国際結婚の泥臭さ
Sakuです。私は、
結婚は良いときはほんとうに良いものです。悪いときは、違うことについて考えます。
という村上春樹の言葉に従ってみています。
狭い部屋の中に二人きりだと、どちらかのイラつきはあっというまにもう一方に伝染し、だれがどう悪かったのか分からなくなり、そもそもどっちも悪くなかったのでは、とモンモンとしてしまいます。
このモンモンが、夜まで続き、寝る前まで続くと、どうしてこんな奴と一緒になったか、なにが楽しいのか、という憂さが晴れず気持ちが悪いです。
今日は、彼をきたえるつもりで任せたコンビニでの書類の印刷のことで、モンモンが始まりました。
私は彼に、ここ4日くらい、印刷のしかた、いくらの切手を何枚買う、などと細かく教え、早くコンビニに行ったらとハッパをかけていました。
なのに、彼はメモも取らずに、出かける間際になって、「スウィーティー、印刷はいくら?あと、クリアファイルみたいなのある?」などと聞いてくるから、「知らない、もう自分で考えて!」と突き放して言いました。
私は三國連太郎の「怪談」という映画を観ていたところだったから・・ちょうど、おどろおどろしい白骨死体と一夜をともにしたところに連太郎が気づくシーンだったし・・
彼はコンビニから帰ってきてサイフをやや乱雑に机に置き、「うまくいった?」と聞くと「スタッフに聞いたけど分からなかった!」と言って服を脱いでシャワーを浴びてしまいました。
シャワーとトイレが続いているので、彼がイラついたときにいつもやるように、トイレの床まで水で流してガシャガシャと掃除をする音が聞こえてきました。
私は「怪談」はけっきょく分かり切ったストーリーのものをくそ真面目にじっとり長く(3時間近く!)撮った映画なだけことが分かって、スマホを閉じて、代わりに印刷しに行きました。
コンビニで、私のほうもムカムカしてきて、エクレアやら大判焼きやら買ってきてしまった。
彼がシャワーから出ると、こちらも甘いものを一気食いしていて、「印刷したから。ここ、署名!」みたいな態度をとりました。
私は畳にねっころび本を読んで、彼はベッドで昼寝をして、しばらくしていると、部屋のモヤモヤを早いところ晴らさなきゃ、夜までこのままだと思い起き上がりました。
そして私は豚汁を作り・・彼が起き上がったところに「スープあるよ、あったかいよ、おいしいよ」と言ってつとめてニコニコしました。こっちはもうキバを出してないから、あなたもキバを引っ込めて、美味しいご飯を食べましょう、という作戦です。
彼は豚汁をお腹いっぱい食べ、私もキレイになったトイレを見てすっきりし、なんとかモンモンが晴れたのです。
どんなカップルもけっきょくはこういう、色気のない、いさかいを乗り越えて日々生きているのでしょうか?
国際結婚と言ったら空港の国際線で働くキリっとしたキレイなお姉さんを思い浮かべる私は、二人の人間が日々生きていく泥臭さとその呼び名との間にギャップを覚えるのです。
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