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黄金の荒野を拓く@宇宙ビジョン作家人響三九楽(ヒビキサクラ)
2020年11月28日 22:02
信じることは、愛につながる 大阪城の慶喜は、どうにか自分が新政府の中に入り込めるよう根回しをしていた。その頃、江戸にいた西郷は、浪士達を集め江戸でテロを起こした。罪のない人達を巻き込み、強盗や殺人、暴行などの無差別テロは江戸中を震撼させた。勢いに乗った彼らは、私のいる江戸城二の丸を含め、江戸城にも火をつけた。江戸の人々は震えあがり、いつ自分のところに災難が降り注ぐかわからない恐怖に襲われた。
2020年11月26日 22:10
自分を最後まで信じ切れますか? 一八六七年の十月、慶喜はこれまで徳川幕府が握っていた政権を朝廷に戻す「大政奉還」を申し入れた。これにより、265年政治の実権を握っていた江戸幕府は終わった。慶喜の狙いは、倒幕を目指していた薩摩と長州に対して、朝廷に政権を返し「倒幕」という大義名分をなくすことだった。その上で、徳川の力を次の新しい朝廷に組み入れる事だった。慶喜は朝廷という大樹の元で、武家が議会を
2020年11月21日 17:43
大きく変わる未来のために家茂様はご自分の死期が近いことを悟り、次期将軍として田安亀之助を名指した。それが家茂様からの遺言だった。私達大奥の人間も、家定様の従弟である彼を後継者にすることを強く望んだ。しかし、それは実現することはなかった。彼があまりにも幼く、わずか四歳だったからだ。もし、彼がもっと年を重ねていたら もし、家茂様が長く生きていたらもし、家茂様と和宮様にお子が生まれていた
2020年11月7日 10:56
愛されていることに、自信がありますか?家茂様は二十一歳だった。和宮様も同じ年で、そして愛する人を失った。私が家定様を失った年に近い。愛する人を失った和宮様の気持ちが、心に染みわたるほどよくわかる。そんな時、心にぽっかりとブラックホールが生まれるのだ。ブラックホールは、どこまでも深くて暗い。愛する人を失った悲しみと辛さを吸い取り、ブラックホールはどんどん肥大する。和宮様は生きる気力
2020年11月4日 18:35
今、いる場所で私ができることは何だろう?1865年、和宮様との結婚の三年後、イギリスとフランス、オランダが兵庫の開港を要請してきた。「兵庫開港が認められなければ、幕府と交渉は止め、京都御所にいる天皇と直接交渉する」これらの国は、そう脅しをかけてきた。兵庫開港拒否は、彼らに攻撃を受けるチャンスを与えると考えた幕府は、天皇に許可を得ないまま兵庫開港を決めてしまった。しかし一橋慶喜は天皇からの