【七十二候】鱖魚群‥さけのうおむらがる

『鱖魚群』‥さけのうおむらがる
　　　　　　　　　　　12月17日から21日頃

今週に入り山陰地方も気温がグッと下がり
「寒いですね‥」が挨拶代わりに。

この記事を書き始めた日(12/14)も
強風がビュービューと吹き、雪も舞い散り‥
寒くて寒くて‥
こたつから出られなくなってしまいました‥。

天気予報に雪マークも増え
いよいよ山陰の本格的な冬が始まり
半ば覚悟を決めつつ、しばらく灰色の空とにらめっこの日々が続きそうです。
　

鱖魚群の『鱖』‥難しい漢字ですよね。

本来『鱖魚(=けつぎょ)』とは淡水魚のことで
中国では高級魚のようですが、日本には生息していなかったため
同じように川を群れて遡上する魚として『鮭』をあてたのではないかと言われています。

河川で生まれた鮭の稚魚は、産まれ育った川を下り海へと泳ぎ出します。
その後、数年かけて大きく成長するのですが
その距離は何万キロもとなる旅なのです。

様々な波を乗り越え、成熟した鮭は産卵するために産まれた川へ戻ってくるのですが
長い移動距離の旅で疲れ果て、傷だらけの身体のまま産卵し‥
そして中には心臓が止まった状態で卵を産む鮭もいるとか‥。

そのように鮭が産まれた川へと帰ることを
『母川回帰』と言います。

1653年にI・ウォルトンが　標識をつけて放流したタイセイヨウサケの幼魚が数年後に同じところに産卵のために帰ってきたことを科学的に証明したのが最初であると言われています。

しかし悲しいことに、実際に鮭が帰ってくる
確率はとても低く、数パーセントにしか満たないとの結果もあり
実際にどのように産まれた川へ帰るのか‥。
匂いを頼りに帰る説だけではなく、様々な説があるようです。

地球温暖化の影響を受けながらも
産まれた川を一心に目指しているのでしょう。

そのすべては謎に包まれ、神秘です。
まるで命を繋ぐために産まれ
そしてまた使命を終えたかのように
この世を去る。

鮭の一生に、私は以前からとても興味があり、その短い命の尊さを、また繋ぐ命の美しさを想うと胸がいっぱいになるのです。

そして、方向音痴の私には、到底無理な話で
一度行った場所はもちろんのこと数回行ってもナビなしでは戻れず、嗅覚を頼りになど‥決して
辿り着けないだろうなと思うのです。

さて、令和四年今年の漢字が『戦』と
発表されましたね。

毎年発表を楽しみにしているのですが
『戦』と知り、なんとも言えない気持ちになりました。確かに‥と思う反面やはり一年の末にこの一字は悲しい‥。

もはや、二国間だけの問題ではなく、世界の食糧やエネルギー事情、相次ぐミサイル発射など
私達にも様々な方面に影響を及ぼし
戦争の脅威を改めて強く知った年でもありました。

どうか来年は希望のある一年になってほしいと
心から願うばかりです。

私自身も毎年、自分の中での漢字一字を決めるのですが、今年一年を振り返ると‥

1.仕事では人事異動で新しくできた部署に
異動したこと。

　　
慣れるまでに、とても時間のかかる私は
環境や空気、人間関係などと‥
いろいろとありましたが半年が経ちようやく慣れてきたところです。
そして、やはり仕事が好きだなと実感した一年でもありました。

2.noteで七十二候を始めたこと。

立春に『三月と九月』として共にスタートした方の突然の離脱に、その後しばらく書けなくなるほど本当に心折れましたが‥。
責任とはなにか‥許すとはなにか
深く考え悩んだことも‥
今となってはそこから得たものもあったので
結果オーライかなと思っています。

3.そして、カメラを購入したこと。

これは本当に私の中で大きな変化で
今まで素通りし、気づかなかったことや
風景に出逢えた一年でした。

それまでは、スマホで撮り写真を楽しんできましたが、もっと深く写真に関わってみたくなったことがきっかけで今こうしてカメラを手にしています。

『写真を撮る』ということは
思いがけない出逢いであったり
突き動かされる衝動であったり‥。　
　


写真を通して何かを得る。感じる。
そんな発見や気付きの連続で
これから先も深く関わっていきたい
そんな大切な大切な存在となりました。

ここにある季節を感じ
その空気やその瞬間、シャッターを押し
カメラで『映』すこともそうなのですが

仕事の面でも、心の奥までも『映』されたようなそんな一年となりました。

異動した部署は、新しくできたということもあり、人数が少ない分これまでよりも
コミュニケーションを取りやすく連絡は行き届きやすいのですが、その反面、一人一人の個性が浮き彫りになり少しの変化も敏感に空気感として伝わってしまう‥
映ってしまうことを感じました。

なるべくなら波風立たぬよう
日々を穏やかに過ごしたい‥。
でもいろいろな感情がある中で、それが難しい時もあり。

波間の激しい自分の感情と折り合いをつけ
いい意味で期待しない
いい意味でマイペースを目指す。

性格はなかなか変えられないけれど
自分の心の向きは
変えられると思うので。

上手く伝えきれませんが
心の受け取り、心の幅‥。
通ってきた道の分だけ少し広げられたら
いいなと。

　

そんな訳で
私の今年の漢字は『映』です。

皆さんは、今年の漢字
どんな漢字が思い浮かびますか。