音楽のタイムカプセル
昔聴いていた音楽を繰り返し聴く、ということをあまりしない。
音楽にくっついた思い出の純度が失われるのが嫌だから。
音楽は昔の思い出を大切に閉じ込めてくれる宝箱みたいなものだと思う。
それは一種のタイムカプセルみたいなもので、何度も開けることなく10年後、20年後に開けるからこそ、何年分もの懐かしさに心がいっぱいになるとか、そういうものだと思っている。
だから、そう何度も何度も繰り返し開けていいものじゃないのだ、私にとっては。
聴けば聴くほどに、あの時の気持ちをあのときのままで、鮮明には、思い出せなくなってしまうんじゃないかって考えてしまうから。
透明の水でいっぱいのバケツに、絵の具がついた筆を入れるみたいな感じ。
音楽に閉じ込められたその時の記憶に、
「その音楽を聴いている今」の記憶が混ざっていく。
だから、このカプセルを開けられるのは、本当に本当に大切な思い出を、そっと抱きしめていたい時だけ。
そんな、私のお約束。
誰に強要するわけでもない、私の中でだけのお約束。
さて、今夜は一曲、みなさんと一緒に思い出を慈しみたいと思います。
どうかいい夢を。
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