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初めて馬に乗った感想。夢だった乗馬体験は少しだけ切ないものでした。

子供のころから乗馬に憧れがありました。

ゼルダの伝説、銀の匙、キングダム……大好きなこれらの作品に影響を受けたのか。はたまた、実家の近くに競馬場があったからか(競馬は一度もやったことありませんけど)。

具体的な理由は分かりませんが、とにかく馬に乗ってみたかったんです。

叶うことなら車通勤ならぬ馬通勤がしたかったくらいに……。

そんな強い乗馬への想いを抱き続けること27年。ついに先日、乗馬を体験する機会に恵まれました。

今回はこの高揚感と少しだけ感じた切なさを記憶するため、文章としてまとめておきたいと思います。


日本で乗馬を体験することは難しくない

乗馬に対する想いをかなり大仰に書きましたが、実は馬に乗ることはそこまで難しい話ではありません。

競馬場や牧場に行けば乗馬体験が行われていることも多いです。

しかし、ある程度の遠出が必要なことは確かですし、少しの体験時間で1万円ほどの費用が必要になることも……。

なにより、大人になるにつれて気恥ずかしさが出てきます(これが馬に乗れなかった一番の理由です)。

馬に乗ることはもちろん憧れでしたが、守銭奴で恥ずかしがり屋な自分にはハードルが高いものだったんです……。

 

乗馬を体験することになった経緯

では、そんな私がどうして乗馬を経験することになったのか。

きっかけはたまたま六甲山牧場へ遊びに行く機会があったから。まったく調べてなかったんですが、現地で乗馬体験が可能であることを知りました。

しかも、料金は800円。

ネックだった料金も格安で、予約等も必要ありません。

となると、あとはもう必要なのは勇気だけ。

これを逃せば一生機会はないと己を鼓舞し、小さな子供たちに紛れながら順番に並びました。


念願の乗馬の感想

初めての乗馬の様子
27年の想いが溢れ出した背中。
一気に年を取ったように見える。

並ぶこと20数分。ついに私の順番がやってきました。

その馬はとても大きく、毛並みが美しい茶色の馬だったと記憶しています。

実は馬の品種は200種類以上になります。
また、それぞれに体の大きさの違いや性格の違いがあります。

JODHPURS「馬の品種は200種類以上!乗馬クラブでよく見かける種類を中心に特徴をご紹介」

六甲山牧場では、木曽馬、ポニー、ミニチュアホースなど色んな種類の馬がいます。この時期、六甲山牧場の乗馬体験(のちほど紹介します)で稼働しているのは木曽馬です。

KOBE Journal「動物と自然に触れあう。ワンコインで満喫できる『六甲山牧場』に行ってきた」

実は馬の種類は200種類以上もいるらしく、種類によって大きさなどが違うようです。

あとから知りましたが、この時自分が乗ったのは木曾馬という日本の在来馬の一種みたいですね。

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27年間の積もりに積もった想いと共に、私は馬の背中に全体重を委ねます。

「うわぁ~乗れてる~~」

子供みたいですが、初めて乗った時の感想です。正直、70キロもあるいい大人ですし、乗った瞬間つぶれてしまわないかなという不安があったんですよ。

しかし、そんな不安はどこ吹く風。

私を乗せたと判断した馬は、軽やかにステップを踏み、前へと歩を進めました。

とりあえず一安心して気を抜いた瞬間、心配するのは馬ではなく自分だったと気づきます。

意外と揺れるんですね、馬の上って。

単に上下に揺れるんじゃなくて、体重をかけている馬の背中の複数の骨がそれぞれに動くんですよ。

乗馬中の身体にかかる負荷のイメージ

イメージとしては複数人に担ぎ上げられて、エッサホイサされてる感じ。結果的にいつも使わない筋肉で耐えないといけないので、最初は体制を崩しかけてヒヤリとしました。

でも、だんだん慣れてくると景色を見渡す余裕が出てきます。

「あぁ~馬に乗ってる~!!念願だった馬に!!」

少しずつ夢だった馬に乗れている実感も湧いてきて、テンションも最高潮に上がってきました。

しかし、そこでふと気付いてしまったんです。

「あれ?この馬…疲れてる??」

これは共感頂けるかと思いますが、実際に身体を預けて馬と一心同体になってみると、なんとなく気持ちがわかる気がするんですよね。歩調や息遣い、筋肉にかかる微妙な緊張の具合をより身近で感じられるからかもしれません。

気のせいか少しお疲れの馬

もちろん気のせいかもしれませんが、気のせいでも疲れている馬に乗ってはしゃぐ気分にはなれません。

「なんだか申し訳ない……早く終わってくれぇ~」

今回の乗馬体験は校庭程度の大きさの広場を一周するんですが、結局中盤からはずっと馬の背中を撫でて、早く終われ~と願っていました。

馬から降りて、残りの乗馬体験を心待ちにする人々の列を見た時、

「あの馬はまだこれだけの人々を乗せて、歩かないといけないんだな……」

と、楽しかったという感想より、同情の気持ちが一番に湧いてきたのを鮮明に記憶しています。私の念願の想いは叶ったわけですが、ちょっとだけ切ない想いで終わりました。

夢が叶った後というのは、得てしてこのような気持ちになるのかもしれませんね。


※六甲山牧場の管理体制が悪いという風に捉えられたかもしれませんが、乗馬体験は体験可能な時間が1~2時間と決められており、体験ごとに馬も交代しているようでした。のどかな環境で、とても伸び伸び育てられていたと感じます。あくまで所感ですし、疲れて見えたのは体験時間の終盤だったこともあるでしょう。私の体重が重いことへの罪悪感も多分にあります。疲れていたのではなく、単に嫌われていてめんどくさがられていたのかも……(笑)重ねてになりますが、六甲山牧場はとても良い場所でしたのでぜひ来場し、乗馬体験をしてみてほしいなと心から思っています。



乗馬体験をする際の注意点

というわけで、以上が私の乗馬体験になります。

ここからは、実際に乗馬を体験してみて、注意した方がいいなと感じたことをまとめさせていただきますね。

体重制限がある場合が多い

馬に乗れる体重は、一般的に馬の体重の20〜30%と言われています。

例えば、400キロの馬であれば80〜120キロまで、500キロなら100〜150キロまで。

また、乗馬の際には鞍や腹帯、鐙といった馬具が馬につけられます。それらも合わせた体重制限が課されているのです。

そのため、馬の負担や安全面を考慮した上で、だいたい90キロを目安として設定している乗馬クラブが多いのでしょう。

スポスルMagazine「【乗馬】体重制限は90キロ以下が目安?対象年齢も要チェック!」

馬は生き物なので、どうしても運べる重量には限度があります。

大体90キロ以上は断られてしまうことがあるようですね。

今回の体験では特に体重計に乗って確かめられることは無かったですが、馬への礼儀として対象外の場合は控えましょう。


汚れてもいい動きやすい服装で参加する必要がある

参加者は、動きやすい服装で参加すれば問題ありません。上半身は、ポロシャツやトレーナーなどの動きやすい服装がオススメです。ボトムスは長ズボン(ジーンズやチノパンなど)であれば問題ないでしょう。なお、スカートやハーフパンツは乗馬には向かないので避けた方が無難です。多少汚れても問題ない服装で参加するようにしましょう。

アソビュー!「初めての乗馬体験、どんな服装で参加したらよい?」

乗馬体験は基本的に外で行いますし、馬は生き物なので、何が起こるか完全には予測できません。

予想外の事態に対応するためにも、汚れてもいい動きやすい服装で参加する必要があります。

夏場は難しいかもしれませんが、長袖長ズボンがいいと思います(直に馬の身体に触れなくて済みますし、こけた時のケガ防止になりますので……)。

馬は嗅覚もすぐれており、仲間を識別したり食べ物を見つけたりするのに役立てています。
乳や青草や果物などの甘い香りを好みますが、刺激的な臭いや酸っぱい臭いも嫌います。
香水の臭いもあまり好きではないので、馬に近づく時は控えめにしましょう。

西宮甲山乗馬クラブ「馬について」

そこまで神経質にならなくてもいいかもしれませんが、香水などの匂いも苦手のようですので、参考までに。


予約が必要な場合も多い

今回の乗馬体験は予約が必要なかったですが、予約が必要な場合も多いです。あらかじめ体験を行いたい施設を調査し、予約の必要性を確認しましょう。

じゃらんやアソビュー!では、全国の乗馬体験可能な場所を紹介していて、ネット予約可否なども掲載されているので、参考になるかと思います。


乗馬体験に必要な持ち物


  1. 汚れてもいい動きやすい服装

  2. タオル

  3. 軍手


乗馬体験に必要な持ち物は上記の通りです。

服装は紹介した通り。タオルに関しては乗馬体験前後で手を洗ったり、汚れてしまった時に役立ちます。

軍手は短い時間の体験では必要ないですが、場所によっては必要になるようなので記載しておきました。

ヘルメットやサポーターなどは貸し出してくれることがほとんどのようです。

あくまで一般的な持ち物であり、実際に必要なものは行きたい場所に問い合わせるか、ホームページ等で確認をお願いします。


次は水牛車に乗ってみたい

沖縄の水牛車観光の様子

以上が人生初の乗馬体験レポートでした。

27という年齢になっても夢を叶えられる機会があると、なんだか安心しますし、生きる希望も湧いてきます。

今回馬に乗ってみて、彼らの力強さや感情に触れることが出来ました。

切なさも感じましたが、生き物の力に頼ることでしか得られない、すばらしさの一端を知れた気がします。

というわけで、次は沖縄の水牛車に乗ることを夢見て、日々頑張って行こうと考えています。

今日も誰かを笑顔にしている、あの馬のように。一歩一歩と前を見て。


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