【読書記録】すきだらけのビストロ うつくしき一皿 冬森灯
今回は冬森灯作『すきだらけのビストロ うつくしき一皿』の感想をアウトプットします。
あらすじ
主人公について
今作の主人公は白熊のようなコック江倉有悟(えくら ゆうご)と、黒猫のようなギャルソン江倉颯真(えくら そうま)兄弟です。ギャルソンとは男性の給仕係のことで、兄が作った料理を弟がサーブしています。見た目や性格は似ていませんが、お互いに認め合い支え合う仲の良い兄弟です。
料理について
ビストロとはフランス語で、伝統的で家庭的な料理を楽しむことのできるカジュアルな飲食店だそうです。「ビストロつくし」も例に漏れず、おいしいお酒とフランス料理を提供しています。
お客様のおもてなしや料理の内容説明、飲み物のおすすめは給仕係の弟颯真が、メインであるスペシャリテについては厨房からでてきた兄の有悟が説明をしてくれます。
印象に残ったフレーズ3つ
感想
読んでいて心が満たされるお話でした。「ビストロつくし」が現れる場所には様々な芸術があります。料理の描写と芸術の描写、どちらも繊細で想像力を搔き立てられました。その芸術に触れた後にこの作品を読み直すと、また味わい深い一冊になるのではないかと思います。
物語は有悟に援助をしていた謎の人物「翁」を探すことが軸になっていますが、私にとっては、「翁」に関する話よりも、サーカステントを携えた「ビストロつくし」の描写や芸術を愛する人々の話の方が魅力的でした。
この話を通して興味をもったのがフランス料理です。本文を読むだけで”なんかおいしそう&おしゃれ”感は十分に伝わるのですが、フランス料理についての造詣が深ければ、より解像度の高いイメージを持つことができると感じました。参考文献にフランス家庭料理に関する本があったので、読んでみたいと思います。
個人的、こんな人におすすめ!
・芸術に関する小説が好きな人 例:原田マハ
・夜の飲食店に魅力を感じる人 例:『満月珈琲店の星詠み』
この本が好きならこの本も好きそう…!というつながりをどんどん増やしていきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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