現代音楽の作曲家たち⑴
今回は、音楽史における現代音楽の代表的な作曲家の作品をきいていきましょう。
(現代音楽という言葉は、広い意味ではポピュラー音楽を含みますが、この記事では1945年以降の芸術音楽について取り上げています。)
「現代音楽はよくわからない」と言われますが、
答えを探し出そうとせず、「純粋に音色や雰囲気、その移り変わりにただ耳を傾ける」という聴き方で楽しむこともできますし、
その曲が何を表現しているのかを考えたり、背景の思想に触れることで知的好奇心が刺激されたりといった、アート的な楽しみ方もできると思います😊
①オリヴィエ・メシアン
Olivier Messiaen (1908〜1992)
♪世の終わりのための四重奏曲 (1940)
Quatuor pour la Fin du Temps
…メシアンが第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜となってしまったときに、収容所の中で作曲されました。
♪トゥランガリーラ交響曲 (1946〜48)
La Turangalîla-Symphonie
…オンド・マルトノという、20世紀に発明された史上最古の電子楽器がメインで使用されている楽曲です。
☆オンド・マルトノは、鍵盤下のリボンを振動させることにより、音に弦楽器のようなヴィブラートをかけることができます。
♪鳥のカタログ (1956)
Catalogue d'oiseaux
…フランスに生息する代表的な13の鳥と自然とをオマージュした、通奏すると3時間近くにもなる大作です。全部で7巻あります。
メシアンといえば、こちらの神本もあります🎶
②ジョン・ケージ
John Cage (1912〜1992)
♪ソナタとインターリュード (1949)
Sonatas and Interludes
…プリペアド・ピアノによる作品で、素材やその挿入のしかたによってピアノの音色が様々に変化します。
(たとえばラバーゴムを弦にはさみ込んでみると、ピアノで太鼓や木魚のような音を出すことができます。)
♪4分33秒 (1952)
4'33"
…奏者が4分33秒間沈黙し、「その間の周囲の環境音を音楽とする」という作品です。
なぜケージがこの曲を作曲するに至ったのかというと、①環境音への関心に加え、
②偶然性や自由さを極限まで押しすすめ、③従来の音楽への最大の反発をしたかったからではないかと考えます。
★こちらはケージの様々な音楽について青島広志さんが解説している動画です。すごく面白かったです🤣
③ヤニス・クセナキス
Iannis Xenakis (1922〜2001)
♪メタスタシス(転換) (1953〜54)
Métastases
…最初期のコンピュータ音楽で、音響の変化が図形によって表現されています(縦軸が音の高さ、横軸が時間を表しています)。
♪シナファイ (1969)
Synaphai
…演奏がもっとも難しい現代音楽の1つです。ピアノの楽譜が通常2段のところ、なんと10段で書かれています。
♪モーリス・ラヴェルへのオマージュ(1987)
Hommage a Maurice Ravel "Ar"
④リゲティ・ジョルジュ
Ligeti György (1923〜2006)
♪アトモスフェール (1961)
Atmosphere
…映画『2001年宇宙の旅』のサントラで使われている楽曲です。
(この映画ではリゲティの他の2作品も使用されていますが、無断使用だったそうです…。)
♪ポエム・サンフォニック (1962)
Poème Symphonique for 100 metronomes
…100台のメトロノームによる音楽です。(動画の2分過ぎからメトロノームが動き始めます。)
♪ピアノのための練習曲 第1巻〜第3巻
Etudes pour piano
…ショパンやドビュッシーの練習曲の系譜に連なる作品で、ピティナの課題曲としても取り上げられています。
現代音楽の作曲家たち⑵へつづきます!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます♪
さくら舞🌸