#17 読書感想文が書けなくて
私は読書感想文が書けない。
読書感想文だけじゃなくて、「感想文」がとても苦手である。
小中高生のころ、幾度となく出された感想文の課題。本はそこそこ読むほうだったけれど「感想は?」と聞かれると途端に閉口してしまう。
小学校2年生の夏休みの課題で『ガリバー旅行記』の読書感想文を書いたときなんか、
最初の一枚目をほとんど内容の要約(ほとんど丸写し)に費やし、
どの場面で感動したか、どのストーリーが楽しかったかは書かず、
最後の段落で「何がすごいかは読んでみてのお楽しみ」なんて書いちゃったもんだから、
「さくらちゃんの感想はどこに書いてあるの!」って両親に笑われた思い出がある。
ガリバー旅行記だって、面白かったのだ。ガリバーの冒険は壮大だった。
何も感じなかったから書かなかったのではなくて、
自分の感情を言葉にするのが難しくて、本当に何も書けなかったのだ。
感受性おばけな私は、読む本、観る映画、聴く音楽、そして目の前の人の言葉にかなり激しく感情が揺さぶられる。いろんな対象に感情移入しては共感し、泣き、笑い、落ち込み、興奮する。
自分の目の前に流れてきた言葉に動じないことなんてそうそうない。
私には、表現したい・伝えたい気持ちがたくさんある。
なのに、自分の中の感情の揺れ幅や大きさに言葉がついていかなくて、「感想」にできない。
周囲の人からしたら結局何も思ってないことと同じになる。それが悔しい。だから、せめて心の中で気持ちが渦巻いているということだけでも知ってほしい。おでこに出ればいいのに、感情ゆらゆらメーターみたいなのが。
じょうずに感情を表現できる、力のある言葉を発せられる人が羨ましいと思う。
これも訓練なのだろうか。
素敵で、再現性があって、インパクトがあって、その人の人生の重みを感じさせるような言葉を発する人って、何か本を読んで勉強して、練習したのかなぁ。自分の気持ちをピタッと表現できるような人になりたいなぁ。最適な言葉を選んでピッと教えてくれる辞書なんかあったらいいのに。今までの人生において「本・参考書を読んで勉強する」という方法で大半の知識を学んできた私は思う。
(ちなみに『感情言葉選び辞典』という本があるらしい。購入検討中。)
本当に伝えたい相手に、本当に伝えたいことがあるときほど、言葉が出てこない。
ほら、「本当に」って言葉2回も使って、語彙力ないなぁ。また薄っぺらくなっちゃった。こーんなに気持ちは大きいのに。
もし時間と気力が許すなら、
私が言葉選びにウンウン唸っているそばで、ちょっとだけ根気強く待っててほしい。できることなら、「それってきっと〇〇って気持ちじゃない?」とか、「そうだよね、分かるよ。」とか、声をかけてほしい。
今一生懸命、なんて言えばいいか考えてるからさ。