書籍:人生を変える読書
こんにちは。
3人娘を育てている、ベンチャー企業のCTOです。
人生を変える読書
『読書大全』を執筆された、堀内勉さんが書かれた『人生を変える読書 人類三千年の叡智を力に変える』を拝読しました。
今の時代に読書がなぜ重要なのか、という問いに答えてくださるような内容でした。
そして、読書への向き合い方についても考えさせられる内容でした。
教養、リベラルアーツ、メタ認知、人文知といったキーワードに興味を持っている方には、オススメできる内容でした。
この書籍を読んだ中での理解を記載します。
どんな本を読むべきか、という問い
著者は、講演会やセミナーにて、必ずといっていいほど、「どんな本を読めばいいですか?」という質問を受けるそうです。
これは、「◯◯の初学者向けの本」とか「◯◯の特定の事について書かれた本」とかのような、具体的な質問ではなく、漠然とした質問のことがほとんどだそうです。
このような問いの裏側には、現代社会において以下のような思いを持っている人が多い、ということでもあります。
自分が何をしたいのかわからない
自分が何をすべきか、誰かに教えてもらいたい
なにかの答えを自分では出せないので、他人が持っている答えをもらいたい、といった姿勢を持っている人が多いということでしょう。
社会の要請、にみえるもの
ネットやSNSでは、以下のような記事を目にします。
今のビジネスパーソンは、英語やテクノロジーのスキルが必須
知識だけでなく、教養も大事
AIに置き換えられないために、必要な能力とは
私が学生だった20年前も、「社会から必要とされる人材とは」とか「手に職を」とか、そういった話題が多かったように思えます。
社会の流れが必要としているものを身につけよう、そうでなければ生き残れない。
そういった風潮が見て取れます。
大きな物語がなくなった時代
現代は「大きな物語」が存在しない時代とされています。
「大きな物語」とは、フランスの哲学者ジャン=フランソワ・リオタールが書籍「ポストモダンの条件」で語った概念です。
人々の考え方をリードするような思想を「大きな物語」として表現しています。
語弊があるかもしれませんが、みんなが共有している「これに沿って生きるのがいいよね」といった類のストーリーを「大きな物語」と呼ぶことができるでしょう。
この「大きな物語」をみんなで信じる時代が終わり、各自が自分の生き方を規定する時代に突入しています。
かつての日本の「大きな物語」
失われた30年に突入する前、バブルが弾けるまでの日本社会では、大きな物語があったように思えます。
ジャパン・アズ・ナンバーワン
ものづくり大国、ニッポン
終身雇用と年功序列
24時間がんばれますか
その流れに乗って、会社の言うことを聞き、がむしゃらに働けば、報われて幸せになれる。
そういった「大きな物語」が、かつては存在していたように思えます。
(※私はその世代ではないので、実感は無いのですが…)
しかし、今は「そのようなストーリーに乗っかっても幸せになれない」と思っている人は多いでしょう。
金銭的にも、精神的にも。
自分で自分の生き方を考えていく必要がある時代となってきました。
考える灯火としての読書
とはいえ、突然「あとは自分で考えてください」と言われても、困ってしまいます。
何かしらの取っ掛かりがほしい。
ここに、読書の価値があります。
読書こそが、考えるために必要な枠組みや材料を手に入れる手段として、もっとも優れたものとなります。
かつての天才たちが思考をめぐらせ、積み重ねてきた集合知があります。
この集合知が、自分の生き方を考える枠組みを提供してくれます。
「誰かの言うことを鵜呑みにしろ」ということではなく、この集合知を上手く使うことで、自ら考えることの取っ掛かりとするのがいいのではと思います。
この書籍では、このような読書への向き合い方を提示しつつ、「◯◯という古典には、このようなことが書いてある」といった紹介もしてくださっています。
読み進める中で、「読書によって何が得られるのか」が想像できるような構成となっています。
この中で「読書は筋トレみたいにトレーニングし続けるのがいい」というお話も出てきます。
私は、会社経営と実務と育児と家事をやりながらの中ですが、必ず週に1冊を読んでnoteにアウトプットするようにしています。
これはトレーニングに近い感覚があり、ずーっと続けていくこと自体に価値があるんだなという実感が出てきました。
読書には「社会や会社からの要請された読書」と、そうでない読書があります。
前者は、資格の勉強とか、所謂ビジネス書とかが該当すると思います。
そのような読書も大切だと思います。
ですが、特に「社会や会社からの要請された読書」ではない読書にこそ、人生を変える力があるように思えます。
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