そのお寺、令和にあらず！代々、寺娘たちの口伝と経験やら気遣いやら女の勘やらで一年全部を賄う、タイムスリップ寺だった！？

ひょんなご縁でお寺のパートを始めて約半年。

「お寺のお仕事っていったい何をするんだろう？」
掃除とお守りを販売するくらいしか想像できないし、自分がお寺で働くことになるなんて1ミリも想像していなかった。

お参りをするくらいしか関わることのなかった非日常空間が、職場とは…ワクワク。
イメージが覆ってしまうようなドロドロがあるんやろうか…。。
アラフィフにして未知の世界へ、いざ。

そこは、想像の斜め方向に覆っていく未知のワールドだった！

わたし目線のお寺ライフを綴りたいと思う。

うちのお寺さん

毎日随時、神社のようにご祈願を行い、ご供養や法要はもちろん、葬儀の会堂もある。法事などを行う本堂と自坊（お座敷の部屋や台所など）がつながっている。

お庭には池があり、たくさんの小さな野仏と季節のお花が咲いているような、非日常を味わえるお寺さん。
お庭のところどころで井戸からのお水がチョロチョロと流れていて、お線香の匂いが漂う癒し空間だ。

掃除は毎朝固く絞った雑巾でお堂の中も外も隅々まで拭き拭き。
代々磨き上げられてきたとても古いお堂は、いつも静かに輝きを放っている。
先輩パートのお姉さまたちの受け継がれるお寺愛と主婦魂を、隅々まで行き届いたピカピカの徹底ぶりで痛感。

そんなお寺にはわたしと同じパートの方が他に１０名ほどいて、60代、70代の方がほとんど。
お寺経験も人生経験も豊富な会話があっちこっちで満載に繰り広げられている。

オリジナルすぎる！お寺さんルール

それまでは保育士、アパレル販売員を経験してきたわたし。
決して豊富な社会経験ではないが、一般的なところはなんとなく把握してはいるつもりではある。。
そんなわたしの培ってきた経験を一瞬でひっくり返すようなルールがここにあったとは…。

まず初めに驚いたことが幾つもあったが３つに絞る。

1つ目、口伝＆女たちの冴え渡る勘


前述したように御祈願、ご供養、法要など日々の業務に加え、一年を通して様々な行事とそれに伴う準備や業務があり、時期によっては目が回る忙しさだ。

にも関わらず、マニュアルのようなものがほとんどなく、代々お姉さま方の口伝と経験や気遣いに裏付けされた女の勘でほぼ成り立っているのだ！
（最初、本当にここら一帯は令和なのか…？とマジなワープ感にガクブルしたわたし…。）

これまで、マニュアル通りにしてくださいとばかりに書類やデータを手渡され、修正があるたびに周知され、頭に叩き込んできたそこでのルールや常識。
そういう誰でも分かる転ばぬ先の杖が、ここでは全くといっていいほど無いのである！

“誰か！なんでもいいから前情報プリーズ！
ただでさえ何もわからへんねん、転ぶって！こわいってばよーー！”

悠々と「大丈夫よ～いきなり一人には絶対にしないから～。その都度教えてあげるね〜〜」と余裕な先輩方。

実際、口伝は文章よりも細やかなニュアンスを盛り込め、間違いなく伝わることが多いことは次第に腑に落ち、新しい発見だった！

口伝ゆえの、時々誰かの感情が入っていたりという弊害があるにせよ、それも経験と勘で織り込み済みだから伝わるのだ。
伝わるというか、浸透する。
同じ女ながら驚き…。

口伝…女の勘…小さなことから大きなことまで、その凄まじい力を目の当たりにしておののく日々が始まる。

２つ目、「ゆっくり行動して。絶対早く判断しないで。」

一つ目も驚いたがこれも真逆。
これまではいかに早くその場に合わせた判断と行動ができるか。
ここではそれをやっちゃーおしまいっぽいぞ？！

マニュアルがないのは、毎回毎回同じ対応をしていないから。できないから。
その時その相手、その状況によって、基本のところは変わらなくとも対応は白が黒になり、黒が白になることは日常茶飯事。
相手の方の状況が本当に様々だから…。

にしても、そんなキョドキョド案件日常茶飯事なん？
だから「同じことでも、何度でもいいから聞いてね！」と、ウィンクする勢いでお気楽。
同じことを何度でも聞いてほしいと、どの先輩からも懇願されるのだ。

ある大先輩の方には
「これ、伝えるけど忘れていいからね、いっぱいあって大変でしょ。でも伝えるね〜」って前置き。
心強くて、たくさんのお姉さんがいる妹みたいになるのだった。

３つ目、アラフィフぶっちぎり最年少！

結婚してからの保育士とアパレルのお仕事では、どちらもほぼわたしは最年長グループのポジションだった。
アパレルに至っては最年長で、20歳離れた半分娘のようなスタッフと働いていたのが、ここお寺ではぶっちぎりの最年少。

突然「キャー若い！覚えが早い！！」とピチピチ要員に。
階段を登る足音が軽やか！
お肌ピチピチ！
可愛い！！（願望混入）

先輩方にとっては娘のようなもんで、失敗しても「安心する〜」と見守ってくれたり。
完全に甘えてるが、そんなわたしもれっきとしたオバチャンなんだけど…

最近本気で若返ってきた！！気がする…！！（調子に乗って願望ガンガン混入！！）

そんな少し変わったお寺ライフでのささやかな日常を、
あくまで感覚人間のわたしのエッセンス満載で
これからものんびり綴っていきたいと思う。

長文でしたが、今回もお読みいただきありがとうございました！！