナバラのパンプローナで地元の砲兵楽団長ドン・ミゲル・サラサーテ(Don Miguel Sarasate)さんの息子として生まれました。 ナバラは現在のスペインとフランスの国境のスペイン側にあるスペインの自治州で、古くはナバラ王国が栄えた地域です。日本で最も有名なナバラ出身の人物は、フランシスコ・ザビエル(Francisco de Xavier)さんだと思います😊 サラサーテさんは、5歳のときから父親にヴァイオリンを学び、
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本日の一曲 vol.440 ザイツ 学生協奏曲 (Friedrich Seitz: Pupil's Concertos for Violin and Piano, 1890s)
フリードリヒ・ザイツフリードリヒ・ザイツさんは、1848年6月12日、現在のドイツ・テューリンゲン州ギュンタースレーベンの農家の子として生まれ、まだ十代の1866年に勃発した普墺戦争に従軍しました。 終戦後の1869年、ゾンダースハウゼン宮廷管弦楽団のヴァイオリニストとして採用、1876年にはマクデブルク管弦楽団のコンサートマスターとなり、マクデブルク音楽学校を創立しました。 本日ご紹介する学生協奏曲5曲は、マクデブルクで出版されていますので、この音楽学校の生徒さんに使
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本日の一曲 vol.418 パガニーニ 24のカプリース (Nicolò Paganini: 24 Caprice, 1820)
ニコロ・パガニーニさんは、1782年10月27日に現在のイタリアのジェノヴァで生まれ、1840年5月27日にフランス・ニースにて57歳で亡くなりました。パガニーニさんの人生の前半はイタリアの地で過ごし、45歳の1828年3月のウィーンから始まり51歳の1834年6月のロンドンで終わる怒涛のヨーロッパ・ツアーの後、イタリアに戻り、ニースでの死までの晩年を迎えます。 パガニーニさんの楽曲の楽譜は晩年のときに大部分を焼却し、また死後残された楽譜も散逸してしまって、あまり残っていま
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本日の一曲 vol.411 ローデ ヴァイオリン協奏曲など (Pierre Rode: Violin Concertos, 24 Caprice, 1813)
ピエール・ローデピエール・ローデさんは、1774年2月16日にフランスで生まれたヴァイオリニスト・作曲家で、ヴィオッティさんの弟子に当たります。 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)さんのヴァイオリン・ソナタ第10番(Violin Sonata No.10 Op.96, 1812)は、ルドルフ(ルドルフ・ヨハネス・フォン・エスターライヒ)大公に献呈され、大公はローデさんと初演を行いました。 アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutt
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本日の一曲 vol.320 ヴィヴァルディ 6つのヴァイオリン協奏曲 作品12 第1番 (Antonio Vivaldi: Sei concerti Op.12 No.1, 1729)
ヴァイオリン学習者が学習する2曲目のヴィヴァルディは、このト短調(g moll)の協奏曲です。これは1729年に出版された「6つの協奏曲集」の中の1曲ですが、この協奏曲集の構成は以下のとおりです。 協奏曲第1番ト短調(RV317) 協奏曲第2番ニ短調(RV244) 協奏曲第3番ニ長調(RV124) 協奏曲第4番ハ長調(RV173) 協奏曲第5番変ロ長調(RV379) 協奏曲第6番変ロ長調(RV361) スズキメソードでは第5巻に収録されていますサラ・チャン(Sarah C
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本日の一曲 vol.140 ガーシュウィンのヴァイオリン曲 (George Gershwin: Tunes played by violin, 1937)
ジョージ・ガーシュウィンさんは、1898年生まれのアメリカの作曲家です。ジョージさんのお兄さんが作詞家のアイラ(Ira Gershwin)さんで、アイラさんが歌詞を作り、ジョージさんが曲を作るという共同作業をしていました。そこで、オペラ「ポーギーとベス」を始め、たくさんの歌曲が作られました。 ところが、ジョージさんは体調がすぐれず、1937年に38歳の若さで亡くなってしまいます。ジョージさんは、まさしく「モーツァルト以来の天才」だったと思います。 ところで、著作権の保護期