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秋になると食べたくなるもの

食べものから季節を連想させられることってありませんか。
カレーはなんとなく夏っぽいし、クリームシチューは冬のイメージ。
これは完全に、テレビCMのイメージに操られていると思います。
しかし、何年も見ているとすっかり脳みそに刷り込まれて、シチューのCMを見ながら「そろそろ寒い季節になるんだなぁ」と、ほんのり切ない気持ちになったりします。

まぁでも、そのメニューを食べる時間は、一緒に食べる人たちと季節感を共有する空間にもなるわけです。
それは素敵な時間だなぁと思います。

で。
我が家の秋冬メニューはといえば。
これです。豚汁。

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やっぱり寒い季節はほっこりと温まるものが食べたい。
豚肉と根菜とお味噌という黄金の組み合わせ。
豚汁は秋冬にこそぴったりのメニューだと思います。

豚汁といえば、私の実家では「災害時は豚汁」という母的ルールがあります。

幼いころ、クリスマスに大雪が降って停電になったことがありました。
(当時は自然災害での停電は割とよくあった)
父が電力会社の変電所勤務だったので、停電が予想されるときは呼び出されます。
ということは、何かあっても父は頼れないということ。
でも停電したら真っ暗になるし、料理どころではなくなるはず。
とりあえずガスは使えるから、温めるだけで子どもたちのお腹が満たされるもの…ということで「豚汁」という選択になったらしいです。

その日は予想通りのドカ雪で大停電。
今思うと、クリスマスに豚汁って。という気もしますが、あったかいごはんが食べられて、停電というちょっとしたイベントもあって笑、なかなかインパクトの強い日となったのでした。


そして東日本大震災の当日も、母は豚汁を作りました。
あのときは仙台の実家近くに住んでいた我が家。
とにかくライフラインがいつ復旧するかわからない状況。
海近くの職場で働いていた夫はなかなか帰ってこないし、ムスメはまだ小さいし、つけてみたラジオからは信じられないようなニュースが流れてくる。
その状況の中、静かにパニック状態になっていた私。
何をしたらいいのか、思考ができない。完全に舞い上がっていました。
しばらくして、夫が無事に帰宅。
ホッとしつつ、実家の様子を見に行こうと玄関を出たら、先回りして様子を見に来た父と鉢合わせしました。

とりあえず、まだ何が起こるかわからない状況だし、みんなで一緒にいよう、ということになり、車で10分の実家へ。
するとすでに母が、あったかいごはんを作っていました。
具だくさんの豚汁に、うどんを入れたもの。
お鍋をかけられるタイプの灯油ストーブがあったからこそのメニューでしたが、不安と混乱のあの日、あったかい食べ物は身体にも心にも染み入りました。


にしても、思うんです。
お母さん、強いな。
戦後の混乱期に育った世代だからなのか、私たちが安穏とした生活に慣れすぎているのか。それとも、もともとの気質なのか。
それはわからないけれど、私自身も親となったいま、母が持つ、この非常時の対応力の高さには、学ぶことが多いなぁと思います。

震災のあと、1か月くらい過ぎたころになってようやく「あの時はなんだか、悪い夢を見ているようで現実感がなかった」と漏らした母。
いやいや、お母さんめっちゃしっかりしてましたぞ。
きっと母の脳内もパニック状態だったに違いない。
それでも家族のごはんを何とかしようとがんばった母は、やっぱりすごいと思うのです。

すぐに「母レベル」になるのは無理かもしれないけれど、私も母を見習って、家族を支えられる人でありたい。

豚汁を作りながら、そんなことを思ったのでした。

・・・・・・・・・・

あ、私の秋メニュー、もう一つあるんですよね。

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プルーンとオレンジの赤ワイン煮!
大人のデザートです。うふふふふ。

美味しいものと一緒に、これから深まる秋を楽しみたいと思います。

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