屋根裏のバーニャカウダー(2023/10/26_ソワレほか)
つい先日が、父が亡くなって丸9年の日でした。
そういうのもあったからかなあ。
最後は声上げて泣きそうでヤバかった。
「この秋、最高の感動を」
感動、というのをどう取るかやけど。
「うおおおめっちいいはなしーーー!!」
っていうのとはなんか違う。
でも、めっちゃ心を動かされる舞台やった。
多分、それはやっぱり「感動」ってことなんやと思うから、看板に偽りなしやったな、とわたしは思ってます。
ちなみに最初に涙腺やられたのは、紅勿さんが「お別れできた?」って尋ねるくだり。
あそこも相当ヤバかった。
やっぱり、親(とか近しい人)を亡くした人は、多かれ少なかれ、どこかなにか、思い残したことはあると思うわけで。
うちは病気で亡くなったので、ぶっちゃけ事前にある程度覚悟はしてたし、チャンスもあったはずなんですよ。
特に仲が悪いということもなく、むしろわりと仲良し親子だった自信はありますが、それでも思い残したことはないかと聞かれたら、やっぱりあるんですよねぇ。
そういう、誰もが持っているであろう感情をなぞるというのは、ある種簡単なようでいて、とても難しいんとちゃうかなあと思ってます。
ある意味、こっちは「本物」を知ってるわけですよ。
家族を亡くす悲しみ、寂しさ、後悔。
そういうものを抱えていて。
ぶっちゃけちゃっちいセリフじゃ、なまぬるい共感くらいしかできないんです。
それを、こっちの心をぐっと掴んで揺さぶるのは、やっぱり役者さんのお芝居なんですよねえ。
6Cさんならではの笑いはばんばん折り込みつつ、それを落ち着いたシーンやピリピリしたシーンと隣合わせにしても、変な取ってつけた感がないのが凄いなあと。
わたしよく、6Cさんの舞台に対して「普通」って表現を連呼するんですが、こんな「普通」ないですよ、普通(日本語どこいった)。
だって幽霊出てきたり、次から次へと腹違いの弟妹が出てくるとか、ないでしょ、「普通」。
どう考えたって超・非日常なんですよ。
やのに、なんかさらーっと受け入れてる自分がおるんですよね。
何でやろ。
「ないない」ってツッコむ心がないわけやないけど、ナチュラルなフィクションとして、素直に観てるんです。
わたしは根っからの舞台スキーで、物語の中で突然歌いだしても平気やしw
テレビや映画にくらべたら、「大げさ、わざとらしい」と言われがちなセリフ回しも何の違和感もなく受け入れられる側の人間ですけども。
それでも舞台の導入で、その世界に入り切れんでつっかえることもあるんですよ。
でも、なんか松本さんの舞台はそういうのがあんまりない気がするんよなあ。
相性がいいんかな。
そういう意味でも、やっぱり貴重な「普通」に「良い舞台」。
いやホンマ、バランスがね、凄くいい。
ぶっちゃけ、そんな人数いる?
って結構思うんですよ、毎回。
その役の人要りますか?
って、キャスト一覧見たときは思うんです。
そんなようけいらんやろ、って。
正直、今回も思ってました。
美月ちゃんとか桜井さんなんかは、別にいなくてもいいんじゃ?とかエラそうに思ってました。
……いるね!
むしろいないと困る!w
美月ちゃんのあっけらかんとした、今どきの高校生(って思ってますけどいいんですよね?実際の女子高生に知り合いおらんので、わたしの勝手なイメージかもしれませんが)って感じで、空気感が凄くいい。
桜井さんの程良い引っ掻き回しぐあいも絶妙で。
変なしんみり感はふっ飛ばしてくれるんだけど、物語をぶち壊すことはしない。
もちろんそものストーリーとか展開がいいってのはあると思うんですけど。
全体的にそれぞれの役者さんの「さじ加減」がものすごくいい舞台やったなあと思うわけです。
みやこちゃんもね、発生とかいつもと相当変えてて、「作り込んでる」感じなんやけど。
うっかりすると「やり過ぎ」になって、浮いちゃう可能性もあったと思うんです。
コメセカの時のルイ先生と同じことやっちゃうと、絶対違う。
かなりクセのある感じのキャラやけど、実は相当心をぐっと掴まれたシーンは、のんさんのとこなんよな。
お父さんが、惣之助の自慢話してたよのくだり。
「知らないでしょ?」のセリフがめちゃめちゃ好き。
そう、知らないんだよ。
今となってはもう聞けないけど、聞いてみたい気がする。
父親が自分をどう思っていたのか。
そういうことを図らずも考えさせられちゃう。
みやこちゃん追いかけて5年以上になるけど、まだ新しい姿を見られるんは、ホンマ嬉しいよね。
ますます目が離せない。
これからもまた追いかけて観なければ!!
(来月も観るけどな)
でも、今回やっぱりずるいなあ、凄いなあ、と思ったのは、大禅さんの小沢さんかな。
みんな素晴らしかってんけど。
それぞれ魅力的やってんけど。
なんかもう、恐れ入りましたって感じ。
セリフも登場シーンも多くない、もちろん、役回り的に数の問題じゃないのも分かってるけど。
存在感というか、説得力が半端なかった。
惣之助を見る目がさあ。
泣けてくるねんこんちくしょう(ガラ悪くてすみません)。
今回の話は、それぞれ目で語るシーンが多いと思っていて、これって小劇場ならではやなあと思ったりする。
でも、結構舞台上には人が多くて。
物語のメインにいる人以外の様子も注目ポイントなんよなあ。
だから間近の席と、ちょい引いた席で観る必要があって。
観るたびに自分の見どころも変わるから、何度観ても楽しめる。
(まあそのためにはもうちょいおサイフに優しいと助かるねんけど)
さあ、そんなわけで、これから3回目行ってくるでーww
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