「生きていたくないが、死ぬこともできない」高齢者が多い社会について考えてみるきっかけ
お久しぶりの投稿となりました!
sakikoです
グッと寒くなりましたが、元気にやっております!
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こちらの本を読んで色々と思うところがありました
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こちらの本、医療者や介護職の方はもちろんなのですが、全くそういった職種でない方々にもぜひ読んでもらいたいなーと思いました
超高齢社会を迎えている日本において、「生きていたくないが死ぬこともできない」高齢者が大量に生み出されている現状を分かりやすく説明し、さらに問題点だけでなく対応方法についても述べてくれているからです
まだまだ病院死がメジャーな社会では、こういったことは関係者でないと分かりにくいため、本書によってうまく想像することができるのではないかなと感じました
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ここで書かれている2種類の「死ねない老人」とは
と表現されています
まず、思ったのが、「まさにそう!」という共感
色々な形で在宅の患者さんと関わっていますが「生きていても仕方ない」「早くお迎えが来てほしい」という方のなんと多いことか
病院時代もADL(日常生活の活動)が自立していても閉じこもりになってしまう方がいることを知り、そこに課題感を感じていました
閉じこもりになってしまう理由は多様だと思いますが、その中の1つに「生きがいを見失う」ということはあるのだろうと常々感じていました
そして、自身の思いとは裏腹に不本意に生かされている方も多い・・・
と記載がある通り、自分自身のことであれば延命はしたくないと思っていても、家族や大切な人のことを思うとできることはしてほしい、という思いになってしまう方がやはり多くいらっしゃいます
その気持ちもとてもよく分かりますが、延命によって得られるものが本人の苦痛の延長であれば、その判断は本人のためなのか・・・とも思います
難しい問題ですが、実際にこういったケースもしばしばよく見受けられます
もちろん、正解はないのですが、こういった本をきっかけに高齢者の現状を知り、自身や身近な人たちに置き換えて考えてみる機会は必要だなと感じました
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そして、共感の上で感じたのが
この2種類の「死ねない老人」に対して、私ができることはないかな、という思いが私の活動の原点となっていそうだなということ
生きがいを見失ってしまった方に対して、その方が生きる意味や希望を持てるようなサポートはできないかな
ただ介護サービスを「受ける」立場ではなく、人生の大先輩としてまだまだ社会に貢献してもらえることはないのか、そういったことを探すためにリハビリ専門職ができることって結構ありそうだと考えていたり
死期が近い方に対してリハビリは不要と思われている医療・介護関係者の方は結構多いのですが
最後の最後まで自分らしく生きるためには、「楽に呼吸をする」「できる限り排泄を自身で行う」「苦痛な姿勢を変える」などやれることはたくさんあります
制度上、介護サービスでのリハビリは相性が悪いのですが、違った形で介入できることが多くありそうだなと常々感じています
私の中にある課題感とリハビリ専門職としての可能性を言語化してくれているなと感じたのでした
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こういった内容の書籍にはとても惹かれます
「どうやって死ぬか」=「どうやって生きるか」というのが結構私の中での大きなテーマなのだろうなと感じます
改めて自分の持つ課題感と自分ができること、を考えるきっかけになりました
もし気になって頂いた方はぜひぜひ読んでみてください!