某食品工場でバイトした話⑥
どうも。
いいのか悪いのか初心者マークが外れた深山です。
繁忙期だと甘く見ていたらまんまと先週は出勤をお断りされてしまいました。
繁忙期時給で応募者殺到したのかしら。
行ってみたら、ひとがいつもの倍はいた。
更衣室もごった返している。
事務所に戻ると配属先を決める社員も増員していた。
受付の列に並び順番を待っていると(この受付で体温を申告し、配属先を言い渡される)女性社員と男性社員が何やらゴニョゴニョした後、
女性社員が、
『誰か洋菓子希望される方いますかー?!』
と手を挙げ、声を張った。
が、全員無反応。
『ちょ…やだ誰もいないんだけど』
と女性社員は苦笑いしてたが、バイトは全員笑っていなかった。
洋菓子、よほどキツイのか!?!?
何なら手を挙げれば良かった。
その後に私に言い渡されたのが3度目の和菓子だったからだ。
『マタワガシカヨ…』
初日の事務所で知らない外国人にイキナリため息まじりに言われたこの一言を思い出した。
そして初の単独移動。
こちらはミッションクリア。
迷わず辿り着けました。
ただ、途中でトイレに寄りたかった。
向こうに行ってからでいいや…なんて思っていたらひょんなことから寄れず、この日私は初めて尿意と闘うことになった。
先日、とある友人にこのバイトを推たのだが、マイナス点のひとつとしてこの尿意問題について話したところ、
『おむつして行くから大丈夫』
と軽く言い放った。
_人人人人人人人人人人人_
> おむつで挑むとは <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
探偵の張り込み以外聞いたことない。
その手があったか。
さすが私の友人だ。
思い出したが彼女、Tバッグにナイト用のナプキン貼り付けるガサツな女だった。
何ならおぱんつも履かずにデニムに直接貼り付けていたのも見たことがある。
いや、待てよ…
感心している場合ではない。
一度衣服着用のまま立ちながら垂れ流すことを覚えてしまったら、私の脳と膀胱はたちまちバカになるに違いない。
おむつ未着用の普段に『ここでしてOK』などと脳が誤って司令を出した日には…考えただけでもゾッとする。
他の方は一体どうしてるんでしょう…
例えば他の職業は?
路線バスの運転手は、急な便意とかどうしているの?
おしえて、えらいひと!!
(知ってるか?ウゴウゴルーガ)
話を戻します。
夏以来の小豆担当になりました。
※小豆のことなど忘れてしまった貴方は是非ともホームに飛んで②の回を読んでください。
前に一度このポジションは経験済みだと伝えたものの、
念の為か男性社員にサンプルを見せられ手順の説明を受けた。
途中、こうやると早い的なことを言われたけど、もう前回で投入フォームが完璧決まっちゃってて今更直せなかった。
それでも一応、直そうとはしてみた。
結果、豆を散らかす率が上がっただけだった。
量も左手と右手でだいぶ差が出てしまう気がしたし。
これは良くない。
それにこのフォームで今んとこ失敗してねーし!!!
ってことで開き直り、身に染みついたフォームで攻めることにした。
途中、彼が来た時だけ言われたフォームで頑張ってみたけど、見られてる緊張からなのかやはり飛び散る率がグンと上がった。
だけど幸運なことに今回は今のところ怒鳴るオバサンがいない。
よって豆が飛ぶ度に脳内に「ろくでなし」がイントロから流れるお気楽ぶりだった。
テレテテーテーテーテ テレレレー
〽︎古いこの酒場でッ
たくさんッ
飲んだから〜
(ここで鼻に詰め込む)
古い思い出はッ
ぼやけてッ
きたらし〜い
(ここで反対の穴に詰め込む)
続きはYouTubeで。
梅ちゃん ろくでなし 豆
で、検索。
話も飛びました。
失礼。
だがそんなお気楽モードも長くは続かなかった。
怒鳴るひと不在だと言ったものの、何やらお隣のクリーム投入ゾーンが騒がしい。
強めのご指導だ。
いや、こりゃしっかり怒鳴ってる。
そして最悪なことに怒られてるおばさんがちょっと言い訳みたいなことしたもんだから、声の張り合いは長く続いた。
おばさん、分かるよ。
初めてでも、出来る前提で言って来るよな。
先日他のバイトちゃんもそう言ってた。
機械の調子、悪いことある。
私も前回はバグに悩まされた。
でも言っても無駄なんだ。
(遠い目)
しかしあれ、そんなに難しいのか。
前回のひともめちゃくちゃ怒られてたもんな。
次、あれに当たったら嫌だな。
社員のイライラがこちらに飛び火しないかと怯えながらそんなことをずっと考えていたらいつの間にか尿意は消失していた。
そして今回は小豆オンリーで終了。
残りの30分はお掃除タイム。
機械を拭いたり、床を掃いたり、不良の製品を捨てたりする。
今回は無事にこのまま定時か!?
なんて思っていたら上がる時間ギリギリ、私の床掃除に対しお叱りをいただいた。
実際は、ここをもっとこうして欲しかったという程度のものだったかもしれない。
けど私の脳は声の張り合いを聞かされていたことによる強度の恐怖心により萎縮していた。
やり直そうと再びモップを取りに行こうとしたが、もうゴミを捨てたら上がって良いとの指示だった。
そしてトドメを刺すように最後の最後、ゴミ捨て場に例の怒鳴る女、ルリ子が現れる。
『ちょっと通りま〜す。』
挑発的な言い方で横を通過したルリ子はやはり昭和の化粧品のかほりがした。
帰宅後、誰も希望しなかった気になる洋菓子部門について検索してみた。
あの有名な、バナナ1本丸めたカステラとか、スーパーやコンビニによくある2個入りのカットケーキ、あとは三角のカステラ生地に羊羹がサンドされたロングセラーのあいつなど華々しいラインナップ。
次は絶対洋菓子に行くと心に誓った。