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#交響曲
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本日の一曲 vol.507 アントニーニ:ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 (Ludwig van Beethoven: Symphony No.9 "Choral" Op.125, 1824)
2024年もあと数日で終わりになります。日本のクラシック業界では、年末の恒例演目というと「ベートーベンの合唱」か「チャイコフスキーのくるみ割り人形」というところかと思います。 昨年の年末は「くるみ割り人形」をご紹介しました。 今年は「合唱」をご紹介したいと思います。日本の年末に「合唱」の演目が目白押しになるのは、日本特有の現象であり、欧米での「合唱」の演奏は年末に限られない、ということを聞いたことがあります。 ベートーヴェン「合唱」に実際に合唱が登場するのは、第4楽章の
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本日の一曲 vol.502 プロコフィエフ:交響曲第5番 (Sergei Prokofiev: Symphony No.5 Op.100, 1944)
セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev)さんは、1891年4月27日に当時のロシア帝国、現在のウクライナ・ドネツィク・ソンツィフカで生まれたロシアの作曲家です。この場所は、現在のウクライナ・ロシア戦争の戦場となっています。 1891年に生まれた音楽家には、作曲家ではアメリカのコール・ポーター(Cole Porter, 6月9日生)さん、指揮者ではヘルマン・シェルヘン(Hermann Scherchen, 6月21日生)さん、シャルル・ミュンシュ(Char
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本日の一曲 vol.481 ブラームス 交響曲第4番 (Johannes Brahms: Symphony No.4, 1885)
ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生~1897年4月3日没)さんの最後の交響曲である第4番ホ短調作品番号98は、ブラームスさん自身が「自作で一番好きな曲」であり「最高傑作」であると述べていたという曲です。この曲を作曲していたのが1884年から1885年、ブラームスさんが51歳から52歳にかけての作品であり、第1楽章と第2楽章を1884年に、第3楽章と第4楽章を1885年に作曲しました。 まず第2楽章から聴いてみたいと思います。カルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo M
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本日の一曲 vol.433 マーラー 交響曲第2番 復活 (Gustav Mahler: Symphony No.2 "Resurrection", 1894)
マーラーさんの曲紹介の4回目です。本日ご紹介するのは長大な交響曲第2番「復活」の第5楽章になりますが、これまでご紹介した大地の歌の第3楽章「青春について」、交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」、交響曲第1番の第3楽章を併せて聴いておけば、マーラーさんのほかのどの曲についても楽しく聴けるのではないかと願っています。 しかし、「復活」の第5楽章はこの楽章だけで30~40分あるので、ちょっと辛抱して聴かなければなりませんが、この楽章だけで、オーケストラ、ソプラノ独唱、アルト独
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本日の一曲 vol.414 アーノンクール モーツァルト 交響曲第39番 (Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.39 K.543, 1788 played by Harnoncourt & Concentus Musicus)
モーツァルトさんの交響曲第39盤は、1788年の夏に作曲された最後の3曲の交響曲(第39番、第40番、第41番)のうちの1曲です。第39番が6月26日、第40番が7月25日、第41番が8月10日に完成したとされています。 今回ご紹介する動画は、ニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)さん指揮のアーノンクールさんの手兵であるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(Concentus Musicus Wien)による演奏で、2014年のオーストリア・
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本日の一曲 vol.378 ドヴォルザーク 交響曲第8番 イギリス (Antonín Dvořák: Symphony No.8, 1889)
アントニン・ドヴォルザークさんは、1841年9月8日、チェコ・北ボヘミア・ネラホゼヴェスに生まれ、1904年5月1日にプラハで62歳で生涯を閉じた作曲家です。系譜としては、後期ロマン派、チェコ国民楽派に属します。 ドヴォルザークさんで最も有名な曲は、ドヴォルザークさんのニューヨーク時代に作曲した「新世界より」の第2楽章の「家路」や「ユーモレスク」第7曲かと思います。 本日ご紹介するのは、渡米の前に作曲された1889年の交響曲第8番「イギリス」です。 愛称の「イギリス」で
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本日の一曲 vol.365 チャイコフスキー 交響曲第1番 冬の日の幻想 (Pyotr Tchaikovsky: Symphony No.1, 1866)
ピョートル・チャイコフスキーさんは、1840年5月7日に現在のロシア連邦ウドムルト共和国のヴォトキンスクに生まれ、1893年11月6日に亡くなったロシアの作曲家です。ロシアの作曲家では一番有名な作曲家と言ってよいかと思います。 チャイコフスキーさんの番号付きの交響曲は第1番から第6番までのものがありますが、作曲年代とその時のチャイコフスキーさんの年齢は次のとおりです。 第1番ト短調 Op.13「冬の日の幻想」(1866年 26歳) 第2番ハ短調 Op.17「小ロシア」(
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本日の一曲 vol.225 ショルティ モーツァルト 交響曲第41番 ジュピター (Mozart: Symphony No.41 "Jupiter" K.551 1788, performed by Georg Solti & Chamber Orchestra of Europe)
モーツァルトのジュピターは、モーツァルトの最後の交響曲で、番号は41番、ケッヘル番号は551、1788年、モーツァルト32歳、死の3年前の作品です。 ジュピターは、ほぼ同時期に作曲された後期3大交響曲と言われる39番 K.543、40番 K.550、41番の最後を飾る交響曲です。宇野功芳さんによれば、39番は「玲瓏」、40番は「哀愁」、41番は「壮麗」という言葉で表現されています。 モーツァルトの時期による作風は、だいたいオペラと同期していると考えてよいかと思います。モー
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本日の一曲 vol.222 クレンペラー メンデルスゾーン スコットランド (Felix Mendelssohn: Symphony No.3 "Scottish", 1842 performed by Otto Klemperer & PO)
フェリックス・メンデルスゾーンさんの交響曲は、全部で5曲あります。 第1番 ハ短調 Op.11 1824年作曲 第2番 「讃歌」(シンフォニアと10曲)Op.52 1840年作曲・初演 第3番 イ短調「スコットランド」Op.56 1831、1842年作曲 1842年初演 第4番 イ長調「イタリア」Op.90 1831~1833年作曲 1833年初演 第5番 ニ短調「宗教改革」Op.107 1830年作曲 1832年初演 作曲順としては、第1番→第5番→第4番→第2
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本日の一曲 vol.13 ラフマニノフ 交響曲第2番第3楽章(ピアノ協奏曲第5番?) (Rachmaninov; Symphony No.2 3rd mvt, 1907 cf. Piano Concerto No.5?)
本日ご紹介するラフマニノフといえば長身の名ピアニストであると同時に甘美なメロディーを紡ぐ作曲家として有名です。ラフマニノフの甘美なメロディーの代表曲といえば、まずピアノ協奏曲第2番ハ短調があり、そして今回の交響曲第2番ホ短調があげられるでしょう。 特に交響曲第2番の第3楽章は有名であり、演奏会の演目になかなか載らないのは残念ですが、今回はアントニオ・パッパーノ(Antonio Pappano)さん指揮シュターツカペレ・ドレスデン(Staatskapelle Dresden)