活動について#1
2020.2.11〜3.10、任地で活動を開始してからの1ヶ月は学校の様子を知ることがわたしの任務でした。そのため手当たり次第に思いつくことを行いました。この期間で現状を知り、課題を見つけることができたのでこれからは活動計画書の大枠に沿って、優先順位をつけながら活動していこうと思っています。
整理のためと参考になればと思い書きました。
長いですが、もしよかったら読んでください。課題以降については"活動について#2"の有料記事として次の記事にして書く予定でおりますが、JOCVの方はご連絡いただければお見せしますのでお気軽にお声かけください❁
参考になれば嬉しいです。
要請内容
私は3代目のボランティアで、以下のような活動を期待されているといます。
2019年の3月の合格発表のときに送付されていた要望調査票で知ることができました。
1.イバイ小学校の教員に対して助言や指導力向上に協力する。
2.現地教師の算数の知識・技術・指導能力を向上させる。
3.現地教師向け研修会(オープンクラス)を企画・実施する。
4.現地教員と協力して四則計算テストを定期的に実施する。5.JOCVが作成したマーシャル語のワークブックを活用し、授業支援を行う。
1か月めでしたこと
この1か月でわたしがしたことは大きく分けるとこちらです。
1.毎日笑顔で、多くの人と挨拶をする・話す。
2.先生の名前と教室の位置を覚える
3.見学のスケジュール作成
4.教科書を集める
5.幼稚園から6年生までの授業見学
6.学習内容について知る、学ぶ
7.机間指導と先生へのアドバイス
8.先生へ手紙を書く
9.教材作成
10.提案
11.週に1回、レポート提出と自分の中でまとめる
12.アンケート作成(マーシャル語と英語)
week1
1. 毎日笑顔で、多くの人と挨拶をする・話す。
これは心がけていたことですね。
先生だけでなく、保護者・警備員さんなどとにかくマーシャル語で挨拶をして話をするようにしていました。どんなところにマーシャル語向上・活動のチャンスがあるかわからない、と思っているからでもあります。
そして合わせるところは合わせる、合わせないところは合わせないと自分でラインを決めていました。例えば、児童と同じノートを使う。時間は絶対守るなど。(彼らはあまり守らない。)
2.先生の名前と教室の位置を覚える。
小学校(幼稚園〜5年生)の在籍児童数は約800人で、各学年5クラスずつあります。先生も40人以上います。ちなみに日本と同じく学級担任制、教員は全科目の指導を行っていました。
なのでまずは先生の名前と算数の時間を聞いてメモして覚えることにしました。
また、校舎が建て替え中で足りないので午前と午後でクラスの入れ替えがあります。
午前(8:00~15:00)は1〜3年生(3.5年生は一部午後)、午後(13:00~17:00)は4.5年生という感じで授業が行われていました。
クラス配置もまた不思議で、1年生クラスの隣が5年生クラスだったり、1年生クラス、2年生クラス、3年生クラスと何故かバラバラに並んでいたり。先生方もどこにどのクラスがあるかを把握しておらず聞いても分からないことが多かったので校内地図を作ることにしました。
校舎はプレハブを改築しているような作りのため、薄暗く他のクラスを見学するのにも廊下がないので出たり入ったりしなくてはいけません。教室を間違えて、授業を中断させないためにも活動において地図は必需品でした。
3. 見学のスケジュール作成
せっかくなので全学年を見学させてください、と校長先生にお願いしてスケジュールを作成しました。しかし、最初に聞いた算数の時間と異なる時間を言い出す先生もいらっしゃったので結局時間割を4回ほど修正しました。笑
また、10:30〜算数が始まるというクラスが8クラスあったので2クラスは校長先生にお願いした上で直接直談判をし、13:00〜に変更をお願いしました。
3月だけ3〜5年生を見学するという元高校の英語先生と被らないようにスケジュールを修正するのとなかなか大変でしたが無事バランス良く授業を見学することができてよかったです。
4.教科書を集める
マーシャル諸島では、算数の教科書として”Math in focus”というシンガポール算数を元に作られたものを使用しています。
・教科書A.B
・教師用教科書
・ワーク
・宿題用ワーク
この5冊が一学年のセットですが、前任のJOCVが使っていたという教科書は見当たらず、教科書の予備もないとのことだったので校長先生に許可を取った上で、学校内を自分で探すことにしました。
古いオフィスは今にも崩れそうな状態ですがそこにあるだろうと思ったのでそこを探すと半分はありました。
電気がついたままの開かずの扉がある部屋が怪しい(ここに残りの教科書はあるだろう)と思ったのですが鍵が必要でした。
2日かけて警備員さんに鍵を探してもらい、開けてもらうと...そこは資材の宝庫。
なるべく会いたくない生物とも会ってしまいましたが、ほとんどすべての教科書を集めることができました!
そして、黒板消し、算数セット、teacher's book、ファイル、クリップ、テープなども発見。もったいないの塊がここにはありました。
week2〜
5.幼稚園から6年生までの授業見学
作成したスケジュールを元に、一人一人の先生宛のメモを書き、授業へ向かいました。というのもメモがないとすぐにその約束を忘れられてしまったり、算数の授業時間帯を変えられてしまうといった事態を未然に防ぐため、そして名前を覚えてもらうためでした。
最初は1年生から5年生を見学しようと考えていたのですが、1週間目で気づいたこと。わたしの活動が始まったのは4学期制のうちの3学期めだったのですが、すでに1年生の時点でつまづいている...ということです。課題についてでもう少し書きますが、現状を踏まえた上で、幼稚園から指導をすべきだと思いました。
また、朝8:00~算数を学習するクラスの数があまり多くありませんでした。そこで、6年生以降が学級担任制でなく、教科担当とのことを聞きつけたこともあり、数学担当の6年生の先生の授業も見学させてもらうことにしました。
それぞれの学年で見つけた課題についてはこのあとまとめて書きます。
6. 学習内容について知る、学ぶ
授業観察と同時に、 各学年の既習内容を把握していました。それが分かっていないと、出来ていない児童を見たときにそれでいいのか良くないのかが分からないからです。
方法は至ってシンプルで、教科書を見て英語と日本語でメモしていきましました。着目した点は下記の通りです。近いうちに一覧表を作成したいと思っています。
・足し算
(1桁の数と1桁の数、2桁と1桁、2桁と2桁、3桁と1桁、3桁と2桁、くり上がり、筆算)
・引き算
(1桁の数と1桁の数、2桁と1桁、2桁と2桁、3桁と1桁、3桁と2桁、くり下がり、筆算)
・かけ算、割り算
(九九の暗記順番、筆算)
また、既習内容の系統表もなかったのでこちらを参考にして作成しています。
既習内容については走り書きのため、字が汚くごめんなさい。
マーシャルはシンガポール式の算数を導入しているので日本の算数とは異なるところがいくつかあります。
その中でも九九の違いはややこしいです。
そのため図にして改めて理解をし直しました。
加えて、本やインターネットでより分かりやすく四則計算を教えるにはどうしたらいいかを勉強し直していました。
7.机間指導と先生へのアドバイス
先生の多くはすぐに質問をしてくれたり、アドバイスある?と積極的に聞いてくださる方も多くとても心強く感じました。
40人もいればいろんな先生がいらっしゃるので、授業を黙々と進め、それに合わせて児童も黙々と板書を写す。といった授業もありました。その場合は、先生を観察しつつ、わたしは机間指導を通して児童の支援を行いました。先生を呼んで、この子これを理解しきれていないみたい。だから教えてあげて?と頼んだりもしました。そして指導の際には、必ずマーシャル語を使うこと。(1~3年生にはマーシャル語で授業をすることと教育省が定めています。)何度も説明しても理解してもらえない児童には英語や日本語で説明してしまうこともありました。伝わらないけれど、雰囲気で察する児童もいて言葉は関係ないのだなと思うことも。
また、毎週毎週授業を誰かに見られるということに彼らは慣れていません。”わたしは児童に算数ができるようになってほしいし、学ぶことは楽しいんだよって伝えたいんだよね。もし先生も質問や悩みがあればなんでも気軽に話してね。(あくまでもあなたの間違いを指摘したいのではない。味方だよ。一緒にここの子どものために頑張っていけたらいいな)”というニュアンスが伝わるように、毎回先生を名前で呼ぶとともに積極的に話かけることを心がけていきました。
その甲斐あってか、次第に心のうちを話してくれる先生が1ヶ月の間で増えていきました。
また、記録をノートに必ず残すようにしていました。思ったこと、良いところ、改善点。
今後は評価シートを作成して見るポイントを定めて誰でも評価できるようにしたいです。
こちらも走り書きのため汚くてごめんなさい。
8.先生へ手紙を書く
また、その場で(授業中や授業後)口頭で伝えたことは改めて手書きでまとめた手紙を渡すということもしました。できればその場かその日のうち、遅くても翌日の朝には渡すようにしていました。鉄は熱いうちに打て、ってね。
5年生:分数と割合について
4年生:角度と分数について
1年生:引き算
マーシャルの多くの学校は学年が持ち上がることなく、固定のことが多いです。そのため、分からなかった単元であっても一度理解をしてしまえばこの先何年でも役に立ちます。
口頭で伝えるだけではやはり忘れてしまうことが多いので、手紙を書くことで印象を強くするという狙いを込めた手段でした。
week3〜
9.教材作成(提案)
授業観察をしてその都度、教材を作成しました。
教材例
・分数と角度
・10の合成数、10fream
足し算、引き算の方法として提案。
教科書に載っていたものの、使われずにいた。
・ 10fream
10freamを使うにあたって事前に指導してほしいと提案。瞬時に数を言えずに数えていては指計算となんら変わらないため。
・10fream(黒板用)
・クイズ
クイズを通して、数や計算は面白い!と知ってもらおう作戦。
5年生にウケがよかったため、継続して行ないたい。
10.提案
3単元以上の提案をさせていただきました。上記のような普段の授業はもちろんのこと、元校長先生、先生方の学年集会などでも多くの機会をいただきました。先生方の学年集会において、本当はワークショップのようにして、話し合い→まとめ→提案という順序で提案することが理想でしたが時間と、働き始めてから間もないということを踏まえてそれは残念ながらできませんでした。それでも彼らの潜在記憶の片隅にでも覚えていてくれて、いつか活用してくれたら... との期待を込めて。継続させるためには自分たちで導きだしたものの方がいいのではと思っていますが、この時期ではまだ難しいですね。
《10の合成数》
・パズル🧩
・10になるかたまりを見つけよう!
《足し算と引き算の練習方法》
・ ペアワーク
・フラッシュカード
・筆算フラッシュカード
・ノートでつくるフラッシュカード
・ペアボイストレーニング
・100マス計算
《かけ算とわり算の練習方法》
・ペアワーク、グループゲーム
以下足し算、引き算と同じもの。
・フラッシュカード
・ノートでつくるフラッシュカード
・ペアボイストレーニング
・100マス計算
全体説明する時間がなかったのですが、9.にある10の合成数や10Frame教材の例も提案しました。また、作った教材をすぐに出せるようにあるものでファイリングしてみたり。
プログラム参加
・「世界の笑顔のために」プログラム 応募
数の概念を定着させるために必要なことを考えた際に、10数を以上は数える機会が少ないことに気がつきました。また、運動の機会が少ないという点にも着目した上で"大縄跳び"と"縄跳び"を申請しました。
いつか全校大縄大会とかやりたい!!!
・アートマイル壁画プロジェクト(話し合いをして参加しよう!となりましたが結局応募できていません)
学習する教科の中に、残念ながら情操教育がありません。"学ぶことによって世界が広がる楽しさを知ってほしい"というわたし自身の信念に基づきこちらへの参加を提案しました。
week1〜
11.週に1回、レポート提出と自分の中でのまとめ
活動まとめのレポートを週に1度、月曜日の朝に校長先生を含めた5人に送っていました。
意図としては色々ありますが、活動を知ってもらって巻き込みたかったからです。
また、自分の中でのまとめは5種類あります。
多すぎるのですが、それぞれの役割について説明します。
・記録(wordシート)
先輩に見せていただいた記録シートが分かりやすくて…!なので参考にしてつくりました。忘れがちなので(とくに悪いことは)記録としてちゃんと残しておくためです。報告書を書くときにも役立ちます!
・want/have to do(Excelシート)
上記の記録を書いていて、やりたいことややらなきゃいけないことを思いついたまま書けるノートのような役割が必要だなと思いました。
期限や今日やることなど一目でわかるようにしています。
・1週間の感想(記録と同じwordシート)
日曜日の夜寝る前に、思ったことを書いています。良くないと思ったこと、よかったことなど。いま良くないと思っていても、それがどうでも良くなってしまうことがあります。慣れって怖いものです。いま思ったことを大切にしたかったので思ったことを正直に書いていました。後から振り返っても、こんなこと考えてたんだ〜って、きっと笑えますしね。
・手書き日記
公開予定はありませんが、貴重な2年を残したいと思い始めました。デザイン上達したいなぁという野望もあったりします。
・ツキイチまとめ
ツキイチ通信をfacebookに載せています。
これはSVさんの影響が大きいです。
文章を書くのが苦手なこともあり、伝えたいことをまとめて書く練習でもあります。
12.アンケート作成(マーシャル語と英語)
活動をする中で、気になったことがいくつかあす。もっと彼らを理解したいし、出来なくとも知りたい!!
そこで、児童と教師用にマーシャル語と英語でアンケートを作成することにしました。
印刷手段等についてはまだ未定ではありますが内容の選定、翻訳に関しては終わりました。
教科書について
2017年に教科書改定があったそうで、現在は”Math in focus”というシンガポール算数を元に作られたものを使用しています。この教科書は英語で書かれていて内容も難しく、各学年上下巻あり、それぞれ分厚い。それも英語と日本語ではかけ算の意味も異なるので慣れるまでややこしかったのが正直なところです。
しかしカリキュラムもスキームも教育省が作成していますし、教師用の指導者もあるので指導がしやすいような環境づくりはしっかりと行われています!
まとめ
やっと書き終わりました〜!!!
抜けているところや、写真を撮り忘れたというところもありますがだいたいのわたしの任地での活動のまとめになります。
とにかくわたしにできることを探して動きまわりました。
8:00前に出勤して、17:00すぎには帰るように心がけていましたが17:30になっちゃって締め出されたことも。笑
いろんな任国での活動を是非参考にさせてもらいたいので、こんなのあるよ!これしたよ!など教えてください!☺︎
つぎのnoteではいいところ、課題、見つけた改善点、目標、活動計画の大枠、今後について、実際の今後についてを書いていこうと思います。(ここからが大詰め。書くことがたくさんあります…!)
はぁ、Ebeyeに戻ってたくさん活動がしたい!!
長くなりましたが読んでいただきましてありがとうございます。
よろしければサポートお願いします☺️🌿