貧
【詩】「極貧」
字面の酷さ
発音しようものなら舌先が麻痺する痙攣性発作の如き不快な響き
イメージとしては将軍クラスのネガティヴ・ワードである
気持ちが暗くなる
ああ
私は本職が詩人なので上記のような直截な表現は好きじゃないのだけども、極貧をテーマに詩作せよと命じられてその瞬間のパッションで詠むとすればもうこれしか浮かばない。
これは詩というよりも愚痴である。対して。
「清貧」
くぁくぁと啼く 南国の鳥骨に
禱れただ
ただ
土中の膝 埋没して脛の痕跡
皮は剥がれ川は流れ
睡ってなお蝿は無く
骸にも芳香
重ねて言うが私は本職が詩人なので上記のように放り捨てたような表現は好きなのだけれども、清貧をテーマに詩作せよと命じられてその瞬間のパッションで詠むともうこれしか浮かばない。
ただ、放り捨てたにしてはちょっと写実的かつ陰惨でやはりパッとしない。
一見して反語と思われるこのふたつの言葉では有るしやっぱ、全然イメージが違うのは事実。しかし共通する暗味、この暗味はどこから来るのか?そりゃもうわかり切っている。どちらにも共通する点、それは貧である。
陰気。
要するにだ、極まろうが清らかであろうが、所詮「貧」は「貧」である。
これは前置きだ
随分と長い前置きだ。
しかし、まだまだ前置きが続く。
前置きが続くあまり自分でも忘れちゃう可能性があるので確認の為に書いておくと。
このエッセイの主題はタイトルに有る通り「極貧試考」である。
(to be continued...)