見出し画像

2024年に35名を採用できた理由(人事の話)

※画像は青森県の弘前市にある卸売市場の朝の様子(私が訪問した時のもの)で、この記事とは全く関係ありませんが雰囲気で載せております

※この記事は、「アグリゲートで働く事に興味がある」「食農業界で採用に困っている」「食農業界の採用どうなってる?」「アグリゲートに興味があり、応援したい」に該当する方向けに書きました。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。


0.「旬八青果店」と運営会社アグリゲートについて

こんにちは。
旬八青果店を運営する株式会社アグリゲートの代表を務めている左今(さこん)です。もしかしたら、この記事で初めて当社を知る方もいるかもしれませんので、簡単な会社紹介から。
当社は、「旬八青果店」という"青果を専門とした都市型の食料品店"を運営している会社です。アパレルのユニクロさんやJINSさんの様に、販売起点の製販一体型ビジネスモデルであるSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)のAを文字って"Food"に変えて"SPF"というビジネスモデルで事業展開をしております。


1.「採用入れ食い時代」~「採用氷河期時代」を経て。

「旬八青果店」の創業は2013年10月。
今年でもう満11年で、12年目へと突入しました。

2014年から採用を本格的に行っていますが、初めは「良い感じの?八百屋が時給1000円(当時は東京都の最低賃金が869円)で募集をしている!しかも楽しそう♪」というビギナーズバブルから始まりました(その当時に入社したメンバーもまだいます!)。そして、2015年頃からは、実力ではなく完全に物珍しさから多くのメディアで取り上げて頂いた結果「ミッションに共感しました!」という方の応募をびっくりするほど頂きました。そしてこれは、サイズダウンを行う2019年末頃まで続きます。この時は、今振り返ると本当に「入れ食い状態」みたいなもんで(表現悪くすみません)した。報酬水準が低いのにこんな経験をしたのは、完全にその時の時流にたまたま乗れた以外には言葉がないです。

そして、サイズダウンを行った2020年。はじめはそもそも採用なんて出来ず、むしろメンバーを絞らざるをえず辞めてもらう(その中で、意図せず辞める方もたくさんいました)事からのスタートでした。採用が実際に再開出来るようになった2022年に入ってからでした。正確に言うと、2021年の後半からは採用をしたくても採用出来ずに相当苦戦し、全然採れないという状態でした。2020~2021年は、「旬八青果店」の在るべき輪郭が見えてきて(今の環境の原型が出来上がりました)、コロナ禍での食料品小売業のバブルも後押して業績が急速に上向き、再拡大のための採用をいち早くしたい状況でした。でもその時は、過去を知っている自分からすると、食農業界スタートアップ競争の第一線から一度脱落した企業だからかな・・・なんて邪推してしまうほど、過去に比べて全然採用が出来なくなり本当に大変でした。(ありがたい事に、その時に入社してくれたメンバーも今在籍しています)ただ、今振り返るとそもそも知られてる範囲が狭すぎたので、ただ以前の状態が偶然の産物だったのだと思っています。


2.手探りだった2023年。明確に意識した2024年。

2022年から東京都の最低賃金は前年比約3%~4.5%の伸びを記録していますが、2023年になって明確に「想いだけではそもそもやれるはずがない」という認識を心の底から致しました。当社は、ミッション実現のために三方良しとなる事業を創ると謳っております。その三方の1つが、働くメンバーであり、それは明確に「働くメンバーへの環境や報酬向上」です。ただ、これは近い将来という(今考えたら)甘い考えをもってしまっていたので、「今すぐでないとダメだ!」と、考えを切り替えました。

そして、2024年。社員雇用の採用人数14名(アルバイトからの雇用転化5名含む)、アルバイト雇用の採用人数21名、を達成しました。(採用後に離職した方は含まず※現在在籍者のみ)
まだまだ色んな事を整えていかないといけない会社ではありますが、来たもの拒まずな採用では全くなく、一緒に会社を育てていくメンバーを採用するつもりで採用をしています。そのため、双方のためにも厳しい選定基準(スキルだけでなく、フェーズや社風に合う・合わないも ※単に優秀かではなく、弊社と合うかという部分は大きな指標です)を設けさせて頂いております。


3.具体的に人事チームが行った事

現在の人事チームは、店長や育成トレーナーを経て人事になった飛澤さんがマネージャー。2024年に人事として入社した渥美さんがメンバーとして運営している2名体制です。明確に行った事は、大きくは以下の3点です。

  1. 社員(中途30万円/月、新卒25万円/月)、アルバイト(1400円/時給)へベースアップ

  2. 労務面の更なる整備(有給休暇取得の推進)。

  3. 育成面では、スキルチェックシートのアップデート。不定期だが、人事面談。

また、2024年は約200万円の採用媒体への出稿を行ってきましたが、下期から採用の進捗が非常によくなったため10月以降は採用媒体への出稿は中止しました。(google広告は採用以外の目的もあり出稿中)


4.元人材総合サービスの会社にいた目線での私の振り返り

2024年の成果を上げるために効いた要素を簡潔に振り返ると、

  1. 共感できるミッションやビジョンがある事は、基礎であり前提でしかないと認識をした。

  2. 報酬設定が働き方(負荷)と一定バランスが取れているかを確認し、業界の平均年収はもちろん、他業界で同様のスキルセットを持った人材ならどう評価されるかを加味したものになっているかを意識した。(当社はまだ食農に想いがある方だから応募するという水準から抜け出せてはいませんが、想いがある方であれば一定魅力がある報酬水準ではあると思います)

  3. 入社した後は永遠に昇給がないみたいな状態にもちろんなっておらず、スキルアップに連動した報酬ステップとなっているかを意識。また、納得いくまで対話が出来ているかを意識。

  4. その報酬が無理して支払っているわけではなく、どこから出ているのかを明確に可視化する(ないと不安しかない)。

というところです。簡単に書いていますが、事業活動が報酬UPを許容できるように必死に事業のストレッチをした事と人事メンバーの表に見える採用活動だけでなく、制度設計・対話の地道なバックヤードでの活動の両方があってこそ生まれた、言うは易し行うは難しな連携だったと思います。


5.認識している課題と2025年の目標や取り組み方

つらつらと2024年は採用が一定上手くいったという内容の振り返りを書いてきましたが、人事の仕事は採用以外のKPIもあります。それは育成です。育成は現場に任せたい部分もありますが、「現場の仕事です!」と割り切ると、全く進まないのを数年で身をもって体験しました。そのため、人事領域としています。そんな育成に関しては、今年も満足いくようなスピードで進んだとはいえません。

2025年の採用目標は、今後の出店スケジュールを踏まえてほぼ2024年並で考えています。これに関して、なんと人事チームからは採用媒体への予算は0円で良いと申し出がありました。(代わりに、様々な形で従業員還元をしたいと)昨今の事情も踏まえると、かなりのチャレンジングな目標ではありますが、まずはそれで走ってみたいと思います。

一方で、育成に関しては気を引きしてめて取り組まねばなりません。当社にとっては、「個が育つ→業績が上がる→さらに個の報酬が上がる」のサイクルを上げるためには、スキルチェックシートに基づき各人がとにかくスキルを上げてるという意味で成長をしてもらう事が重要です。2年後、3年後も同じ方法ではしないかもですが、2025年はコミットするためにバイネームで何ケ月でどのランクに上げるという予実を追うというのをやってみようとしています。経営としても「育成」へコミットしていくつもりです。


6.直近の採用関連イベント

■1月17日(金)18:30~
正社員・アルバイト、オンライン採用説明会

■1月25日(土)14:00~
旬八大学主催:食農キャリア相談会
※左今が旬八青果店運営に関わる食農業界MAPの簡単な説明をし、時間の限り参加者の方のキャリアの悩みなどへアドバイスさせて頂きます


7.【大切な告知】

■1月7日(火)19:30より
2023年8月に続き、イークラウド社で2回目の株式投資型クラウドファンディング(新株予約権)を行います。これがIPO前のエクイティの増資は本当に最後になります。1月にウェビナー(オンライン)も行う予定なので、ぜひ出資に興味がない方も見に来ていただけたら嬉しいです。noteや私のSNSなどで告知致します。

いいなと思ったら応援しよう!