Google UX Design Certificate - 2ヶ月目が終わったので、コースについてまとめてみた
先日、Google UX Design Certificateについてツイートしたところ、少し反響があり質問もいただいたのと、
深津さんがnoteで紹介されていたこともあり、日本でもたくさん"同級生"が増えるのでは...!?と思ったので、
2ヶ月目ちょうど終わったこのタイミングで、noteを書いてみようと思います。
コースの概要
💻 これはなに?
Googleが提供している、オンライン職業訓練プログラム(Google UX Design Professional Certificate)のうちの "UX Design" コース。
💰 受講費用
39ドル / 月(2021年5月の請求が4114円でした)
いつでも解約でき、7日間の無料トライアルもある。
🚶♀️ コースについて
全7コース。それぞれのコースがWeek 4〜5 にブレイクダウンされている。とはいえWeekは目安なので、自分の好きなペースで進められる。
基本的にWeekごとに10時間以内で完了できるボリュームを想定されている。
📅 期間
推奨ペース通りに受講すると、全コースが6ヶ月で修了可能。上述通り、めちゃくちゃ頑張ってもっと短くすることも、逆に少しずつゆっくり学習することもできる。
💬 言語
現在は英語のみでの提供。FAQに "We are working on adding more languages soon. "とあるように、言語対応は将来的に予定されている。
が、使われている英語もかなり分かりやすく、すべての動画にスクリプトがある等、英語がネイティブレベルではなくても始められます。
👩💻 UXデザイン以外のコース
・Project Management
・Data Analyst
・IT Support
・Android Development
なにができるの?
コースの内容は以下の通りです(深津さんのnoteから引用)
1. UXデザインの基礎
2. UXデザインプロセスをはじめる(←これをちょうど終えた)
3. ワイヤーフレームと低精度プロトタイピング
4. UXリサーチと初期コンセプトのテスト
5. Figmaでの高精度のデザインとプロトタイピング
6. Adobe XDによるレスポンシブWEBデザイン
7. ソーシャルグッドのためのUXデザインと、就職の準備
これらのコースがWeek 4〜5に分かれています。その中で動画やリーディングなど様々なコンテンツがあります。
主なコンテンツ:
📹 Video
Googleのデザイナーであるインストラクターがトピックについて話す動画がメインで、その他デザイナーへのインタビュー動画も。
(特に、メインスピーカーの方々は本当に話すのが上手で感動する)
📕 Reading
各章のトピックについて、動画をより詳細化したリーディング教材。任意で関連トピックについて記事も提供される。Googleが出している記事もあれば、
🧐 Quiz
└ Practice Quiz:↑の2つに基づく選択式のクイズか、採点されないセルフ課題(ペルソナ作ってみよう、とか)。
└ Quiz:Weekごとのグレードに反映されるまとめテスト。これも選択式。
🗣 Discussion Prompt
参加任意で、テキストで質問に答えるアクティビティ。自分で投稿すると、他の生徒の回答も見られるようになる。
🤝 Peer-graded Assignment
章を通して制作したアウトプットを提出し、他の生徒に添削してもらう。提出後、自分も他の生徒の課題をレビューする。
まだ2/7コースなので、コースが進んでいくにつれてアクティビティの数も増えていきそうです。
そして1コース修了するごとに、証書が発行されます。LinkedInアカウントと紐付けて表示することもできるそう。こちらはコース1を修了したときのもの:
「Google UX Design Certificate」という名前だけあってこのような証書は発行されるものの、個人的には、資格のありなしでスキルを判断できるような職種ではないと思っています。少なくともまだ日本では使いどころが少ないのかなぁと感じるので、「資格取得」をメインの目的にするより、「UXデザイン学んでみたい」目的がメインの方が良いのかもしれない、と思いました。
でもなんだかんだ、こういう証書みたいなの、ちょっと嬉しいですよね。
コースを始めた3つの理由
1. 体系的にUXデザインを学んでみたかった
少し私の背景をお伝えすると、アメリカの美大に4年間通い、グラフィックデザイン学科を卒業後、UI/UXデザイナーとして就職し、UXデザインに関する知識やスキルは実務を通して身につけてきました。
なので、このコースがメインのターゲットとする、全くのUXデザイン初心者というわけではありません。
ただ、大学の4年間でデザインを学んだことが、本当に自分の財産になっていると常々感じていたので、「今専門としているUI・UXデザインを体系的に学んでみたい...!」という好奇心が、このコースを始めた一番の理由です。
2. コスパが良すぎた
上記の理由で、UXデザイン関連のオンラインコースを探していました。通常の大学に通う学費と比較すると納得できるのですが、なんせササッと払える金額ではないものがほとんど。
そんな中で、このカリキュラムのボリュームで $39/月 という価格設定は破格すぎました。(下記のnoteでも同じ点に触れられていました)
3. 自分のペースでできること
海外に気軽に行けないこの状況で、忘れてしまいそうな英語にちゃんと毎日触れるという裏目的もあったので、海外のリソースを探していたのですが、金額を度外視しても、時差問題だけは避けて通れない壁でした。
(ずっとやってみたいと思っていた Memorisely というデザインブートキャンプもあったのですが、時差問題+仕事との兼ね合いで今回は断念)。
リアルタイムなセッションなどはないものの、自分のペースで学べることが一番大事だなと思いました。
だいたい週に5〜7時間ほど使っています。
実際に良かったところ・微妙なところ
👏 課題を通して学べる内容と、インタラクティブなコンテンツ
動画やリーディングで基本的な知識を身につけるだけでなく、実際に仮想のプロジェクトに取り組みながらコースが進んでいきます。その中には、実際に仮想のプロジェクトを自分で決めて、ユーザーインタビューをしたり、競合リサーチをしてみたり...といった内容もあります。
※ UXリサーチのプロセスはあっさりめに紹介されています。あっさりと言っても、基本的なプロセスや知識は一通り学ぶことができます。
また、読んだり動画を視聴したりするだけではないコンテンツも、飽きずに続けられている理由の一つです。例えばWEBアクセシビリティに関する章では、実際に「キーボードだけ使って操作してみる」といったインタラクティブなコンテンツがあります。
👏 「人がいる感」がある
「生徒同士が課題をレビューしあうアクティビティ」など、世界のどこかで同じことを学ぼうとしてる人がいる...というのは個人的にかなりモチベーションになります。(先日レビューしたのは、インドでUXデザインを勉強されている方でした🌏 )
また、Google社員へのインタビュー動画もいくつかあり、そこには「今でも言語の壁に挑戦しながら、Googleでデザイナーをやっている」といったような、Googleで実際に働く人たちの様子を覗き見できるなど、一般的なオンラインコースではなかなかないコンテンツもあります。
👏 あまり身構えず、カジュアルにできる
週10時間以内、という目安があるとはいえ、時間は確保しなくてはいけません。しかしモバイルアプリでもアクセスできるので、動画は寝転びながら見たり、わりと自由にやっています笑。
また、全部教材は隅から隅まで読んで...だと続かないと思ったので、あまり重要じゃなさそうなところは読み飛ばしながら進めています。
職業訓練プログラムというだけあって、「LinkedInのアカウントつくってみよう」といったアクティビティもあるのですが、そこはスキップできたりします。
🧐 Coursera がちょっと微妙
海外のシニアデザイナーがこのコースをレビューしてる動画では、「UXを教えてるGoogleのコースなのになんでこんなひどいUXのプラットフォームを使うんだ」といったCourseraのユーザビリティの悪さに言及されてました。
たしかに、細かいところで気になる点は多々あります(動画を巻き戻すと、回答済みの回答が出てきてOK押さないと進めなかったり...)。
おすすめしたい人
一概に、全員におすすめしたい!と言えるわけではないので、
個人的に「こんな人に向いてるんじゃないかな?」と思ったイメージを書いておきます。
✅ 英語で読み書きすることが、それほど苦ではない人
ほとんどのコンテンツは極論、翻訳ツールを使えば進められそうな気がします。
しかし、上述した生徒同士で採点しあったりするような課題は日本語のまま提出するわけにはいかないので、すべてのコースを修了したい場合はある程度の英語の理解は必要かもしれません。
少しでも気になったら、7日間は無料なので試しにやってみることをおすすめします!
🙆♀️🙆♀️🙆♀️ UXデザインをこれから学びたい人
超基本的な知識から始まり、様々なフレームワーク、UXデザイナーとしてのキャリア形成まで、幅広くいろいろなエッセンスを吸収できるので、とてもおすすめです。
が、あくまで"Google"のオンラインコースなので、「これがUXのすべてだ!」と思い込まず、会社ごとに考え方やデザインプロセスは多種多様であることは理解しておく必要はありそうです。
🙆♀️ UXデザインについてある程度知識や経験がある人
おそらく「知ってるわ!」みたいな内容も多くあり、目新しい情報は少ないかもしれませんが、
例えば違う言語で学んでみることで意外な発見があったり、リサーチの幅が増えるかも、と個人的には思っているのでおすすめしたいです。
今後の予定
コースに関しては一応推奨ペースで進められているので、予定どおり行けばあと4ヶ月で全コース修了しそうです👩🎓
クオリティの高い教材に低価格で触れられることがわかってしまったので、修了後も引き続き知識をアップデートしていきたいなぁと思っています。
社会人になってからこそ気づく、勉強する時間の尊さ...。
Courseraでは、Googleだけでなくアメリカの大学がUI・UXデザインのコースをにて提供しています。
ちなみに、このあたり、とっても気になってます:
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まだ日本語ではこのコースに関する情報が少ないと思うので、このnoteがコースを始めようか迷っている方のお役に立てば幸いです。Googleの回し者というわけではなく笑、とても良いコンテンツなのでシェアしてみました。
また、学んだことを自分の言葉でアウトプットするとより身につく、ということを1年ちょっとnoteでいろいろ書いてきて感じたので、
次回は、忘れないうちに、これまでの2コースで興味深かったことについて書きたいと思います。
▼ 紹介させていただいたnote
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