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◎ドラマ『海のはじまり』


『silent』が人気を博していた頃、何故か頑なに観ようとしなかった。

そこから何年か経って仲間から貸して頂いた、村瀬健P著『巻き込む力がヒットを作る “想い”で動かす仕事術』を読み、ちょこっと後悔した。


という経緯から今回は『海のはじまり』を視聴。


結論から言うと「水季、悪くね…?」

この作品に込めたい想いを、作品だけでなくSNSの発信やインタビュー記事を読んで私なりに解釈した結果、


①周りの人に頼る大切さ
②検診に行く大切さ


が大きな柱で描きたかったのだなと。

特に①は全く周りの人に頼らない水季、最終的には皆の力を借りた夏を対比的に見せたかった。


結果、頼られた周りも嬉しいし好きだからこそ伝えて欲しいんだよ、って纏めている。


頼らなかった結果、これだけ周りの人が寂しい思いをすることになるし、自分も予期せぬ悪い結果をもたらすこともあるんだよ。
だから一人で頑張らなくていいんだよ。


……夏には娘の存在を言わない?亡くなる前に。


確かに病気に身体を蝕まれ、手の施しようがない状態だからこそ、最後まで海と一緒に居たかったというのは分かる。

海のため、海のママ。
そういうなら自分の死後、海にどんなことが起こるのか考えが少し足りないように感じた。

「夏くんは優しいから、きっと海のパパになってくれる」

それはあまりにも海にとって博打すぎないかな?これだけ海のことを大切に想っているというシーンがある中で、そこだけが私の水季像と離れていて不可解だなあと感じた。


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「はじまりは曖昧でおわりはない」

水季が手紙に書いていた言葉がとても印象的。

それを「海」を使って表現する言葉のセンス、さすが生方さんだなあ。


よく「最初の動機が不純で…」みたいな悩みをリアルでも創り物の世界でも聞く。


けれど海に例えたら、はじまりなんてどれも曖昧なんだから、なにか崇高な理由がなくても大丈夫って言えるよね。


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最後に不覚にも涙したシーン。
それは親が子どもの遺影を選ばなければいけなかった、それを夏に伝えるところ。


なんとなく「もしも貴方が傍にいてくれていたら、もしかしたら早期発見できて、もしかしたら手術が成功して、もしかしたら今も生きていたのかもしれない」と言っているように聞こえて。


「意地悪」って言っているから、それは水季の意向で知らなかったのは仕方ないと分かっていても、どうしても伝えたかったのだなと。


夏の偉いところは、「知らなかったから仕方ないでしょ」で済ませないこと。

もしかしたら自分がもっと気にかけていれば、という思いをわりと強めに持っているからこそ、きちんと自分ごとにして選択していっている。

(まああんなに好き好きオーラ全開だったくせに電話一本で終わって一度も会わなかったんかいって思ったし、本人も思ったんだろうな)


モヤモヤするところはあるけれど、「家族」について今一度立ち止まって考える、昨日よりも周りの人が大切に思える、そんな作品。

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桜
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