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在宅医療と「家で死ぬ」を教えてくれる本

今日はsakの読書感想文シリーズです

今回はこちら


概要

筆者は病院で外科に勤務していた医師。
現在は、緩和ケア萬田診療所にて、在宅緩和ケア医として2000人の看取りに関わっている。
筆者の経験を通じて、病気とは、医療とは、死ぬとは、そして在宅で亡くなるとは、といった内容を記載している。

ざっくりとした感想

面白い!
「死」を扱っている内容に対して、「面白い」という感想はどうかと思うが、とても興味深い内容ばかり。
そして、表現が比較的平坦で、医療関係者以外に向けて書かれているような印象もあるので、だいぶ読みやすい。
筆者の在宅医としての経験が満載、関わった患者さんのエピソードもちょこちょこ入っているのでイメージもとても湧きやすいのではないかなと感じた。
「ではないか」と書いたのは、やはり私が医療者で、特に在宅医療に関わっているからスタートとしてだいぶイメージが湧きやすいから。
全く何も知らない人がみて、どれほど現実のものとしてイメージできるかは、私の視点からだと分からないから。
何もその辺りに触れたことがない人が読んだ感想も見てみたい。

在宅医療とは

話はそれるが、そもそも「在宅医療」という言葉は市民権を得ているのだろうか
以前、医療関係でない方にこの言葉を使った時に
「在宅ワーク」のイメージだったらしく、「家にいながら医療を提供する」という意味合いで伝わっていた
なるほどー!と思って、確かにそうやって受け取る人も多いかもしれないと思った
ちなみに、在宅医療とは
病院以外の場所で、主に自宅で医療を受けることを指す
主に通院が難しい方々が受ける医療というイメージ

今回は、特に高齢者の在宅医療をイメージして書いていこうと思います

在宅で「死ぬ」ということ

「死」というワードは打つだけでも、なんとなく一瞬、うっとなります
ただ、この本を読むことで、その「うっ」が少し緩和されるんじゃないかなと感じました

今の日本では、みなさんどこで亡くなっているかご存じですか?
以下の資料を見ると8割近くの方が病院で亡くなっています

厚労省 看取りの参考資料より https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000156003.pdf

一方で、みなさん最期の場所をどのように希望しているかはご存じですか?
実は、多くの方が自宅で亡くなることを望んでいます


厚労省 看取りの参考資料より https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000156003.pdf

周りに亡くなった方などがいないと、想像しにくいと思うのですが、病院での時間というのは想像以上に制約が多いです
自宅ではできること、自由に歩き回る、好きな時間に起きて寝る、食べたいものを食べたり、お酒を飲んだり、そんなことはほぼできないです

そうすると、「自分らしく生きたい!」と思うと、やはり「家に帰りたい!」となることが多いんですね
それが上の結果なのかなと

一方で、家族の立場だとしたらどうでしょう?
いつ状態が悪くなってもおかしくない家族と家で暮らすって心配ですよね
「病院にいた方が安心だ」
そんな気持ちで、何かあると「すぐ入院を!」となることも多いです

その辺りの不安とどうやって向き合っていくのか、実際どんな状態になるのか、そういったことが細かく描写されています
医療関係者が読んでももちろん面白いですし(特に病院勤務しかしたことない人は一度読んでほしい)
身近に在宅医療の対象となりそうな方がいる人たちにもぜひ一読してほしい
そしてそして、願わくば、全くそんなフェーズにいない人たちにも読んでほしい

なぜって、絶対いつか人は「死」と向き合わないといけない時がくるのだから

「どうやって死ぬか」は「どうやって生きるか」ということ

これは、この本を読んで改めて感じたこと

日本という先進医療の進んだ国では、どうしても「死」が遠くなっていますが
いつか人は死ぬし、身近な人の死にも触れあうときがくる

どんな最期を迎えたいのか
どんな生活が自分らしいと言えるのか
どんな風に生きていくのか

そんなことを考えるきっかけの1冊になるんではないかなと感じました



一理学療法士としての感想文を書いてみました!
こんな活動をやっています、ご興味ある方はぜひまた覗いてくださいー!


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