俳句(冬)
(ラガー)ノーサイド心優しきラガー在り
(榾(ほた)明り)一服の木こりに爆ぜて榾明り
(榾(ほた)明り)榾明り火の粉しづかに雪と舞ふ
(榾(ほた)明り)みなのこゑいつしかとほく榾明り
(どんど焼き)どんど焼き向かう袋の軽ろきこと
(どんど焼き)子ら見上ぐ煙の先やどんど焼き
(どんど焼き)どんど焼き炎の包(くる)む神の果て
(どんど焼き)どんど焼き年神さまは帰りけり
(どんど焼き)お祭りのけぢめとなりてどんど焼き
(寒三日月)シュリシュリと寒三日月を研ぐ音ぞ
(冬霞)冬霞烏もしばし宿へ帰す
(星冴ゆる)それぞれに秘めたる想い星冴ゆる
(寒梅)今頃は楚々と咲くかと寒の梅
(寒雀)寒雀ひときわ小さき陰となり
(日脚伸ぶ)日脚伸ぶ床に転びて本を読み
(三寒四温)古家や三寒四温夫と棲む
(冬苺)幸よあれ色なき森の冬苺
(冬苺)地に這うて地に這い延びて冬苺
(寒拆 かんせき)ビル群の寒拆響く路閑か
(火の用心)ビル群に拍子木の鳴る火の用心
(火の用心)タワマンの街に響くや火の用心
(枯葉)ビル谷間枯葉カサコソ跳ね舞うて
(冬ざるる)飽食の時代溢れて冬ざるる