タイムカプセルを見つけたら、歴史を遡って未来まで行けたはなし
サイパンにはアメリカンメモリアルパークという場所があります。
1994年に太平洋戦争終結50周年を記念して作られました。サイパン島の中心地・ガラパン地区にあり緑豊かな開放感のある大きな敷地で地元の人々の憩いの場としても愛されています。
2005年にはビジターセンター(資料館)が建設され、第2次世界大戦の貴重な資料や写真が展示されています。(入場無料)扉を開けると昭和天皇の特大写真パネルが展示されていて、毎回エントリーとともにばっちり昭和天皇と目が合ってドキッとする。
そんなアメリカンメモリアルパークを散歩していたら、こんなの見つけた。
洗濯機?
パッと見は昔の洗濯機風なデザインの石碑・・・。なんだろう。今まで気が付かなかった。芝生の中の大木の陰に唐突にあった。
風雨に晒されてかなり痛んだパネルを見ると・・・
In honor of all veterans on the 50th Anniversary of the Return to Iwo Jima.
March 15,1995
To be opened March 15 ,2045
硫黄島への帰還50周年のすべての退役軍人を称えて。
1995年3月15日
2045年3月15日に開けられる
なるほど、硫黄島の戦いに参加した退役軍人が戦後50周年に硫黄島に再び帰ったのが1995年3月15日ってことなのかな。そして、終戦100年後の3月15日に開けられる・・・・あ、タイムカプセルってことか。サイパンにも元Iwo Jima ファイター時々来てるもんねぇ~。ゆ~~っくり歩くおじいちゃんたちの集団を見かけたことがありますよ。
GOLDEN TRIBUTE
50TH ANNIVERSARY
TIME CAPSULE
BURIED JUNE 15 ,1994
WHEN A GRATEFUL ISLAND
REMEMBERED
HONORING ALL VETERANS CAMPAIGN
OPERATION FORAGER
OPENING JUNE 15, 2044
ゴールデントリビュート(黄金の?良い? 貢物)
50周年
タイムカプセル
1994年6月15日埋葬
感謝の島
覚えている
すべてのベテランキャンペーンを称える
オペレーションフォレジャー(馬の餌作戦??)
2044年6月15日オープニング
は?
どゆこと?
意味も分からないし、日付も上についてるパネルと違うし・・・。
困ったときはGoogle先生に聞こう。
2004年6月14日の地元紙・サイパントリビューンの記事が見つかりました。
On Monday, June 14, 2004 a time capsule with messages and memorabilia for residents of the Northern Marianas and others to be opened in the year 2104 was buried at the American Memorial Park in commemoration of the 60th anniversary of the 1944 invasion and liberation of Saipan and Tinian.
ざっくりいうと、
2004年6月14日に2104年に開通する北マリアナおよびその他の住民のためのメッセージと記念品が入ったタイムカプセルが、1944年のサイパン侵攻と解放の60周年を記念して、アメリカ記念公園に埋葬されました。
は?2104年??
調べれば調べるほど違う日付が出てくる・・・・どういうことなの??
要するに1994年の3月と6月と2004年の6月に、2045年の3月と6月と2104年の6月に開けられる予定のタイムカプセルが3つアメリカンメモリアルパークに埋まってるってこと??
どんだけタイムカプセル好きやねん。
こうなったら、一体何を入れたかが気になるわ・・・。
サイパントリビューンの続きね→Positioned below ground in a water proof container within a concrete receptacle, the time capsule will remain undisturbed for the next four generations not to be opened until the 160th anniversary of the invasion. The capsule contains historical records and objects representative of current culture and the battle for Saipan and was buried in the presence of the Navajo code talkers, a group of American Indians that used their unique language as a valuable resource to communicate secretly in a tribal vernacular unknown and incomprehensible to the radio listening Japanese interceptors. While the Navajos transmitted secret military tactical information between themselves for translation into English for use by the American forces, it was felt appropriate that they be remembered on the Memorial Park grounds as messages were left behind for communication from that time to those of a future age.
ざっくりいうと・・・
カプセルには、現在の文化とサイパンの戦いを表す歴史的記録とオブジェクトが含まれ、ナバホ族のコードトーカー、部族固有の未知で密かに通信する貴重なリソースとして独自の言語を使用したアメリカインディアンのグループの前に埋葬されました。
だって。
あーーーー!!ウィンドトーカーズ!知ってます??2002年のニコラスケイジ主演の映画。ワタシこれ映画館で見たかも。
『ウインドトーカーズ』(原題: Windtalkers)は、2002年に製作されたアメリカ映画。1944年、太平洋戦争末期のサイパン島を舞台にした、日本軍とアメリカ海兵隊所属のナバホ族(コードトーカー)を守ろうと奔走した隊員達を描いた戦争映画である。Wikipediaより
コードトーカーとは、国外にその言語を理解する人がいない部族語を暗号として用いて、前線で無線暗号を担う通信兵です。
部族語はいずれも文法が複雑な上に発音も特殊で、幼少時からその言語環境で育ったもの以外には習得・解明が極めて困難であるという点と絵文字の他に文字を持たないので研究が非常に難しいらしい。
アメリカにはネイティブ部族は他にもいるのですが、英語が話せるバイリンガルで徴兵できる男子がなるべく多いということでナバホ族が選ばれたんだって。当時、ナバホ族以外でナバホ族の言葉が理解できる研究者は28人。その28人がすべてアメリカ人だったためらしい。
ある意味の人間兵器。コードトーカーには護衛が付けられていて、万が一にも捕虜になりそうなことがあればその前に殺害するという密命を帯びていた。(この映画でのニコラスケイジはコードトーカーの護衛という役です。友情が芽生えてきたコードトーカーが日本軍に捕らえられそうになって殺さなければいけなくなるのです(´;ω;`)ウゥゥ)
ということで、調べれば調べるほど全くすっきりしないサイパンのアメリカンメモリアルパークのタイムカプセル。
2044年に開けられるのであれば、記念式典的なモノも見られるかもしれないし、2104年に開けられるのであれば生まれ変わらないと厳しそうです。
でも、中に何が入っているかがチラッとわかったからもう満足。
今はアメリカ政府が管理しているこのアメリカンメモリアルパークもいろいろあってマリアナ政府管理になるかもしれないとかいう話もあるらしいから、マリアナ政府管理になったら・・・・
タイムカプセルの存在自体も忘れられちゃうかもね・・・(;'∀')
♢♢♢おわり♢♢♢
のつもりだったのですが、ワタシのうっかりミスにより続編ができました。新たな情報も判明しました。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。この「とにかくはじめてみる」シリーズは、新型コロナウィルス感染拡大防止のために4月から入国制限をしているサイパンのダイビングインストラクターが収入ゼロ5か月目にして、なんとか生活費を稼ごうと始めたブログです。とにかくはじめてみると、不思議なご縁が重なって違った風景が見えてきました。まるで中島みゆきの『糸』ですね。た~~てのいとはあなた~♪よぉ~このいとはわ~たし~♪