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私の耳は貝のから
私の耳は貝のから
海の響きを懐かしむ
Mon oreille est un coquillage
Qui aime le bruit de la mer.
堀口大學が訳詩した、
ジャン・コクトーの一行詩『耳』。
原詩は6篇の短詩から成る作品『カンヌ5番(Cannes V)』ですが、堀口には、この詩を本歌取りしたと思われる『夏の思ひ出』という詩があります。
みれば原詩を連想させるような言葉がならび、かさねて読むと、まるで万華鏡を覗いてるような気持ちになります。
しずかに静かに耳をすませば、いつかの海の響きのように、あの日の声も蘇るかもしれない。ご紹介しましょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。
貝がらに、海の響が残るやうに、
私の耳の奥に、彼女の声が残って、
アドヴァンテエジと叫び、
ジュウス、アゲンと呼ぶ。
十六ミリに、過ぎた日の仕草が残るやうに、
私の目の奥に、その夏の身振が残って、
ヨツトのやうに傾いた、白いあなたが見え、
行き来するボオルが見える。
貝がらの海の響のやうに、
十六ミリの過ぎた日の仕草のやうに、
私の耳に、その夏の声が残り、
私の瞳に、その夏の身振が残る。
-堀口大學『夏の思ひ出』
ハマナス 花言葉「悲しくそして美しく」
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花屋の本棚 今日の一冊
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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