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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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#モーツァルト

本日の一曲 vol.437 モーツァルト ガンツ・クライネ・ナハトムジーク (Wolfgang Amadeus Mozart: Ganz kleine Nachtmusik K.648, 1760s)

今年、2024年の9月にモーツァルトさんの新曲が発表されました。と言っても、古い楽譜が発見されたということで、最後の作品とされる「レクイエム(Requiem, K.626)」以後に作曲された曲ということではありません。 モーツァルトさんの作品には、オーストリアの音楽学者ルートヴィヒ・リッター・フォン・ケッヘル(Ludwig Ritter von Köchel, 1800/1/14~1877/6/3) さんが整理した目録の番号、ケッヘル番号と呼ばれ、数字の前に K. とか K

本日の一曲 vol.414 アーノンクール モーツァルト 交響曲第39番 (Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.39 K.543, 1788 played by Harnoncourt & Concentus Musicus)

モーツァルトさんの交響曲第39盤は、1788年の夏に作曲された最後の3曲の交響曲(第39番、第40番、第41番)のうちの1曲です。第39番が6月26日、第40番が7月25日、第41番が8月10日に完成したとされています。 今回ご紹介する動画は、ニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)さん指揮のアーノンクールさんの手兵であるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(Concentus Musicus Wien)による演奏で、2014年のオーストリア・

本日の一曲 vol.225 ショルティ モーツァルト 交響曲第41番 ジュピター (Mozart: Symphony No.41 "Jupiter" K.551, performed by Georg Solti & Chamber Orchestra of Europe)

モーツァルトのジュピターは、モーツァルトの最後の交響曲で、番号は41番、ケッヘル番号は551、1788年、モーツァルト32歳、死の3年前の作品です。 ジュピターは、ほぼ同時期に作曲された後期3大交響曲と言われる39番 K.543、40番 K.550、41番の最後を飾る交響曲です。宇野功芳さんによれば、39番は「玲瓏」、40番は「哀愁」、41番は「壮麗」という言葉で表現されています。 モーツァルトの時期による作風は、だいたいオペラと同期していると考えてよいかと思います。モー

本日の一曲 vol.167 アーノンクール モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K.550 (Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.40, 1788 played by Nicolous Harnoncourt & Royal Concertgebouw Orchestra) cf. シルヴィ・ヴァルタン 朱里エイコ

1787年5月28日、モーツァルトの才能を開花させ、ヨーロッパ中にモーツァルトをプロモートした父レオポルド・モーツァルトが亡くなり、その年の10月にオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を完成させた後、交響曲第40番は、翌年の1788年に交響曲第39番、第41番と同時期に作曲され、3大交響曲の1曲とされています。 父レオポルドの死をきっかけにモーツァルトの作風は曲に暗い影を落とすようになった気がします。モーツァルトの交響曲のうち、短調の曲はこの40番と25番の2曲だけで、いずれもト短

本日の一曲 vol.162 グリモー モーツァルト ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488 (Mozart: Piano Concerto No.23 K.488, 1786. Played by Hélène Grimaud) cf. 薬師丸ひろ子

モーツァルトのピアノ協奏曲第23番は、1786年の作品であり、オペラ「フィガロの結婚」と同時期のものになります。古典派のピアノ協奏曲の最高傑作と言われることもあります。 演奏は、エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud)さんのものをご紹介します。エレーヌさんは、1969年にフランスのエクサンプロヴァンスで生まれ、パリ音楽院で学んだフランスのピアニストですが、フランス音楽よりもドイツ音楽に親しみを感じると話したりしています。また、ご自身で、共感覚があると話しており、音

本日の一曲 vol.117 メト管弦楽団室内合奏団 モーツァルト グラン・パルティータ (MET Orchestra Chamber Ensemble: Morzart: Serenade No.10 B dur Gran Partita, K361/370a, 1784)

モーツァルトのセレナード第10番変ロ長調「グラン・パルティータ」は、管楽器の合奏のためのセレナードで(小夜曲)です。全7楽章で通して演奏する50分弱もかかりますが、もともと全曲を通して演奏して聴かせるということは想定されていなかったと思いますので、好きな楽章を好きな時に聴けばよろしいかと思います。 楽器編成は、本日ご紹介するMETのアンサンブルは、指定通りの編成で演奏していますので、アイキャッチ画像でいうと、前列は木管楽器陣で、左からオーボエ2人、ファゴット2人、バセットホ

本日の一曲 vol.49 モーツァルト レクイエム (Mozart: Requiem, 1791)

音楽家、ミュージシャンを主人公にした映画はたくさんありますが、その中の最高傑作はやはりヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の青年期以降を先輩音楽家のアントニオ・サリエリ(Antonio Salieri)の視点から描いた「アマデウス(Amadeus)」(ミロス・フォアマン(Miloš Forman)監督、モーツァルト役はトム・ハルス(Tom Hulce)、サリエリ役はF・マーリー・エイブラハム(F. Murray Abrah

本日の一曲 vol.28 クレンペラー モーツァルトの交響曲 (Otto Klemperer: Mozart Symphonies, 1773-1788)

クラシックの有名曲は、たくさんの人々が演奏、録音していて、どれを聴いてよいのか分からない、ということがよくあるかと思います。いろいろ聴いてみた後の結論としては、確かに、いわゆる「刷り込み」として初めて聴いたものが基準になるということはあるかもしれません。 しかし、レコードやCDを購入して音楽を聴いていた昔の環境から、現在のサブスクの環境に変わってしまい、どれでも聴いてみることができるという環境になりましたので、結局、どれから聴いてもあまり変わらない、ということになったと思い