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月に3日間だけ開くお店「ししゅうと暮らしのお店」で働いてみたハナシ
こんにちは。
休息や豊かさに関する勉強をしているタツローです。
今回、広島県東広島市志和町にある「ししゅうと暮らしのお店」にスタッフとして訪問してきました。
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ししゅうと暮らしのお店
「ししゅうと暮らしのお店」は株式会社イトバナシ(代表:伊達文音さん)が運営する衣料、雑貨、食品を販売するお店です。
現在は奈良五條、広島志和に2店舗あり、刺繍商品を中心に雑貨やチョコレート(chocobanashi)、地域のユニークな商品を扱っています。
そしてなんだかんだ言っても、このお店最大の特徴はいずれのお店も「月に3日」しか営業していないということ。
残り27日間はお休み。
便利や効率が重視される現代において、この仕組みは異例です。びっくり。
さらにお店のある場所は田舎のど真ん中。
車がないと来られないような場所です。
そんなところで月に3日間の営業が一体どうやって成り立つのか。
どんな人が働いていて、どんなものが売られ、どんな人がお客さんとして来ているのか。
そんないくつもの興味に突き動かされ、今回4月の営業日の3日間(4/28-30)、準備段階も含めての3泊4日、スタッフとして内部から勉強すべく訪問させていただきました。
この記事では実際にお店のスタッフとして働いてみて、感じたこと、気づいたことについて話していければと思います。
それではいきましょうー!
訪問のキッカケ
話を進める前に今回訪問した経緯を簡単に説明しますと、私とイトバナシ副代表である杉川さんはとある経営ゼミの同期でして、その中でイトバナシの異例のビジネスモデルを知りました。
便利とは言えないローカル環境で月3日しか営業しないお店をやっている。
そんな興味深い事業は、休息の為の「主体性」と「心の豊かさ」を勉強している私にとって必須教養項目。
そこで無理言って今回、訪問&滞在させてもらうことをお願いしました。
4/27(営業日前日)
改めて今回の開催は4/28(金)-30(日)の3日間です。
私は開店前日の4/27(木)からお店のある広島東広島市志和町にお邪魔させていただきました。
飛行機で羽田空港から広島空港、その後バスと電車を乗り継いで、最寄り駅のJR八本松駅に12時過ぎに到着です。
杉川さんに出迎えてもらい、会場となる志和町に車で移動します。
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着くとそこは田園風景広がるのどかな場所。
お店は田んぼと民家がポツポツと並ぶ場所にありました。
不便で行きやすいとは言えない立地。
目的性がないとまず行かない場所だと思います。
こんな場所に本当にお客さんは来るのだろうか?
想像以上の過酷な立地環境にますます興味が湧いてきます。
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お店に着くと、店内は明日のオープンに向けて絶賛準備中です。
この月はお店のオープンから2周年ということで、いつもよりも多くの商品、飲食メニュー、そして人員を準備しての開催でした。
会場は物販スペースと飲食スペース、特設チョコレート会場に別れます。
私は今回飲食スペース会場と近くの茅葺き屋根の家の清掃を担当しました。
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ここが本当にトトロに出てくるような古民家。中には囲炉裏や五右衛門風呂もありました。
慣れない造りの家に苦戦しつつも、ちょっぴりワクワクしながら掃除をします。
縁側を掃除していると、通りのおばちゃんから声を掛けられました。
「がんばっ〇〇」と話してくれますが、語尾の方言がキツくて、3度ほど聞き返しても内容がわかりません。
でも笑顔だったので、きっと応援してくれたのだと感じ、笑顔で「がんばります!」と伝えます。笑
改めてすごいところに来てしまったと感じている中での田舎らしい温かいコミュニケーション。
ホッとしつつ掃除に取り組み、その日の準備を終えました。
夜は代表の伊達さん、杉川さん、スタッフのようこさんと晩御飯は大盛りの広島焼を美味しくいただきました。
晩ごはん後、21時から伊達さんと杉川さんは恒例の商品紹介LIVE配信へ。
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配信には多くの人が見にきており、明日以降の営業に対する期待を感じます。
そんなこんなで移動&掃除の1日は終了です。
4/28(営業1/3日目)
翌日は朝7時に起床。
少し早く起きすぎたので、近くを散歩しました。
住んだ空気で気持ちを満たし、気持ちよい朝になりました。
その後は朝準備に向けて店舗へ。
期間中は食品、ガラス雑貨の売り場を担当することになり、各商品の説明を伊達さんより直接受けます。
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それぞれ商品に宿る作り手の想いを噛みしながら、開店を待ちます。
開店が近づくと、店頭では平日にも関わらず、どんどんと列が出来始めます。
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並んでいる人の表情を見るだけで、お客さんがこのお店に対して持っている期待を感じ取ることができます。
オープン後、緊張しながら接客に入ります。
「私このお店は常連なの〜!」
「今回はどんなものが入っているの?」
「今回はインスタでみた〇〇を見に来たの」
お客さん側からどんどんと話かけてくれ、緊張も次第に和らいでいきます。
お客さん全員が表情が柔らかく、楽しそう。そんな表情に毎月このお店がどんなものを提供してきたのかを伺い知ることができます。
開店にあたっての今回のスタッフは、伊達さん、杉川さん、私を含めて全部で10名程。
さながら文化祭のような和やかな雰囲気です。
お客さんと談笑しながら、各自が楽しそうに接客をしています。
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お客さんと話をしていて、気がつくのはお客さんの皆さん、「自分の豊かさにつながるものを求めに来ている」ということ。
その豊かさをつくるのは販売している商品だけではありません。
スタッフとのやり取りもお客さんの豊かさをつくるパーツになっています。
インターネットを通じて効率よく便利なものが手に入る時代。
わざわざ不便な場所に来て、接客を通して物を買って、豊かさを手に入れている。
お客さんが買っているのは便利ではなく、豊かさ。
接客をしながら、お店の雰囲気を近くで感じながら、そんなことを考えました。
ピーク時間を終えると、そこから少しゆとりのある接客の時間へ。
じっくり自分の豊かさを選ぶお客さんに寄り添いながら、ゆっくりと楽しい時間が過ぎていきました。
その後、飲食部門も売り切り、無事に初日を終えました。
その後は宿泊するかやぶき屋根の家の五右衛門の風呂沸かしを担当することに。
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火をおこし、火を見守る時間。
お風呂が沸くまで約2時間。
圧倒的に不便なんだけど、なんだか楽しい。
自ら手間をかけてお風呂を準備することに小さな喜びを感じました。
清々しいお風呂の後はスタッフ勢ぞろいで晩御飯です。
料理が得意な杉川さんのフルコースを堪能します。美味しい。
談笑しながら、お互いを知り合う、豊かでとても楽しい夜でした。
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4/29(営業2/3日目)
朝8時に起床。
ゆっくり身支度をした後、開店準備を行います。
この日は朝から雨。
不安もありましたが、本日も朝から店前には列ができています。
初日は平日で主婦の方が多かったのですが、この日は土曜日というもあり、子供連れや親子など、幅広いお客さんが来店してくれています。
初日とはまた違ったお店の雰囲気です。
またこの日は朝からテレビの取材クルーが入っており、続々と伊達さんやお客さんにインタビューをしています。
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印象的だったのは、お客さんがインタビューに答える様子がとても具体的でリアリティにあふれていたこと。
ここを知ったキッカケやお店の魅力を自分の言葉で語ってくれており、それを他のお客さんが聞いて、このお店に通うことに自信を持つ。
そんな風景がそこにあったような気がします。
伊達さんのインタビュー中にはお客さんが、その風景を見て笑顔になり、カメラを構えて写真を撮ったり、このお店そして伊達さんとお客さんの間にある信頼関係のようなものを感じました。
この日は一日中、雨の中での営業でしたが、多くのお客さんに来店していただき、前日の売上を大きく更新することができました。
そんなこんなで程よい疲れの中で2日目の営業を終えました。
営業終了後は、前日に続き、スタッフ全員で終礼を実施しました。
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営業の中で感じたこと、明日に向けて取り組みたいことを一人ずつ共有していきます。
営業が月3日間だからこそ、いつかの解決ではなく、すぐに行動を考える。
自然とPDCAサイクルが早くなる。そんな様子でした。
そしてこの日の夜はメンバー全員で街中華を堪能。
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賑やかに談笑する時間もありつつ、各自の今後の目標を語り合う熱い時間もありました。
イトバナシに関わる皆が持っている方向性や課題を知ることができ、よりこの会社のことが気になってきました。
滞在する、内部に入る、そして同じ釜の飯を食うって本当に大事なことですね。
4/30(営業3/3日目)
いよいよ帰る日になってしまいました。
朝8時に起床し、準備頂いた朝ご飯を食べます。
身支度をした後、皆さんに名残惜しくも挨拶をします。
皆に挨拶する中でふと口に出たのは「また(奈良や広島の)お店に来ます!」というセリフでした。
今回はお客さんではなく、スタッフとしてお店に訪問しましたが、その立場においてもまたお店に来たくなりました。
このなんとも言えない感覚がお客さんにもあるのかなと思い、このお店の持つ魅力を再認識できました。
今回、3泊4日という短い期間でしたが、イトバナシのスタッフの皆さんとの出会いはとても印象深いものでした。
(以下、話を聞かせてもらったスタッフの皆さん)
杉川さんのチョコレート修行からイトバナシを知って、伊達さんと一緒にインドを旅したようこさん。
音楽活動を一時休止し、奈良五條店でチョコレートをつくることになったひかるさん。
志和町で電気屋さんをしながら、オリジナルのチャイを提供するこばちゃん。
チョコレートの魅力に取りつかれ、道を踏み外しまくっているチョコ山くん。
みんなに総じて共通しているのは、自分の思う豊かさを追求して、それに向かって働いている様子。
お客さんも、働くスタッフも豊か。
まさにイトバナシがコンセプトにしている「つくる人とつかう人の暮らしを豊かに」にあてはまる光景がありました。
こんな素敵な空間、4日間で離脱するのはなんだか勿体ない。。
そんな想いから出たのが最後の「また来ます」というセリフだったのだと思います。
まだまだお店のこと、商品のこと、スタッフのこと、今後の方向性の事、話したいことは尽きませんが、今回はこれぐらいに余白を残した終わり方にしておきたいと思います。
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ぜひともまたお店に訪れたいと思います。
最後になりますが、この体験記がイトバナシ、ししゅうと暮らしのお店に興味のあるお客さん、スタッフさんへの参考の一助に慣れれば幸いです。
改めて本当に楽しく、勉強になった4日間でした。
伊達さん、杉川さん、スタッフの皆さん、お客さんの皆さん、ありがとうございました!
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